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カテゴリ:ゴム

ラテックスとは?4つの種類と特徴・用途

2021.05.27 ラテックス

天然素材を原料としているラテックスは、ゴムのなかでも古い歴史を持っています。ラテックス以外に多くの合成ゴムが誕生していますが、今でもラテックスは需要が高く、いろいろな用途に用いられているゴムです。
ゴムを知るうえでははずせない、ラテックスの概要や種類、特徴、用途について解説しています。ラテックスとゴムの違いについても解説していますので、ゴム製品製造や加工でラテックスを原材料として検討しているときや、ほかのゴムと比較したいときには、ぜひ参考にしてください。

ラテックスとは

ラテックスとは

ラテックスとは、ゴムのコロイド状水分散物を指します。ゴムの木を傷つけることで流出する乳液や、界面活性剤で乳化させたモノマーを重合して得られる液が、ラテックスです。天然ゴム、樹脂、油、タンパク質、糖、アルカロイド、タンニンを含んでいます。

植物におけるラテックスの役割には、以下の説があります。

  • 栄養を蓄えている
  • 老廃物または排泄物
  • 樹木に傷をつけると出る、凝固することから雑菌や微生物の侵入を防いで組織を保護する
  • 有毒なラテックスを出す場合は、草食動物に食べられるのを防ぐため

ゴムの木をはじめとした天然の木から得られるラテックスは、空気に触れると固まる性質があります。一般的に「ラテックス」と呼ばれるのはゴムの木の樹液、またはゴムの木の樹液を加工した伸縮性の高い薄いゴムです。おもに服飾、塗料、医療検査用の手袋、自転車のタイヤのチューブ、チューインガムの素原料、そしてゴムの原料として活用されています。

なお、ラテックスはアレルギーを引き起こす元であるアレルゲンでもあります。ラテックスアレルギーの人がラテックスに触れるなどすると、皮膚のただれ、かぶれを起こすほか、重いアナフィラキシーショックを起こす場合もあります。

ラテックスはゴム手袋やコンドームなどにも使用されているため、ラテックスアレルギーの可能性がある場合慎重に取り扱わなければいけません。

なお、ラテックスはバナナや栗、アボカドなどに含まれるタンパク質を持っているため、これらにアレルギーを持つ場合は、ラテックスにもアレルギーのある可能性があります。

「ラテックス」と「ゴム」の違い

「ラテックス」と呼ばれる場合、以下の3つの意味があります。

  • ゴムのコロイド状水分散物(樹液、界面活性剤で乳化させたモノマーを重合して得られる液)
  • ゴムの木を原料として作られたゴム(天然ゴム)
  • ラテックスを原料とした薄い膜の素材

広義では、ラテックスもゴムの一種です。一方、「ゴム」と呼ぶ場合は化学材料を原料にして作られる合成ゴムを指す場合が多いです。ラテックスを原料としたゴムを「天然ゴム」、そのほかを「合成ゴム」と呼んで区別する場合もあります。

ラテックスの種類と特徴

ラテックスの種類と特徴

ラテックスは原料や状態によって、以下の4種類に分けられます。

  • NRラテックス
  • SBR系ラテックス
  • NBRラテックス
  • CR ラテックス

それぞれの特徴について解説します。

NR ラテックス

NRラテックスとは、ゴムの木から採取した樹液から作られたラテックスを指します。樹液は空気に触れると凝固してしまうため、凝固防止で少量のアンモニアを添加しているのが特徴です。その後保存剤を添加して凝縮し、製品になります。

NRラテックスは薄くて伸びがよく、強度が高いためゴム手袋などのゴム製品が作られます。

SBR系ラテックス

SBRラテックスとは、スチレン(STY)とブダジエン(BDE)のふたつを主原料に作られる、合成ゴムラテックスのことです。加硫剤や硫黄などの添加が不要なカルボキシル基などを変遷したSBRラテックスがとくに多く用いられています。顔料との接着性が高く、光沢や耐水性を得るためにカレンダーなどの紙類に使われることが多いです。

SBR系ラテックスのひとつであるBRラテックスは、ABS樹脂のベースポリマーをはじめとした用途に活用されています。アクリロニトリルとスチレンをグラフト重合できる、耐衝撃性と耐寒性にすぐれているのが特徴です。

NBRラテックス

NBRラテックスとは、アクリロニトリルとブタジエン(BDE)を主成分とした合成ゴムラテックスのことです。耐油性と接着性にすぐれているため、手袋や繊維処理用として使用されています。

CR ラテックス

CR ラテックスとは、クロロプレン(CR)ポリマーを乳化分散させたもののことです。耐候性、耐オゾン性、耐炎性、耐熱性、耐油性、耐薬品性などに優れています。

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ラテックスの用途

ラテックスの用途

ゴムの樹液から採ったNRラテックスをはじめ、合成ゴムラテックスを含めるとラテックスの用途は多岐にわたります。

  • フォームラバー
  • 浸漬製品(ゴム手袋、指サック、コンドーム、靴用の中敷き、皮革の裏打ち用など)
  • 繊維加工用
  • 紙加工用(カレンダーや包装紙など)
  • 建築用シーラント
  • 弾性セメント
  • ABS樹脂のベースポリマー
  • 道路舗装用
  • 接着剤
  • ゴルフボール用糸ゴム
  • 汎用ゴムシート(クレープゴム、アメ入りゴムなど)

など

まとめ

ラテックスは、ゴムの木から採れる乳液や界面活性剤で乳化させたモノマーを重合した液を指す言葉の一方、合成ゴムと区別するために天然ゴムを指す言葉、薄くて弾力がある原料を指す言葉でもあります。

近年では、ゴム製造技術の向上により、天然ゴムと合成ゴムが区別されることはほとんどなくなりました。また、ラテックスも樹液に少し加工しただけのNRラテックスのほか、合成ゴムラテックスもあります。耐油性がないという欠点はありますが、力学的強度、耐摩耗性、ゴム弾性が抜群な材質です。

「天然素材だからラテックス(天然ゴム)を選ぶ」のではなく、製造したいゴム製品に応じたゴム原料選びが重要です。

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