カテゴリ:ゴム
エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)の特徴と用途
2021.08.22 エピクロルヒドリンゴム
合成ゴムはそれぞれで特性が異なるため、ゴム製品の用途に応じた合成ゴムを選ぶのが重要です。耐熱性を持つゴムのひとつに、エピクロルヒドリンゴムがあります。耐熱性のほかにもメリットがある一方、デメリットもあります。エピクロルヒドリンゴムを使っての製品製作を検討している人のために、エピクロルヒドリンゴムの特徴や用途について解説します。これからのゴム製品製作に、ぜひ役立ててください。
エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)の特徴
エピクロルヒドリンゴムとは、エピクロルヒドリンの単独(CO)またはエチレンオキシドとの共重合(ECO)で合成される合成ゴムです。主鎖にエ-テル結合、側鎖にクロロメチル基を持つためポリエ-テルゴムに種別されています。有機アルミニウム系触媒による溶液開環重合で製造されるほか、ポリリン酸エステル系触媒を用いた溶媒スラリー型重合法による製造法も開発されています。
1965年に誕生した合成ゴムで、近年は自動車の排気ガス対策のための排気管系統のゴム強化を目的に、さらに需要が伸びています。
エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)のメリット
エピクロルヒドリンゴムには、以下の特性がすぐれているメリットがあります。
- 耐油性
- 耐熱性
- 耐熱老化性
- 耐オゾン性
- ガス透過性
- 難燃性がある
- 半導電特性がある
- 接着性も良好
とくに、ECOはCOの欠点である「低温特性」と「反発弾性」を改良している特徴を持っています。
エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)のデメリット
エピクロルヒドリンゴムには、以下の特性が劣るデメリットがあります。
- ロール粘着性
- 金属腐食性
- 軟化劣化性
- 加工性
- 機械的強度
- 金型汚れ
エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)の用途
エピクロルヒドリンゴムは、以下の製品用途で用いられています。おもに自動車関連部品での用途がほとんどです
- 自動車向けの燃料系部品
- 潤滑油系部品
- 吸・排気系のホースやチューブ
- ダイヤフラム(ECO)
- プリンター用ゴムロール
エピクロルヒドリンゴムは自動車用製品向けの合成ゴム
エピクロルヒドリンゴムの特徴や用途について解説しました。エピクロルヒドリンゴムは、耐熱性や耐油性、耐熱老化性、耐オゾン性の高さから自動車の燃料計、潤滑油系、排気系の部品として多く活用されています。また半導電性の制御の高さから、プリンター用ゴムロールとしても用いられています。エピクロルヒドリンゴムをふくめ、用途に応じたゴム製品製作は原料のゴム選びが重要です。
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