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カテゴリ:ゴム

ゴムの配合剤にはどんなものが使われる?

2021.11.10 加工方法配合剤

ゴムの配合剤は、ゴム製品を製造する上で必ずと言っていいほど投入されている薬剤です。日常生活から製造現場などあらゆる場所で活躍するゴム製品は、配合剤の投入によってプラスされたり向上したりした加工性や耐性によって成り立っているのです。
当記事ではゴムの配合剤の概要や必要性、主な配合剤の種類をご紹介します。

ゴムの配合剤とは?なぜ必要?

ゴムの配合剤とはゴム製品を製造する際、加硫(かりゅう)の促進や老化防止、加工性の改善などを目的に、ゴム原料(ポリマー)と一緒に混ぜ込むものです。

日本産業規格(以下、JIS)のJIS K 6200によると、「加工性の改良、製品物性の向上、増量剤としての利用などを目的に、ゴムまたはラテックスに添加する物質」とされています。

優れたゴム製品を作るためには、いくら適切なゴム原料を使用しようとも、原料単体では製品として使えるものにはなりません。単体使用のままでは加硫に時間がかかりすぎたり、加工性が悪すぎたり、ゴムの品質が落ちたりなど、製品として販売するには厳しいでしょう。

配合剤を適切な比率で混ぜることで、はじめて市場に出せるゴム製品になります。ゴム配合剤を混ぜないゴム製品はゼロと考えておいてください。

また「ゴム原料とゴム配合剤がどのように組み合わさっているのか」によって、ゴム製品の物性や加工性、製品としての機能、値段などが変わります。

ゴム配合剤を投入するタイミング

ゴム配合剤を投入するタイミングは、ゴムに弾性や耐熱性を与える「加硫工程」の前です。ゴム原料と配合剤を混合させた後、その混合物を使って加硫や成形の工程に入ります。

配合剤を入れる量は、製品ごとに設定される配合表(料理レシピのようなもの)で決まっています。開発や研究部門が「どんなゴムを作りたいのか」「目標の製品にするにはどの物性が必要か」を考慮し、経験をもとに配合表を作成ます。しかし、配合によっては予想外の物質や物性になることもあるため、配合表を作ったからといってすぐに製造に移ることができるわけではありません。目標に近付けるため、何度も試作を作っては新しい配合を作り直すことを繰り返してようやく配合表が完成し、作業員が実際に配合・製造することができます。

加硫とゴム配合剤の関係

加硫とは、ゴム原料とゴム配合剤を混合させたものへ硫黄等を加え、100~200℃の熱によって化学反応を起こさせる工程です。ゴム分子同士を連結させてゴム弾性を与える「架橋(かきょう)」を発生させます(硫黄以外で加硫することを架橋と称する場合もある)。

このときに加える硫黄がいわゆる「加硫剤」という配合剤の一種として扱います。

しかし熱と硫黄だけで加硫工程を進めようとすると、完了するまでに数時間から数十時間もの時間が必要になってしまいます。生産効率を考えるとあまり好ましくありません。

そこで加硫工程の時間を短縮するために、ゴム配合剤として「加硫促進剤」を使い解決します。配合剤はゴムへ必要な機能をプラスするだけでなく、加硫工程を効率よく進めるために重要なものといえるでしょう。

ゴムの配合剤の種類

ゴムを製造する際によく用いられる配合剤には、主に次の種類が存在します。

  • 加硫剤
  • 補強剤
  • 軟化剤
  • 着色剤
  • 老化防止剤
  • 発泡剤
  • 加工助剤

ゴム製品に付加したい物性や耐性に応じたゴム配合剤を選択します。

加硫剤

加硫剤とは、前述のとおり硫黄のような「加硫を起こすための配合剤」です。JISでは硫黄または硫黄化合物が加硫剤として定義されています。

しかし研究が進んでいくにつれて、硫黄を使った加硫ではなく、硫黄以外で架橋を行うことも増えてきています。そのときは「架橋剤」として、硫黄以外のものをゴム原料と混合します。主な架橋剤は次のとおりです。

  • パーオキサイド(有機過酸化物)
  • 金属酸化物
  • ジアミン
  • チオ尿素
  • アルキルフェノール樹脂
  • ジイソシアナート

など

なお、上記の架橋剤や加硫剤をまとめて架橋剤 と称することもあるため、実質的には同じ意味と考えても差し支えないと考えられます。

また加硫・架橋と関係のある配合剤には、加硫促進剤や加硫促進助剤、加硫遅延剤が挙げられます。概要は次のとおりです。

加硫剤と併用するもの 概要
加硫促進剤 加硫時間の短縮や加硫温度の低下、加硫剤の減量などを目的にする配合剤
加硫促進助剤 加硫促進助剤 加硫促進剤をさらに活性化させ、促進反応をより促進させる役割をもつ配合剤
加硫遅延剤
(焼け防止剤・リターダー)
ゴムのスコーチ(ゴムの製造工程にて意図せず加硫が進み、品質低下や加工不良が生まれること)を防止する役割を持つ配合剤

補強剤

補強剤とは、ゴム製品の力学的性能を高めることを目的にした配合剤です。補強剤の中ではとくに「カーボンブラック(CAS No,1333-86-4)」と呼ばれるもの は、ゴムの弾性や破断強度などの力学的性能の向上に大きく影響しており、令和時点でもポピュラーな存在となっています。

なおゴム分以外の増量によるゴム単価の低下や、物理的強度を上げることが目的の配合剤 を「充填剤」と呼んで区別することがあります。JISでも「補強、充填剤関係」の章で一緒に解説されています。

軟化剤

軟化剤(可塑剤)とは、ゴムに可塑性を与えてほかの配合剤の混入・分散を助けることで、圧延や押出しなどのゴム成形時の加工性を向上させるものです。またゴムに適度な粘着性を与えて加硫物の性能の阻害を防止したり、加硫製品の硬さを下げたりするなどの効果を見込めます。

着色剤

着色剤は名称そのままの意味で、ゴム製品に色を付けるために使用する配合剤のことです。主に「有機顔料」と「無機顔料」が存在します。

有機顔料は鮮明かつ高い着色力が特徴です。ただし隠ぺい力、耐光性、耐溶剤性、耐熱性などが無機顔料より劣り、値段が高いタイプが多いなどのデメリットがあります。

一方、無機顔料は隠ぺい力や耐熱性、耐光性が安定しており、変色に対しても強いです。値段も安価で収まります。

着色剤を使用する際は「ゴムの種類と性質」「ゴムの成形方法や成形条件」「着色加工後の製品の用途・使用目的」「着色にかかるコスト」に留意して選択する必要があります。

老化防止剤

ゴムにおける老化とは、ゴムの硬化や軟化、粘着化、ひび割れ、弾性喪失などの物性低下を起こすことを意味します。老化防止剤はゴムにおける老化を防ぐために投入する配合剤です。

ゴムはプラスチックに比べると酸化しやすく老化しやすい物質です。老化の原因も酸素やオゾン、熱、光、力学的疲労など、日常生活から製造現場まであらゆる場所で老化が進行する危険が潜んでいます。そのため老化を防止する老化防止剤も、ゴム製品の作る上では重要といえるでしょう。

種類は非常に多いです。それぞれの性能と原料ゴムとの相性、メーカーなどを考えながら選択しなければなりません。老化防止剤には、例えば次の種類が存在します。

主な老化防止剤 性能
安定剤 乾燥や加工、貯蔵などの工程でも物性を初期値に保持する
オゾン劣化防止剤 オゾンが原因の老化を遅らせる
屈曲亀裂防止剤 亀裂の発生および成長を遅らせる
酸化防止剤 酸化が原因の老化を遅らせる
紫外線吸収剤 日光やほかの光源にある紫外線成分が原因の老化を防止する
熱老化防止剤 熱による老化を遅らせる
非汚染性老化防止剤 汚染性がない老化防止剤

発泡剤

ゴムにおける発泡剤とは、発泡体と呼ばれる「ゴムを膨張させる気泡(ガス)を発生させること」を目的にした配合剤です。

固形物において気泡が混入している物質にあまりよいイメージがないように思えますが、ゴムにおいては加硫物に微細な発泡体が入ることで、断熱性や柔軟性、弾力性、軽量化などの機能がプラスされます。

加工助剤

開発された配合剤の中でも比較的新しい部類である加工助剤は、ゴムの中での配合剤の分散を助ける「分散剤」や、金属面に対する摩耗性・流動性などを高める「滑剤」、前述の軟化剤を兼ねた性能を持ちます。

ゴムの混練や圧延、押出し、射出成形などのゴム製造における各工程での加工性の改善が豆乳の目的です。少量でも非常に高い改善効果が見込めます。

製品の品質を高めるには適切なゴム配合剤の選択を!

ゴムの配合剤は、ゴム製品を製造する上で必須となるものです。種類によって加硫のサポートから加工性の改善、弾性、安定性、老化防止などのゴムにとって重要な機能を付与します。

ゴム製品の目的やゴム原料などとの相性を見ながら、適切な配合比率をもとに配合剤を選択しましょう。

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