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カテゴリ:成形・加工方法

CP・CPK工程能力の考え方、計算法の解説

2022.02.27 CPCPK工程能力成形不良

cpとcpkは、工場で大量生産を行う場合に用いられる、工程能力を表す生産管理の指標です。cpやcpkを算出することで、今まで見えづらかった製造ラインの問題点・改善点を洗い出せます。
当記事ではcpとcpkの概要やそれぞれの違い、計算方法、活かし方・考え方について解説します。

                       

「cp」と「cpk」は工程能力を測る指数

「cp」と「cpk」は、工程能力を定量的(変化幅や能力などを数値で表すこと)に表した尺度の一つです。工程能力指数(Process Capability Index)と呼ばれます。cpは英語の頭文字を取って表したものです。

たとえば同じ工場内の製造ライン同士の優劣を比較したり、違うラインを担当する作業者の能力を比べたりなど行った後、具体的な数値として表したのが工程能力指標になります。

cp・cpkともにいくつものサンプルデータを元に算出する、統計学に基づいた考え方です。日本規格協会が実施する品質管理検定(QC検定)の問題にも出てきます。

後述しますが、cpは「完全に管理された理想の工程」を想定したものです、一方、cpkは「偏りを考慮した、より実務的な工程」の数値を表すのがcpkです。

そもそも工程能力とは?

工程能力とは、主に品質管理の分野で用いられる、「ある工程が持っている品質に関する能力」を意味します。具体的には「決められた規格の範囲内で、どれだけ安定して製品を生産できるのか」ということです。工程能力の高い製造ラインは、生産プロセスが安定しているといえます。

逆に工程能力が低い製造ラインは、規格から外れた製品が多くなるため、無駄な材料や金銭、時間がかかり結果的に生産コストが高いと言えます。

もしトラブルで規格と大きく違ったものが市場に出回ると、企業や工場の評判を大きく落とすことにもつながりかねません。生産管理において工程能力の低さは、早急に改善すべき問題だといえます。

両側規格と片側規格について

両側規格とは、ある製品について「この範囲を超えたり下回ったりしたら製品になりません」といったように、規格の上限値と下限値を決めることです。たとえば数値で表すと、20±2(上限22、下限18)や30±5(上限35、下限25)といった基準が両側規格に該当します。

一方、片側規格とは上限または下限の片方だけしか定められていない規格のことです。「長さが10cmを下回ったらNG」「重さが5kgを超えたら基準クリア」といったイメージになります。

製品の規格が両側規格と片側規格によって、工程能力の計算方法が違ってきます。計算方法については以下で解説します。

「cp」と「cpk」の違い・計算方法

以下では「cp」と「cpk」の違いと、それぞれの計算方法を解説します。

cp(工程能力指数)

cpとは先述の通り、工程能力を数値化した「工程能力指数」を表すものです。「規格の上限値と下限値の幅に対して、データのバラツキはどれくらい大きいのか」を表します。

cpはデータのバラツキのみを考慮している指標であり、用いる条件として「規格幅の平均値と中央値が同じであること(偏りがないこと)」が挙げられます。たとえば規格が15±5での中央値は15なので、300個製造した後の製品規格の平均値も15でなければなりません。

cp(cpkを含む)の値は1.33以上だと、工場の製造工程として十分な性能を持つと判断されます。おおまかな判断基準は次のとおりです。

cp(cpk)の基準 目安
cp≧1.67 非常に優れた工程能力
1.67>cp≧1.33 優れた工程能力
1.33>cp≧1.0 まずまずの工程能力
1.0>cp≧0.67 不良品が多く改善が必要と判断
0.67>cp 数値が非常に不足しており、品質保障が困難なため是正措置が必要と判断

両側規格のcp計算方法

より詳しく解説するため、まずは両側規格のcpを算出する計算式をみていきましょう。
上記式の上限規格値と下限規格値は、そのまま規格値の上限~下限を表します。計算式の分子には「上限と下限の差」を置きます。15±5であれば、上限20と下限10です。

一方、計算式の分母にある「σ(シグマ)」とは、統計学において標準偏差(ひょうじゅんへんさ)を意味する記号です。標準偏差は「データのばらつきの大きさ(平均値からどれくらい数値の散らばりがあるか)」を表します。

標準偏差は大きいほど、平均から離れたデータが多く出ているということです。逆にゼロに近づくにつれて、多くのデータが平均値を示しています。

たとえば標準偏差が30であれば「平均から±30の範囲でデータが散らばっていること」を意味します。

標準偏差が2であれば「平均から±2の範囲に収まるデータが多い」と判断可能です。30より2のほうが範囲が狭いことから、標準偏差の値が小さいほど、平均値に近いものが多いとの判断になります。

cpを計算する際は、標準偏差に6を乗じた6σを使います。両側規格の場合は上限と下限があるので、(上限規格値-下限規格値)÷6σとなります。

ただし先述のとおり、cpはデータの平均値と中央値が一致していなければ用いられません。平均値と中央値の偏りを考慮した、実務的な指標を出したいときはcpkを使います。

片側規格のcpの計算方法

上限または下限しか決まっていない片側規格のcpを算出したいときは、次の計算式のいずれかを使います。

上限と下限ではなく、上限と平均、平均と下限の幅で見ます。

cpk(偏りを考慮した工程能力指数)

cpkとは、「規格上限値と下限値の幅のバラツキ」に対し、さらに「平均値と中央値の偏り」を考慮した指標です。

製造ラインにおいて、平均値と中央値が一致することはほとんどありません。たとえば規格が10±2cmの製品を100個製造する場合、中央値が10と決まっていても、100個の平均値は10.1cmや10.2cmとズレることは多々あります。
そのため実際に製造ラインの工程能力指数を出すときは、cpkを用いたほうがより実態に沿った数値になります。

cpkを算出する際は、「上限とデータの平均値との差」と「データ平均値と下限の差」のうち、数値が大きい方を用います。計算式は次のとおりです。

なおcpkは、平均値に近いほうの規格値を用いて片側規格を出す方法でも算出できます。

cpとcpkの測り方

cpとcpkを測るには、安定稼働している製造ラインから、地道にデータを採取する必要があります。
ただし調整直後やトラブル復帰直後など、安定しない製造ラインだと正確なデータが取れません。cpとcpkともに自然発生したバラツキにのみが必要になるため、採取タイミングには注意しましょう。
いわゆる正規分布(平均値付近に数値が集まる分布)になるようにします。

「cp」と「cpk」の活かし方・考え方

算出したcpとcpkの数値を見ることで、「その製造ラインは問題なく稼働しているか」がわかります。

たとえば先述したcpの値が1.33以上であれば、現状の維持をすればよいので、問題点抽出や改善に人員やコストを掛けずに済むと判断可能です。むしろ不必要な検査・整備工程の見直しによって、現状よりもコストダウンを狙えます。

逆に数値が1を下回るようであれば、製造ラインが正常に動いていないとわかります。早急に製造ラインの調整・整備・改善に取りかかることが可能です。
このように、cpとcpkの算出は、見た目では分かりづらい問題点を抽出できます。

cpとcpkを見て次工程の改善に役立てよう!

cpとcpkは、「現状の製造ラインで作られる製品が、どれくらい規格通りになっているのか」を示す指標です。統計学に基づく考え方であるため、ある程度信頼できる数値といえます。
数値化しづらい部分を目に見えるようにすることで、必要な部分の改善・不必要な部分のコスト削減などを合理的に実施できます。

とはいえcpやcpkにはなじみのない中小企業・小規模事業者の経営者は少なくありません。使いこなすには、ある程度の知識と経験が必要です。
自社製品の製造ラインで繰り返し検証したり、生産管理のコンサルタントに相談したりなどで、ノウハウや実績を積んでいきましょう。

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