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カテゴリ:成形・加工方法

プラスチック加工方法と用途・特徴とは

2022.08.2 プラスチックプラスチック加工プラスチック成形プラスチック材料

プラスチックは、日用品から電化製品の部品、業務用の機材など、さまざまな分野で使われており、また用途や原料によって適した加工方法が異なります。そのため、製造したい製品に合わせた加工方法を選ぶことが重要になります。
この記事では、プラスチックの加工方法に加えて、使用する材料と特徴について解説します。

プラスチック加工方法

プラスチックの基本的な加工は、「可塑化」「成形」「固化」の3工程で進められます。

可塑化 プラスチックの材料を加熱して溶かし、液状にする
成形 液状になったプラスチック材料を型に流し込む
固化 型に入れた液状プラスチックを固める

またプラスチック加工や成形は、その方法によって、大きく「切削加工」「射出成形」「押出成形」「真空成形」の4種類に分けることができます。
それぞれにメリットとデメリットがあり、適しているプラスチック材料が異なります。プラスチック加工方法別の特徴と、メリットとデメリットを解説します。

切削加工

材料を切ったり削ったりする加工方法です。プラスチックのほか、金属や木材などの加工方法としても用いられています。
切削加工は、使用する工具や方式によって主に以下の3つの方法があります。

旋削加工

材料を回転させて、チップと呼ばれる工具で削っていく加工方法です。チップのサイズや材料に当てる角度、材料の回転速度などを変えることで、仕上がりの形状が異なります。

フライス加工

旋削加工とは反対に、材料を固定し、回転する工具を当てて加工します。立体的な加工品ができる一方、ハンドルやボタンなどの操作がやや複雑なため、技術が求められます。

穴あけ加工

ドリルを使って穴をあける加工です。加工時には必ず切りくずが発生し、仕上げにも影響することがあります。そのため、これらを除去しながら作業する必要があります。

切削加工は金型を使用しない加工方法です。初期コストが安く、金型の納期を考慮しなくてよいというメリットがあります。
しかし一般的に、プラスチックは加熱すると膨張し、冷却すると元に戻る性質を持っています。また切削工程では材料に熱が伝わりやすいだけでなく、力も加わります。これらの条件における寸法の変化や、加工する素材の選択などに対して考慮することが重要です。

射出成形

プラスチックの加工方法としてもっとも一般的な方法で、以下の手順で行ないます。

1. 粒状のプラスチック材料(ペレット)を加熱シリンダーの中に入れる
2. 液状になるまで加熱
3. 注射器のようにシリンダーに圧力をかけ、金型の中へ液状化したプラスチックを流し込む
4. プラスチックが固まった後、金型を開いて取り出す

射出成形は、金型を変えることでいろいろな形状のプラスチック加工品が製造できるメリットがあります。また特殊な射出成形機を使用すれば、CDやDVDの製造も可能ですが、金型の製作にコストと納期がかかることを考慮する必要があります。
さらに射出成形の性質上、加熱により軟化する熱可塑性樹脂には適していますが、熱を加えると硬化する熱硬化性樹脂に対する加工としては限定的である点にも注意が必要です。

押出成形

シリンダーの中で加熱して溶かしたプラスチックを、トコロテンの要領で押し出して成形する方法です。 押し出される金口の形状により、丸や四角などの断面を持つプラスチック製品の成形ができます。特に光ファイバーケーブルやダクト、パイプのほか、シートといった長物かつ連続的な形を持つ製品の成形に向いています。

また製品の固化は、金型の中ではなく押し出された後に行なわれます。そのため、内部での混練が充分に行なわれないと、外観不良が生じる可能性があるのがデメリットです。金口の状態が成形に影響するので、まめなメンテナンスも必要です。

なお押出成形は、加熱により硬化する性質を持つ熱硬化性樹脂の加工には適していません。

真空成形

真空成形では、シート状のプラスチック材料を使用します。金型にセットしたプラスチックシートを加熱して軟化させた後、金型とプラスチックの間を真空状態にすることで型に密着させ、成形します。単板状のシートを使用する「単発型」と、ロール状のシートやフィルムを使用して連続的に大量に成形を行なう「連続型」の2種類の加工方法があります。

真空成形は曲線などの複雑な形状の加工に適しています。さらに複合プラスチック材料やシルクスクリーン印刷されたシートを使用すれば、表面にバリエーションのあるデザインを持たせることが可能です。また、射出成形などよりも金型の製作コストが安いのもメリットです。

ただし、真空成形は加熱により硬化する熱硬化性樹脂の加工には適していません。

プラスチック加工に使用する材料と特徴

プラスチックには、熱に対する性質の違いにより「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」があり、またそれぞれで適切な加工方法が異なります。
各樹脂の特徴と、どのような材料があるかを解説します。

熱可塑性樹脂

熱可塑性樹脂は、加熱すると軟化や溶融化するプラスチックです。容易に成形ができるため、ほとんどの成形方法に対応できます。また、成形した製品であっても加熱によって再び溶融することから、リサイクルしやすいというメリットもあります。

熱可塑性樹脂は、その特徴によって「汎用プラスチック」と「エンジニアリングプラスチック」、「スーパーエンジニアリングプラスチック」に分けることができます。

汎用プラスチック

価格が安く、需要が高いため広く一般に使われ、主に大量生産に用いられるのが汎用プラスチックです。
主な汎用プラスチックには、以下のものがあります。

  • ポリエチレン(PE)
  • ポリプロピレン(PP)
  • ポリ塩化ビニル (PVC)
  • ポリ塩化ビニリデン(PVdC)
  • ポリスチレン (PS)
  • ポリビニルアルコール(PVA)
  • ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)
  • AS樹脂
  • アクリル樹脂(PMMA)など

エンプラ(エンジニアリングプラスチック)

エンプラとも呼ばれているエンジニアリングプラスチックは、強度や耐熱性に優れ、一定の性質に特化した主に熱可塑性プラスチックです。明確な定義はありませんが、一般には100℃以上の環境下でも長時間使用可能であることや、引っ張り強度49MPa以上、曲げ弾性率2.5GPa以上など、卓越した機械的強度を備えた樹脂を指します。

汎用プラスチックが持つ熱や紫外線に弱いといったデメリットを補う存在であるエンプラには、主に以下の種類があります。

  • ポリアミド(PA)
  • ポリアセタール(POM)
  • ポリカーボネート(PC)
  • 変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE/m-PPO)
  • グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)
  • ポリブチレンテレフタレート (PBT)
  • 環状ポリオレフィン(COP)など

また、エンプラよりもさらに耐熱性や耐久性に優れ、特殊な用途で使用されるスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)もあります。

  • ポリフェニレンスルファイド(PPS)
  • ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)※テフロン
  • ポリサルフォン(PSU/PSF)
  • ポリエーテルサルフォン(PES)
  • 非晶ポリアリレート(PAR)
  • 液晶ポリマー(LCP)
  • ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
  • 熱可塑性ポリイミド(TPI)
  • ポリアミドイミド(PAI)など

熱硬化性樹脂

熱可塑性とは真逆で、加熱によって硬化するプラスチックが熱硬化性樹脂です。硬度が高く、耐熱性や耐電性、絶縁性などが優れています。また、熱可塑性樹脂にはない溶剤への耐性もあります。

一方で、熱可塑性熱樹脂よりも成形に時間がかかる、リサイクルしにくいなどのデメリットがあります。
主な熱硬化性樹脂には、以下の種類があります。

  • フェノール樹脂(PF)
  • エポキシ樹脂(EP)
  • メラミン樹脂(MF)
  • 尿素樹脂/ユリア樹脂(UF)
  • 不飽和ポリエステル樹脂(UP /SMC /BMC)
  • アルキド樹脂
  • ポリウレタン(PUR /PU)
  • 熱硬化性ポリイミド(TPI)

プラスチック加工後のバリ取りも重要


プラスチックは加工後に、不要な突起である「バリ」が発生します。バリは作業員や消費者がケガをする原因になるだけでなく、製品の見た目や品質、性能にも影響します。そのため、プラスチック加工後のバリ取りは必須です。

バリ取り作業は、手または機械で行ないます。

手作業によるバリ取り

手作業でのバリ取りは、以前はヤスリや研磨シートなどを使用していました。しかし現在はそれらの工具に代わり、ロータリーバーや研磨ディスク、研磨ベルトなどの自動工具を使用するのが一般的です。
これにより作業の負担は軽減しましたが、依然としてケガやプラスチックの粉塵による影響など、作業者に対するリスクが伴う点を覚えておきましょう。

機械によるバリ取り

バリ取り専用の機械を使用した、完全自動化のバリ取り方法です。研磨剤や磁気を利用するものや、電解加工や化学的除去などによりバリを融解させて取り除く方法があります。機械によるバリ取りは、時間の短縮や作業人員の削減、安全性向上などに貢献します。

製品に適したプラスチックと加工方法の選択を

プラスチックの材料には、熱によって軟化するものと、硬化する種類があります。また加工方法も多種多様で、それぞれにコストや生産できる製品の形状、生産性などが異なります。そのため製品をつくる際は、材料や用途だけでなく、それに適した加工方法も合わせて総合的に考慮し、選択することが重要になります。

プラスチック加工についてご不明な点がある場合は、豊富な経験と実績を持つ当社にご相談ください。

製品に関するご質問、製品開発に関することはなんでもご相談ください。

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