ものづくりプレス

2026-10-18

コンプレッション成形の特徴とは|選ばれる理由を解説する

ゴム部品の成形方法にはいくつかの種類があり、それぞれ向く場面が異なります。コンプレッション成形は、その中でも最も一般的でシンプルな方法です。

この記事では、コンプレッション成形の特徴と、向いている場面を整理します。

作成者 柴田(富士ゴム化成株式会社) 会社情報

作成日 2026年10月18日 最終更新日 2026年10月18日 本記事は2026年10月時点の情報です 読了時間 約8分

コンプレッション成形とは、どのような方法ですか?

ゴムを金型の間に挟んで加圧する成形方法です。最も一般的でシンプルな成形方法として位置づけられています。

コンプレッション成形は、ゴムを金型の間に挟んで加圧する成形方法です。

最も一般的でシンプルな方法とされています。

ゴム材料の投入から型締め・加圧加熱・脱型までコンプレッション成形の工程を4段階で示す図 図1 コンプレッション成形の工程 STEP 1 材料を投入 金型の間に ゴム材料を置く STEP 2 型締め 金型を 閉じる STEP 3 加圧・加熱 圧力と熱を 加える STEP 4 脱型 成形品を 取り出す 金型に挟んで加圧するという工程が、この成形方法の特徴です。

当社が得意とする製作方法のひとつ

当社が得意とする製作方法として、コンプレッション成形と焼付成形を挙げています。ゴム部品のご相談では、この成形方法で検討することが多くあります。

主力は金型によるゴム成形品

当社の主力製品は金型によるゴム成形品で、その次がOリング、樹脂成型品と続きます。コンプレッション成形は、この主力製品を支える成形方法のひとつです。3DプリントやSFジョイントは全体の一部にとどまり、金型成形が中心です。

出典:富士ゴム化成「ゴム・樹脂の基礎知識」ページ・「廃盤部品の再現」ページ(自社情報・2026年10月確認)。

コンプレッション成形のメリットは何ですか?

金型費用を抑えられること、少量生産に対応しやすいこと、他機種への取付など柔軟な対応ができることが主なメリットです。

成形方法 金型費用 向く数量
コンプレッション成形抑えられる少量生産・多機種対応
押出成形口金のみで安価ひも状の長尺品
射出成形高額になりやすい大量生産

少量生産や多機種対応に、柔軟に応じられる

コンプレッション成形は、少量生産や他機種の取付など、柔軟な対応が可能な点が特徴です。数量が少ない、あるいは機種ごとに仕様が異なる場合でも対応しやすい成形方法です。機種ごとに微妙な仕様差がある場合も、金型の調整で対応しやすい傾向があります。

金型費用を抑えられる分、量産効率は射出成形に劣る

射出成形のように自動化・大量生産に特化した方法ではないため、生産効率という点では射出成形に劣る面があります。数量が多い場合は、射出成形との比較も検討材料になります。数量の見込みが変わりそうな場合は、早めにお伝えいただくと検討がしやすくなります。

なお、ゴムは同じ材質名でも配合によって成形のしやすさが変わり、材質によって収縮率も異なるため、公差の考え方は品物ごとに決めていく必要があります。当社は用途に合う材料を選ぶ立場で関わり、材料の配合そのものは材料メーカーの領域です。そのため材質名のご指定だけでなく、使用条件(温度・接触するもの・圧力・使用時間)もあわせてうかがっています。

他の成形方法と比べると、どう違いますか?

押出成形はひも状の長尺品に向き、射出成形は大量生産に向きます。コンプレッション成形は、その中間的な位置づけで少量〜中量生産に向いています。

コンプレッション成形と射出成形の工程・向く数量の違いを対比した図 図2 コンプレッション成形と、射出成形の違い コンプレッション成形 射出成形 金型費用を抑えられる 少量生産に対応しやすい 多機種対応にも柔軟 自動化はしにくい 金型費用は高額になりやすい 大量生産・自動化に向く 少量生産には不向き 高い精度が出せない場合もある 数量と機種の多さによって、向く成形方法が変わります。 生産数量が少ない場合と多い場合とで向く成形方法の幅が変わることを示す図 図3 生産数量の規模で、向く成形方法が変わる 数量が多い 数量が少ない 数量が少ないほど、コンプレッション成形のような金型費を抑えられる方法が向きやすい。 数量が多い場合も、まずは想定数量からご相談いただけます。

焼付成形と組み合わせることもある

金属とゴムを接着する焼付成形も、当社が得意とする製作方法のひとつです。用途によっては、コンプレッション成形と焼付成形を組み合わせて検討することもあります。金属との一体化が必要かどうかも、あわせてうかがっています。

多品種少量の調達にも、向いている成形方法

多品種少量のため在庫やコストを抑えたいというご相談にも、コンプレッション成形の柔軟な対応力が活きる場面があります。品種ごとに金型を用意する必要がある場合でも、金型費用を抑えられる分、負担を軽くしやすくなります。

設計変更が多い段階では、試作で確認してから検討する

開発段階で設計変更が多い場合は、まず切削加工や3Dプリントで試作を重ね、設計が固まった段階でコンプレッション成形による量産を検討する進め方もあります。金型を作る前に形状を確認したい場合は、この進め方が向いています。

相見積もりでも、数量と機種数をそろえて伝える

複数社に相談する場合は、想定数量と機種数(多品種かどうか)を同じ内容でそろえて伝えることが比較の前提になります。当社は相見積もりを歓迎しています。条件がそろっているほど、各社の提案を比較しやすくなります。

設置環境も、材質選びに影響する

使用する温度や接触するもの、圧力といった設置環境によって、向いている材料は変わります。コンプレッション成形でも、使用条件をお伝えいただくと材料のご提案がしやすくなります。使用環境がわかる範囲で構いません。

工場視察や監査にも、必要に応じて対応している

成形の体制を確認したうえで依頼を決めたい場合、工場視察や監査にも対応しています。金型や成形ラインの様子を直接ご確認いただくことも可能です。ご希望の際はお申し付けください。

過去の不具合は、材質・工法見直しの材料になる

以前にコンプレッション成形や他の工法で不具合が出た経験があれば、その内容をお伝えいただくと、今回の工法・材質選びの材料として活用できます。発生した時期や状況もあわせてお知らせください。

自社の部品は、コンプレッション成形に向いていますか?

当てはまる項目が多いほど、コンプレッション成形の検討が進めやすい傾向にあります。下のチェックは診断ではなく、相談前の整理のためのものです。個人情報の入力はありません。

コンプレッション成形の検討チェック(6項目)

当てはまるものにチェックを入れてください。

当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。

当てはまった数でみる読み取り方
当てはまる数読み取り方
0〜2個まずは想定数量から整理すると、相談がスムーズです。
3〜4個コンプレッション成形の検討に向いています。図面または現物をご確認させてください。
5〜6個コンプレッション成形が選択肢になりやすい状況です。お気軽にご相談ください。

量産の数量イメージが固まり次第、見積りを進める

概算の数量でも検討は始められますが、数量が固まった段階で見積りを確定させます。

量産後に数量が増えた場合も、工法の見直しを相談できる

量産を始めたあとに数量が大きく増える計画が出てきた場合も、射出成形への切り替えなど工法の見直しをあわせてご相談いただけます。

段階的に進めたい場合も、相談できる

いきなり量産用の成形方法を決めるのではなく、まず試作でコンプレッション成形の仕上がりを確認したいというご相談にも対応しています。確認した結果は、そのあとの判断材料としてそのまま活用いただけます。

同じ部品を複数の機種で使う場合は、まとめて検討する

同じ部品を複数の機種に取り付ける計画がある場合、まとめて検討すると金型の考え方や数量の見積りが効率的に進みます。使用先を洗い出したうえでご相談いただけます。

コンプレッション成形について、よくいただくご質問は?

向いている製品、射出成形との価格差、デメリット、小ロット対応、数量が増えた場合の対応についてご質問が多く寄せられます。実際にいただくことの多い5つをまとめました。

コンプレッション成形は、どんな製品に向いていますか?
少量生産や、複数の機種に取り付ける部品など、柔軟な対応が求められる場面に向いています。

射出成形と比べて、どちらが安く作れますか?
数量によります。少量であればコンプレッション成形が金型費を抑えやすく、大量生産であれば射出成形のほうが単価を抑えやすい傾向があります。

コンプレッション成形には、デメリットもありますか?
射出成形に比べると自動化がしにくく、大量生産には向きにくい面があります。用途に応じてご提案します。

小ロットでも、コンプレッション成形を依頼できますか?
はい。少量生産や多機種対応にも柔軟に対応できる成形方法です。

コンプレッション成形から、量産数量が増えた場合はどうなりますか?
数量が増える段階で、射出成形など他の工法への切り替えもあわせてご相談いただけます。

見積りを依頼するとき、何をそろえればよいですか?

図面(または現物)、仕様・用途、数量、材料・材質の4点です。すべてが決まっていない状態でも構いません。

そろえるもの 内容 無い場合
図面寸法や形状が分かるもの現品があれば現品で代替できます
仕様・用途どこに使い、何を止めるか使用条件を口頭でうかがいます
数量今回必要な数と年間見込み概算でかまいません
材料・材質ご希望の材質があれば使用条件から候補をご提案します

コンプレッション成形を相談する

少量生産や多機種対応でも構いません。想定数量からご相談ください。

見積りを依頼する

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