ものづくりプレス

2026-11-04

樹脂チューブを特注で少量だけ頼む|相談前にそろえる4つの情報

装置の一部に使う樹脂のチューブが、数本だけ要る。カタログの規格品を探したが、寸法か材質が合うものが見つからない。特注で頼みたいが、何を伝えれば見積りになるのかが分からない。少量の手配では、こうした迷いが起こりがちです。

この記事では、樹脂チューブを特注で少量だけ頼むときに、相談前にそろえる4つの情報を整理します。当社が樹脂チューブの特注製造を引き受けられるという意味ではなく、事業内容にチューブが含まれる会社として、個別に確認するときの手順をまとめたものです。

作成者 西田(富士ゴム化成株式会社) 会社情報

作成日 2026年11月4日 最終更新日 2026年11月4日 本記事は2026年10月時点の情報です 読了時間 約8分

樹脂チューブを特注で少量だけ頼むとき、何をそろえて伝えますか?

そろえるのは、寸法、通すものと使う環境、材質の希望、数量と端部の加工の4つです。当社の事業内容には、プラスチック製品としてチューブが含まれています。特注の可否や条件は、これらの情報を拝見したうえで個別に確認します。

樹脂チューブを特注で頼む前に、寸法、通すものと使う環境、材質の希望、数量と端部の加工の4項目を整理する流れを示す図 図1 特注の相談前にそろえる4つの情報 STEP 1 寸法 内径・外径 長さ STEP 2 通すもの・環境 何が通るか 使う場所 STEP 3 材質の希望 決まっていれば 理由も添える STEP 4 数量・端部 今回の本数と 端の加工 4つのうち、分かるところから伝えれば相談を始められます。

「少量」は、引き受けの条件ではなく、伝える情報のひとつ

少量の手配に関する悩みは、自社ページにも挙げられています。ただ、何本までなら受けられるといった線引きは、この記事では示しません。数量は、検討の入り口で最初に伝える情報のひとつとして、扱ってください。

当社の事業内容に含まれているもの

当社の事業内容には、プラスチック製品としてチューブが、プラスチック金型成形として押出成形が含まれています。そのうえで、ご希望の寸法や材質でお受けできるかどうかは、個別に確認します。事業内容に名前が出ていることと、すべての条件に対応できることは別のものとして、お読みください。

出典:富士ゴム化成「会社概要」ページ・「3Dプリント」ページ(自社情報・2026年10月確認)。

規格品ではなく、特注を考えるのはどんなときですか?

規格品で寸法や材質が合わず、条件を変えられないときです。特注に進む前に、規格品の何が合わなかったのかを言葉にしておくと、伝える内容がはっきりします。

規格品で足りる場合と、特注を考える場合とで、確認する内容が異なることを対比した図 図2 規格品で足りる場合と、特注を考える場合 規格品で足りる場合 特注を考える場合 既存の寸法に合わせられる 使う条件に合う材質がある 規格品の中から選べる 寸法や材質を変えなくてよい 合う寸法が見つからない 条件に合う材質が見つからない 規格品では組み付けられない 何が合わないかを控えておく 合わなかった理由が、そのまま特注で伝える内容になります。

規格品が合わなかった理由を、3つに分けて控える

合わなかった理由は、おおむね寸法、材質、形のいずれかに分けられます。「内径が少し小さい」「使いたい場所の環境に材質が向かない」「端に付ける部品が決まっていて合わない」のように、どれにあたるのかを一言ずつ書いておくと、特注の相談が短くまとまります。

寸法は、内径・外径・長さをどう伝えますか?

内径、外径、長さの3つに分けて、それぞれ何に合わせた値なのかを添えて伝えます。数値そのものよりも、「何に合わせた寸法か」が分かることが、確認の手間を減らします。

伝える項目 合わせる相手の例 分からない場合
内径中に通す物、差し込む部品通す物の現物を一緒に送る
外径取り付け先の穴、つなぐ部品取り付け先の写真を添える
長さ配管や配線の経路経路を簡単な絵にして示す
許容範囲合わせ代として動かせる幅「ここは厳しい」と箇所だけ伝える

内径は、何を通すか、何を差し込むかから決める

チューブの内径は、中を通す物や、差し込む部品の大きさに合わせて決まることが多くなります。そのため、チューブ側の寸法を考える前に、通す物の現物を手元に置いて確かめておくと確実です。

外径は、取り付け先との組み合わせで見る

外径は、固定する金具や、差し込む穴との組み合わせで決まります。外径だけが合っても内径がずれていることがあるため、2つは別々に控えてください。

長さは、切りっぱなしの長さと、使う長さを分ける

たとえば、引き回した状態で使う長さと、仕入れて切り出す前の長さは別のものです。長さは、実際に取り付けた状態で測ったものか、図面から読み取ったものかを書き分けてください。

通すものと使う環境は、どのように伝えればよいですか?

何が通るのか、どのような場所で使うのかを、分かる範囲で伝えてください。樹脂は種類によって性質が異なるため、通すものや環境が分からないと、材質の候補を絞れません。

材質まで決まっている場合と、通すものだけが決まっている場合とで、相談の始め方が変わることを示す図 図3 決まっていることの量と、相談の始め方 通すものだけ決まっている 材質まで決まっている どちらの状態でも、そのまま相談を始められます。 材質が決まっていない場合は、使う条件から候補を一緒に整理します。

通すものは、名称が分かる形で控える

水、油、薬品、空気など、通すものを書きます。薬品の場合は、名称が分かる形で控えてください。複数のものが通る場合は、すべてを書き出しておくと、見落としが減ります。

温度、圧力、使う時間、外側の環境をまとめて書く

温度の範囲、かかる圧力、連続して使う時間のほか、チューブの外側が日光や油にさらされるかどうかも、材質を考える手がかりになります。測れていない項目は、「不明」と書いて構いません。

材質の希望があるなら、理由も一緒に伝える

希望する樹脂の種類がある場合は、その理由を添えてください。「前に使っていたから」「他社の仕様書に書かれていたから」といった理由でも、検討の材料になります。材質名だけでなく、使い方まで伝わると、別の候補を提案する余地も生まれます。

なお、ゴムは同じ材質名でも配合によって成形のしやすさが変わり、材質によって収縮率も異なるため、公差の考え方は品物ごとに決めていく必要があります。当社は用途に合う材料を選ぶ立場で関わり、材料の配合そのものは材料メーカーの領域です。そのため材質名のご指定だけでなく、使用条件(温度・接触するもの・圧力・使用時間)もあわせてうかがっています。

数量と端部の加工は、どう伝えればよいですか?

今回の本数と今後の見込みを分けて伝え、端部の加工が要る場合は形を図か写真で示します。数量と端部は、検討する作り方や進め方に関わるため、最初に伝えておくと話が早く進みます。

今回の本数と、先の見込みを分けて書く

「今回は数本、年に一度くらい追加がありそう」のように、今回の本数と今後の見込みを分けて書きます。正確な数でなくても、概算で構いません。受けられるかどうかや、条件がどうなるかは、数量を拝見して個別に確認します。

押出成形という方法がある

細長く連続した形の樹脂製品を作る方法のひとつに、押出成形があります。当社のプラスチック金型成形にも、押出成形が含まれています。ただし、ご希望のチューブをどの方法で作るのが合うかは、寸法や材質、数量によって変わります。この記事では、方法名を挙げるにとどめ、個別の判断は相談のなかで行います。

端部の加工は、どの端を、どう変えたいかを示す

チューブの端を斜めにしたい、口を広げたい、別の部品とつなぎたいなど、端部の要望はさまざまです。どちらの端を、どのような形にしたいのかを、図か写真で示してください。端部の加工に対応できるかどうかは、形と材質を拝見したうえで、個別に確認します。

他社にも見積りを取るなら、同じ情報を同じ内容で伝える

当社は相見積もりを歓迎しています。複数社に依頼するときは、寸法、通すもの、材質の希望、数量を同じ内容で伝えると、見積りの内訳を比べやすくなります。

出典:富士ゴム化成「会社概要」ページ・「お問い合わせ」ページ(自社情報・2026年10月確認)。

自社の特注依頼は、相談できる状態になっていますか?

当てはまる項目が多いほど、依頼に必要な情報が欠けている状態です。下のチェックは診断ではなく、相談前の整理のためのものです。個人情報の入力はありません。

樹脂チューブの特注を相談する前の情報チェック(6項目)

当てはまるものにチェックを入れてください。

当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。

当てはまった数でみる読み取り方
当てはまる数読み取り方
0〜1個依頼に必要な情報がほぼそろっています。現物か図面と条件をお送りいただければ、検討に入れます。
2〜3個寸法か使う条件のどちらかが不足しています。つなぐ相手の部品と、使われている場所の写真から整理してください。
4〜6個情報が不足した状態です。まず規格品が合わなかった理由と、通すものを書き出すところから始めることをおすすめします。

樹脂チューブの特注について、よくいただくご質問は?

特注の相談、少量の本数、寸法が分からない場合、材質が未定の場合、端部の加工についてご質問が多く寄せられます。実際にいただくことの多い5つをまとめました。

規格品が合わないとき、特注の相談はできますか?
まずはご相談ください。当社の事業内容には、プラスチック製品としてチューブが含まれています。ただし、ご希望の寸法や材質で製作できるかどうかは、内容を拝見したうえで個別にお答えします。

数本だけの少量でも、相談できますか?
数量が少ない場合も、そのままお伝えください。今回必要な本数と、今後も続く見込みがあるかを知らせていただくと、検討が進めやすくなります。受けられるかどうかは、個別に確認します。

内径も外径も分からず、手元には切れ端しかありません。
切れ端でも手がかりになります。つなぎ先の部品や、取り付け先の穴の様子が分かる写真も一緒にお送りください。現物から寸法を読み取る形で、相談を始められます。

樹脂の種類が決まっていません。
決まっていない状態のままで構いません。何が通るのか、どのような場所で使うのかをうかがい、用途に合う材料の候補を一緒に整理します。ご希望の材質がある場合は、その理由も添えてください。

チューブの端に加工をしてほしい場合は、どう伝えますか?
どの端を、どのような形にしたいのかを、図か写真で示してください。端部の加工に対応できるかどうかは、形と材質を拝見したうえで、個別にご説明します。

依頼するとき、何をそろえればよいですか?

図面か現物、使い方、数量、材質の希望の4点があれば話を始められます。すべてが決まっていない状態でも構いません。

そろえるもの 内容 無い場合
図面寸法や形状が分かるもの現品があれば現品で代替できます
仕様・用途どこに使い、何を止めるか使用条件を口頭でうかがいます
数量今回必要な数と年間見込み概算でかまいません
材料・材質ご希望の材質があれば使用条件から候補をご提案します

現物を送る前に、取り付け先の様子と、規格品が合わなかった箇所を写真に残しておくと、社内で状況を共有するときにも使えます。

樹脂チューブの特注を相談する

少量でも構いません。材質や寸法が決まっていない段階でも、何が通るのかと使う場所をお知らせいただければ、進め方をご提案します。

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