ものづくりプレス

2024-12-04

石油ナフサとは? その製造方法と用途を解説

ナフサとは、石油から得られる重要な成分の一つで、日常生活で使用するさまざまな製品の原料として使われています。

私たちはガソリンや灯油といった燃料に石油が使われていることを知っていますが、実はナフサも石油から作られる成分の一つであり、私たちの身近な製品にも幅広く利用されています。

この記事では、ナフサについてわかりやすく段階的に説明していきます。

石油

石油ナフサとは

ナフサとは、石油から得られる成分の一つです。

石油は、私たちの日常生活で使用される燃料や原材料が複雑に混ざり合って形成されており、その中の一成分がナフサです。

これから、もう少しわかりやすく段階的に説明していきます。


ナフサをガソリンや灯油と関連づけて考えてみましょう。

ガソリンスタンドにはさまざまな燃料があり、ガソリン、軽油、灯油などが石油から生成されていることは、誰もが知っているでしょう。

しかし、石油から得られる成分はガソリンや軽油、灯油だけではありません。

石油を分別する際には、加熱してその温度によって成分を取り出しています。


ここで、熱を加えて液体を蒸発させ、再び液体として回収するプロセスを「分留」と呼びます。

石油はこの分留によって、次のように分類されます。

ナフサの用途

ナフサはガソリン以外にも、毛布や文具など私たちの身近な製品に幅広く使われています。


プラスチック樹脂 (ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニルなど )

電気製品、フィルム、文具など


合成繊維原料 (エチレングリコール、テレフタル酸、アクリロニトリルなど)

シャツ、セーター、テント、毛布など


合成ゴム (ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなど )

自動車タイヤ、ベルト、靴など


塗料原料(ポリウレタン、酢酸エチル、ブタノールなど )

インク、ペンキなど


合成洗剤原料(アルキルベンゼン、高級アルコール、エチレンオキサイドなど )

洗顔料、シャンプー、化粧品など


このように、ナフサは様々な製品として市場に流通しています。

ナフサの製造過程

ナフサは、低い沸点を持つ石油成分で、いくつかの炭化水素からなる混合物です。

これを接触熱分解することで、必要な化合物を製品として得るためには、複数の精製工程が必要です。

石油化学で主に利用される化合物には、エチレン(C2)、プロピレン(C3)、ブチレン(C4)、ブタジエン(C4)などのオレフィン系炭化水素があり、 これらはナフサをクラッキングすることで生成されます。


また、ベンゼン、トルエン、キシレン(通称BTX)と呼ばれる芳香族炭化水素も主要な製品です。

クラッキングの後、蒸留などの精製工程を経て、これらの化合物が最終的な製品となります。

特に芳香族炭化水素(BTX)は、石油化学で生産される量を上回る量が、石油産業の改質ガソリンの工程で生成されています。

石油の分留

石油を分留すると、まず最初に最も低い温度で得られるのが石油ガスです。

これは一般的にLPガス(液化石油ガス)と呼ばれ、タクシーの燃料やガスコンロの燃料として利用されています。


次に得られるのがガソリンとナフサの成分です。

ガソリンとナフサは異なる装置で分けられ、ここで初めてナフサが登場します。

ナフサはナフサクラッカー(ナフサ分解工場)でさらに処理されます。


その後、温度に応じて灯油、軽油、重油、アスファルトなどに分けられていきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ナフサは、私たちの生活を支えるさまざまな製品の素材として使用されています。

エネルギーから日用品まで幅広く利用されるナフサの価値に、改めて注目してみると石油化学の役割の大きさが見えてきます。

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