ものづくりプレス

2024-09-12

無水エタノールで溶けたゴムのべたつきを解消?!対処法をご紹介!

皆さん、古くなった輪ゴムが溶けてベタベタしたことはありませんか?

シリコンカバーやゴム製品は石油由来の素材で作られていますが、保管状態が悪い(たとえば湿気の多い場所)と、 ウレタンゴムやポリウレタン樹脂が劣化し、スニーカーのソールが割れたり、輪ゴムが溶けることによってベタベタして汚れたりします。

これは、加水分解という厄介な化学反応によるものです。


この記事では、そんなベタベタの原因と対処法について詳しく解説します!

輪ゴム ベタベタ

ゴムのべたべたの原因 加水分解

ゴム製品のベタベタの原因は、ズバリ加水分解です。

加水分解とは、化学物質が水と結びつき、化学反応によって異なる化合物が生成される現象です。 目に見えない水蒸気、つまり湿気が常に空気中に存在しており、この湿度がゴム製品に加水分解を引き起こします。 特に日本の夏は湿度が高く蒸し暑いため、梅雨や夏の時期に加水分解が起こりやすいです。


ゴム製品を作る際には、可塑剤(高分子や合成樹脂に流動性を持たせて成形しやすくし、成形品に柔軟性を与えるために添加される物質)が混ざっていますが、 これが加水分解によって分解され、プラスチックやゴムがべたつく原因となります。

無水エタノールを使ってゴムのベタベタを解消!

このパートでは、ゴムのベタベタをエタノールで取り除く方法をご紹介します!

無水エタノールと消毒用エタノールのちがい

エタノールには「無水エタノール」と「消毒用エタノール」の2種類があります。 無水エタノールは非常に刺激が強く、取り扱いが難しいため、手袋の使用や換気、適切な保管が必要です。 ドラッグストアで約1500円で販売されています。 無水エタノールはエタノール含有量が99%以上で、ほぼ水分を含んでいません。

ベタベタの取り方

輪ゴムのベタベタを無水エタノールで取り除く場合は、使っても問題ない布に無水エタノールを少量含ませ、溶けた輪ゴムでベタベタしている部分を拭き取ります。

ゴシゴシするたびに、徐々に溶けた輪ゴムがとれていきます。 拭き取った輪ゴムが布に付着するため、古いタオルなど、捨てても良い布を使用することをおすすめします。

無水エタノールを使用する際の注意点!

無水エタノールを安全に使用するために、以下の注意事項を守るようにしましょう!


火気厳禁

無水エタノールはアルコール濃度が高く、引火しやすいため、火気のない場所で使用することが重要です。


換気をする

無水エタノールが揮発すると空気中にアルコール成分が残ります。 作業中は十分に換気を行ってください。


手袋を着用する

無水エタノールは瞬時に水分を奪って蒸発するため、素手で触ると手荒れを引き起こす可能性があります。 使い捨て手袋を着用して作業することをお勧めします。


材質に注意する

無水エタノールは塗装やニスの変色や剥がれを引き起こすことがあります。 壁や家具などの塗装面には使用しないようにしましょう。

ベタベタの予防策とは?

ベタベタの予防策

乾燥した環境で保管 ゴム製品を湿気の少ない場所で保管することで、加水分解を防ぐことができます。


直射日光を避ける

紫外線に長時間さらされることを避け、適切な保管場所を選びます。 定期的な使用 ゴム製品を定期的に使用することで、加水分解を防ぐことができます。

無水エタノールを安全に使ってゴムのベタベタを解消しましょう

無水エタノールを使用することで、ゴム製品のべたつきを効果的に取り除くことができます。 ゴムのべたべたでお困りの方は、ぜひ試してみてください。 加水分解を防ぐための適切な保管方法も合わせて実践することで、ゴム製品を長期間にわたって快適に使用することができます。


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