ものづくりプレス

2026-10-15

切削加工のバリ・面粗さは、どう指定すればよいか|基本を解説

切削加工を依頼するとき、寸法だけでなく「バリ」や「面粗さ」の指定も必要になることがあります。しかし、何をどう指定すればよいのか分かりにくいという声もよく聞きます。

この記事では、バリと面粗さがそれぞれ何を指しているのか、どのように指定を伝えればよいかを整理します。

作成者 久保(富士ゴム化成株式会社) 会社情報

作成日 2026年10月15日 最終更新日 2026年10月15日 本記事は2026年10月時点の情報です 読了時間 約8分

バリと面粗さは、それぞれ何を指していますか?

バリは、加工のときに材料の端に残る不要な突起や出っ張りのことです。面粗さは、加工した面の表面がどれくらい滑らか、あるいは粗いかを示す指標です。どちらも寸法とは別に、図面や依頼時に伝える項目です。

項目 指している内容 伝える際のポイント
バリ加工端に残る突起・出っ張り気になる箇所と範囲を伝える
面粗さ加工面の滑らかさ・粗さ重要な面とその理由を伝える
寸法精度(±0.1mmなど)形状の寸法上の誤差バリ・面粗さとは別の指標

±0.1mmは、面粗さの指定ではない

当社は切削加工について最大φ250の旋盤加工、寸法精度±0.1mmまで対応と公開していますが、これは寸法の精度についての値です。面粗さ(表面の粗さ)とは別の指標のため、混同しないようご注意ください。

用途によって、重要になる指標が変わる

摺動部品のように表面が接触して動く部品では面粗さが重視されやすく、組み立て時の引っかかりが気になる部品ではバリの有無が重視されやすいなど、用途によって重要になる指標は変わります。全ての面を同じ基準にする必要はありません。

出典:富士ゴム化成「廃盤部品の再現」ページ(自社公開値・使用注意つき)(自社情報・2026年10月確認)。

面粗さは、どのように指定すればよいですか?

必要な数値が分かっている場合は図面に明記し、分からない場合は使用条件(接触するもの・動きの有無・求める見た目)をお伝えいただくところから始められます。

ゴムは同じ材質名でも配合によって成形のしやすさが異なり、材質によって収縮率も異なります。

そのため、公差や仕上がりの考え方は品物ごとに決めていく必要があります。

数値の目安が無くても、相談から始められる

面粗さの数値(Raなど)に心当たりが無い場合でも、用途や接触する相手の部品をお伝えいただければ、確認しながら進められます。数値を決めてから相談する必要はありません。分からない点は一緒に整理します。

なお、ゴムは同じ材質名でも配合によって成形のしやすさが変わり、材質によって収縮率も異なるため、公差の考え方は品物ごとに決めていく必要があります。当社は用途に合う材料を選ぶ立場で関わり、材料の配合そのものは材料メーカーの領域です。そのため材質名のご指定だけでなく、使用条件(温度・接触するもの・圧力・使用時間)もあわせてうかがっています。

バリは、どのように指定すればよいですか?

気になる箇所(エッジ部分・接触する面など)と、どの程度まで許容できるかをお伝えいただくのが基本です。図面に明記できる場合は、その範囲を示していただけます。

用途の確認から指定の反映までバリ・面粗さの伝え方を4段階で示す図 図1 バリ・面粗さの指定を伝える流れ STEP 1 用途を確認 接触する部品や 動きの有無 STEP 2 重要な面を特定 気になる箇所を 洗い出す STEP 3 指定を伝える 数値または 用途から STEP 4 加工・確認 仕上がりを 確認する 数値が決まっていない段階でも、用途の確認から始められます。

図面がある場合は、指定欄を確認する

図面に面粗さやバリの指定欄がある場合は、その記載を確認しながら進めます。記載が無い場合や図面自体が無い場合も、現物や用途からご相談いただけます。ご安心ください。

切削加工の特性として、バリが生じやすい箇所もある

切削加工は、刃物で削り出す工程のため、エッジの形状によってバリが生じやすい箇所があります。気になる箇所を事前にお伝えいただくと、仕上がりの確認がしやすくなります。形状によっても出方は変わります。

寸法精度・面粗さ・バリ、それぞれどう違いますか?

寸法精度は形状の大きさの誤差、面粗さは表面の滑らかさ、バリは端に残る突起という、3つの異なる指標です。

面粗さ・バリの指定がある場合と無い場合で加工後の確認のしやすさの違いを対比した図 図2 指定がある場合と、指定が無い場合 指定がある 指定が無い 仕上がりの基準が明確 確認がしやすい 重要な面が伝わっている 認識のずれが少ない 標準的な仕上がりで進行 重要な面が伝わらない場合も 仕上がり後に相談することも 確認に時間がかかることも 指定がなくても依頼はできますが、重要な面があれば伝えていただくと確認がスムーズです。 面の重要度が低い場合と高い場合とで確認の手間の幅が変わることを示す図 図3 重要度に応じて、確認の手間が変わる 重要度が高い 重要度が低い 重要度が低い面は標準的な仕上がりで進められる。 重要度が高い面ほど、事前の指定を伝えていただくと確認がスムーズになる。

摺動部品は、面粗さが機能に関わりやすい

摺動部品のように表面が他の部品と接触して動く部品では、面粗さが動きやすさや耐久性に関わる場合があります。用途をお伝えいただくと、確認のポイントがより明確になります。

パッキンなど密着が必要な部品も、面の状態が重要になりやすい

パッキンのように密着させて使う部品では、面の状態が密着性に影響することがあります。使用条件(温度・接触するもの・圧力)とあわせてお伝えください。材質によっても影響の出方は変わります。

相見積もりでも、指定内容をそろえて伝える

複数社に相談する場合は、面粗さやバリの指定内容を同じ条件でそろえて伝えることが比較の前提になります。当社は相見積もりを歓迎しています。条件がそろっているほど比較しやすくなります。

工場視察や監査にも、必要に応じて対応している

仕上がりの確認方法や検査体制を確認したうえで依頼を決めたい場合、工場視察や監査にも対応しています。加工・検査の様子を直接ご確認いただくことも可能です。

過去に近い指定の実績があれば、伝えてほしい

以前に近い用途・形状で面粗さやバリの指定をした経験があれば、その内容を伝えていただくと確認がスムーズになります。記録が無くても、わかる範囲で構いません。

多品種少量の部品でも、指定の考え方は変わらない

多品種少量で発注する場合も、面粗さ・バリの考え方は同じです。品種ごとに重要な面が異なる場合は、品種ごとに整理して伝えていただくと確認がよりスムーズです。

設計変更が多い段階では、指定も柔軟に見直せる

開発段階で設計変更が多い場合、面粗さやバリの指定も試作の結果を踏まえて見直すことができます。最初から厳密に決めきる必要はありません。少しずつ固めていけます。

自社の部品は、指定を整理できていますか?

当てはまる項目が多いほど、面粗さ・バリの指定について相談を進めやすい傾向にあります。下のチェックは診断ではなく、相談前の整理のためのものです。個人情報の入力はありません。

バリ・面粗さの指定チェック(6項目)

当てはまるものにチェックを入れてください。

当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。

当てはまった数でみる読み取り方
当てはまる数読み取り方
0〜2個まずは用途や気になる箇所から整理すると、相談がスムーズです。
3〜4個指定の整理が進んでいます。図面または現物をご確認させてください。
5〜6個具体的な相談に進みやすい状況です。わかる範囲の情報からお問い合わせください。

指定が決まっていない段階でも、依頼の相談はできる

面粗さやバリの数値が決まっていない段階でも、用途や形状からご相談いただけます。確認しながら、必要な指定を一緒に整理していきます。

バリ・面粗さの指定について、よくいただくご質問は?

数値の決め方、バリ除去の範囲、指定が無い場合の扱い、寸法精度との違いについてのご質問が多く寄せられます。実際にいただくことの多い5つをまとめました。

面粗さは、どのくらいの数値を指定すればよいですか?
用途や接触する部品によって必要な数値は変わります。数値の目安がわからない場合は、使用条件からご相談ください。

バリは、必ず除去してもらえますか?
除去の範囲や方法は、形状や用途によって変わります。気になる箇所があれば指定してください。

面粗さの指定が無い場合、どうなりますか?
指定が無い場合は標準的な仕上がりで進めます。重要な面がある場合は、その旨をお伝えください。

±0.1mmという精度は、面粗さの指定にも使えますか?
いいえ。±0.1mmは寸法精度(切削加工の値)であり、面粗さ(表面の粗さ)とは別の指標です。混同しないようご注意ください。

図面が無い場合、面粗さやバリの指定はどう伝えればよいですか?
現物があれば現物から確認します。重要な面や気になる箇所を具体的に伝えていただくのが近道です。

見積りを依頼するとき、何をそろえればよいですか?

図面(面粗さ・バリの指定欄があれば)または現物、仕様・用途、数量、材料・材質の4点です。すべてが決まっていない状態でも構いません。

そろえるもの 内容 無い場合
図面寸法や形状が分かるもの現品があれば現品で代替できます
仕様・用途どこに使い、何を止めるか使用条件を口頭でうかがいます
数量今回必要な数と年間見込み概算でかまいません
材料・材質ご希望の材質があれば使用条件から候補をご提案します

バリ・面粗さの指定を相談する

数値が決まっていない段階でも構いません。用途や気になる箇所からご相談ください。

見積りを依頼する

切削加工のバリ・面粗さは、どう指定すればよいか|基本を解説

記事検索

NEW

  • 切削加工のバリ・面粗さは、どう指定すればよいか|基本を解説
    2026/10/15
    切削加工のバリ・面粗さは、どう指定すればよいか|基本を解説
    切削加工を依頼するとき、...
  • 試作を切削加工で短納期に|金型を作らず急ぐための進め方
    2026/10/14
    試作を切削加工で短納期に|金型を作らず急ぐための進め方
    試作を急いで形にしたいが...
  • 金型の修正は、いつ相談すればよい?|判断の4つの目安とは
    2026/10/13
    金型の修正は、いつ相談すればよい?|判断の4つの目安とは
    金型で成形した部品に、微...
  • 摺動部品の材料選定で失敗しないために|確認する4つの条件
    2026/10/12
    摺動部品の材料選定で失敗しないために|確認する4つの条件
    摺動部品の摩耗が早く、交...

CATEGORY

ARCHIVE