ものづくりプレス
2026-10-29
廃盤になったVパッキンの代替|探す前に現物で確認する4点
設備のVパッキンが傷んで交換しようとしたところ、メーカーでは廃盤になっていた。代わりの品を探しても、断面の形や組み合わせが合うものが見つからない。こうしたご相談は、廃盤し現物はあるが図面がない、という悩みとして自社ページにも挙げられているものです。
この記事では、廃盤になったVパッキンの代替品を探す前に、現物で確認する4点と、代替品を探すか再製作を相談するかの分かれ目を整理します。
作成者 橋本(富士ゴム化成株式会社) 会社情報
作成日 2026年10月29日 最終更新日 2026年10月29日 本記事は2026年10月時点の情報です 読了時間 約8分
Vパッキンが廃盤になったら、代替品を探す前に何を確認しますか?
代替品の検索を始める前に、外す前の状態を記録し、現物から読み取れる項目を整理します。Vパッキンは、単体の寸法だけでなく、重ねて使う構成や相手側の部品との関係が働きに関わる場合があるためです。
外す前に、重なり順と向きを写真に残す
Vパッキンは、断面がV字形のシール部品です。V字の開いた側をどちらに向けるかが決まっている場合があり、複数枚を重ねて組にして使う場合もあります。外してしまうと、どの面が上だったのか分からなくなりがちです。上から見た写真と横から見た写真を、外す前に撮っておいてください。
1個に見えても、組になっている場合がある
交換部品の一覧で1品目に見えても、実際には複数の部品が組み合わさって使われていることがあります。形の違う受け具のような部品が上下に入っている場合もあるため、外した順に並べて、そのまま保管してください。洗浄や分解を先にせず、外した状態を残しておくことが、あとで効いてきます。
当社の廃盤部品の再現は、ヒアリング、現物調査、設計・図面作成、試作・評価、量産・納品の流れで進みます。現物があれば、最初の段階から相談を始められます。
廃盤部品の再現の全体像は廃盤部品の再現のページにまとめています。
出典:富士ゴム化成「廃盤部品の再現」ページ・「3Dプリント」ページ(自社情報・2026年10月確認)。
Vパッキンの現物では、どの4点を確認しますか?
確認するのは、内径・外径、断面の形と高さ、重ねて使う構成の有無、布などが入っているかの4点です。いずれも現物から読み取れる情報で、図面や型番が無くても整理を始められます。
| 確認項目 | 見るところ | 分からない場合 |
|---|---|---|
| 内径・外径 | 1枚ずつ、それぞれ | 現物をお預けいただき、こちらで測る |
| 断面の形と高さ | V字の開き方、立ち上がりの高さ | 横から撮った断面の写真を添える |
| 重ねる構成 | 何枚で組になっていたか、受け具の有無 | 外した順に並べた写真を添える |
| 中身 | 布などが入っているか | 切り口の写真か、現物ごと送る |
内径と外径は、1枚ずつ分けて控える
重ねて使われていたものは、1枚ごとに寸法が少しずつ違う場合もあります。まとめて測らず、1枚ずつ内径と外径を控え、どの位置にあったものかを書き添えてください。長く使った現物は新品の状態から変わっていることがあるため、測った値には「使用後の値」と書き添えてください。
断面は、V字の開き方と立ち上がりの高さを見る
V字の開き方や、先端の立ち上がりの高さは、組み込んだときの働きに関わる場合があります。現物を机に立てて横から撮るか、切り口が見える状態で撮影してください。定規やメジャーを一緒に写しておくと、大きさが伝わりやすくなります。
布などが入っているかは、切り口で確かめる
Vパッキンには、ゴムだけでできているものと、布などが入っているものがある場合があります。中身の違いで作り方が変わるため、見ただけで判断できないときは、現物を切って確かめる前にご相談ください。切ってしまうと、元の構成を読み取れなくなることがあります。
組み込まれていた場所と、相手側の寸法はどう控えますか?
Vパッキンが収まっていた穴の内側、相手側の軸、押さえ部品の3か所を、外した状態で測っておきます。相手側の寸法は、現物が傷んでいて元の形が読めないときの手がかりにもなります。
押さえ部品との関係を、取り外しの前後で控える
Vパッキンは、押さえ部品(グランドなどと呼ばれることがあります)で締め付けて使う構造の場合があります。その場合、押さえ部品の当たり方や締め付けの具合が、働き方に関わることがあります。押さえ部品を外す前に、どこまで締まっていたかが分かる写真を撮り、外した後は部品の寸法を控えてください。
相手側の部品も傷んでいないか、あわせて見る
軸や穴の内側に傷や摩耗があると、新しい部品を入れても同じ働きにならない場合があります。廃盤の機会に、相手側の状態もあわせて見ておいてください。
シール部品の名前と機能の関係はパッキン・Oリング・オイルシール・ガスケットを機能で選ぶ実務ガイドにまとめています。
代替品を探すか、再製作を相談するかは、どこで分かれますか?
分かれ目は、現物と同じ構成・寸法の既製品が見つかるかどうか、そして相手側を変えられるかどうかです。見つかるなら代替品を探し、見つからない場合や相手側を触れない場合に、再製作の相談が選択肢に入ります。
代替品を探す進め方が合う場合
内径・外径、断面の形、重ねる構成が、既製品の中に近いものがある場合は、代替品を探す進め方が合います。探すときは、1枚だけでなく組としてそろうかを確かめてください。相手側の部品を新しくできるなら、そちらを既製品に合わせるという選び方もあります。
再製作を相談する進め方が合う場合
断面の形が特殊な場合や、組の構成が既製品に無い場合、相手側を変えられない場合は、再製作の相談が選択肢に入ります。当社の事業内容には、Oリング、オイルシールなどの工業用ゴム製品が含まれています。Vパッキンが対象に当たるかどうかは、現物を拝見して個別に確認します。
出典:富士ゴム化成「会社概要」ページ(事業内容)・「廃盤部品の再現」ページ(自社情報・2026年10月確認)。
接触するものと使用条件は、どう伝えればよいですか?
何に触れているか、温度がどう変わるか、動くものか止まっているものかの3点を、わかる範囲で伝えてください。材質は、現物の見た目だけでは決められません。
Vパッキンは、油や水、薬品などの流体を止める場所に使われている場合があります。軸が回るのか、往復するのか、止まっているのか。動き方によって、傷み方も変わります。
過去に何度も交換していたなら、その間隔を書き添える
同じ位置のVパッキンを何度も交換していた場合は、おおよその交換の間隔を伝えてください。早く傷む理由が使用条件にあるのか、材質や構成にあるのかを考える材料になります。
なお、ゴムは同じ材質名でも配合によって成形のしやすさが変わり、材質によって収縮率も異なるため、公差の考え方は品物ごとに決めていく必要があります。当社は用途に合う材料を選ぶ立場で関わり、材料の配合そのものは材料メーカーの領域です。そのため材質名のご指定だけでなく、使用条件(温度・接触するもの・圧力・使用時間)もあわせてうかがっています。
自社のVパッキンは、相談前の情報がそろっていますか?
当てはまる項目が多いほど、依頼に必要な情報が欠けている状態です。下のチェックは診断ではなく、相談前の整理のためのものです。個人情報の入力はありません。
代替品探しの前の情報チェック(6項目)
当てはまるものにチェックを入れてください。
当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。
当てはまった数でみる読み取り方
| 当てはまる数 | 読み取り方 |
|---|---|
| 0〜1個 | 依頼に必要な情報がほぼそろっています。現物と条件をお送りいただければ、検討に入れます。 |
| 2〜3個 | 構成か相手側のどちらかが不足しています。現物の写真と相手側の寸法から整理してください。 |
| 4〜6個 | 情報が不足した状態です。外した現物を並べて保管し、断面と取り付け状態の写真を撮るところから始めることをおすすめします。 |
Vパッキンの代替について、よくいただくご質問は?
1枚だけの交換、断面が分からない場合、相手側の部品、対応可否、相見積もりについてご質問が多く寄せられます。実際にいただくことの多い5つをまとめました。
Vパッキンが1枚だけ傷んでいます。1枚だけ交換すればよいですか?
一概には言えません。Vパッキンは複数枚を重ねた組で使われている場合があり、1枚だけ新しくすると、組全体のバランスが変わることがあります。外す前に重なり順と向きを記録し、現物をそのままお知らせください。
型番が読めず、断面の形もよく分かりません。それでも相談できますか?
分からない状態のままで構いません。内径・外径、断面の形と高さ、組み込まれていた場所を、現物と写真から一緒に整理していきます。断面を横から撮った写真があると、話が早く進みます。
押さえ部品や相手側の部品も一緒に送るべきですか?
お手元で外せる範囲で、あわせて拝見できると検討しやすくなります。Vパッキンは相手側の寸法や押さえ部品との関係で働く場合があるためです。送れない場合は、寸法メモと写真でも構いません。
Vパッキンを作ってもらえるかどうか、先に教えてもらえますか?
当社の事業内容には、Oリング・オイルシールなどの工業用ゴム製品が含まれます。ただしVパッキンが対象に当たるかどうかは、現物を拝見して個別に確認します。ここで可否を言い切ることは控えさせてください。
他社にも見積もりを取って構いませんか?
相見積もりを歓迎しています。現物の寸法メモと写真、使用条件を同じ内容で各社に伝えていただくと、比較しやすくなります。
相談するとき、何をそろえればよいですか?
現物、使用条件、必要な数量の3つがあれば話を始められます。すべてが決まっていない状態でも構いません。
| そろえるもの | 内容 | 無い場合 |
|---|---|---|
| 図面 | 寸法や形状が分かるもの | 現品があれば現品で代替できます |
| 仕様・用途 | どこに使い、何を止めるか | 使用条件を口頭でうかがいます |
| 数量 | 今回必要な数と年間見込み | 概算でかまいません |
| 材料・材質 | ご希望の材質があれば | 使用条件から候補をご提案します |
Vパッキンの現物から、進め方を相談する
型番や図面が無い段階でも構いません。現物と使用状況をお知らせいただければ、進め方をご提案します。
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