ものづくりプレス
2026-11-07
3Dプリントの試作を初めて頼む|依頼の流れと各段階の準備
3Dプリントで試作品をつくりたいが、外部の会社に頼むのは初めて。問い合わせたあと、何を聞かれ、何を用意し、どの順番で話が進むのか。見当がつかないまま、最初の連絡を送れずにいる担当者の方は少なくありません。
この記事では、当社の受注フローの4段階を軸に、各段階で「自分が用意するもの」「先方が確認すること」「迷いやすい点」を整理します。受け取ったあとに試作品をどう確かめ、次へ進むかを決めるところまで、不安に思いやすい順に追っていきます。
作成者 中村(富士ゴム化成株式会社) 会社情報
作成日 2026年11月7日 最終更新日 2026年11月7日 本記事は2026年10月時点の情報です 読了時間 約8分
3Dプリントの試作を初めて頼むとき、全体はどんな流れで進みますか?
お問い合わせ、データの確認とお打ち合わせ、お見積り・発注、製品作成・お届けの4段階です。段階ごとに発注側が受け持つことは限られており、全部を決めてから連絡する必要はありません。
4段階は、自社ページに載っている受注の流れと同じ
この流れは、自社ページに掲載されている3Dプリント・切削加工の受注フローです。初めての方が迷うのは、いま自分がどの段階にいて、次に何を求められるのかが見えないことです。段階の名前と役割を先に知っておくだけで、最初の連絡は軽くなります。
3Dプリントと切削加工の全体像は切削加工・3Dプリントのページにまとめています。
出典:富士ゴム化成「3Dプリント」ページ(受注フロー)(自社情報・2026年10月確認)。
お問い合わせの段階では、何を用意し、どこで迷いやすいですか?
用意するのは、図面(または現物)、仕様や用途、数量、材料・材質の4点のうち、手元にあるものだけです。最初の連絡の段階で、4点すべてがそろっている必要はありません。
| そろえるもの | 内容 | 無い場合 |
|---|---|---|
| 図面 | 寸法や形状が分かるもの | 現品があれば現品で代替できます |
| 仕様・用途 | どこに使い、何を止めるか | 使用条件を口頭でうかがいます |
| 数量 | 今回必要な数と年間見込み | 概算でかまいません |
| 材料・材質 | ご希望の材質があれば | 使用条件から候補をご提案します |
「自分が用意するもの」は、4点のうち手元にあるもの
当社が見積り時に必要なものとして示しているのは、寸法や形状が分かる図面、仕様や用途、必要な数量、必要な材料・材質の4点です。無いものは無いと書いていただければ構いません。図面の代わりに現物、材質の代わりに使用条件、というように、代わりになる情報を添える方法もあります。
「先方が確認すること」は、まず相談の入口に当たるか
この段階で先方が見るのは、いただいた情報から、どんな相談かをつかむことです。試作の使い道、数量の見当、手元の資料の状態が読み取れると、次の打ち合わせに入りやすくなります。
「迷いやすい点」は、決まっていない項目をどう書くか
初めての方は、決まっていない項目を空欄のまま送ってよいのかで迷います。決まっていない項目は「未定」と書いて構いません。むしろ、未定であることが分かるほうが、打ち合わせで何を詰めればよいかがはっきりします。
出典:富士ゴム化成「お問い合わせ」ページ(見積り時に必要なもの)(自社情報・2026年10月確認)。
データの確認とお打ち合わせでは、先方は何を確認しますか?
試作の使い道、強度が気になる箇所、数量、手元の資料の状態を確認し、作り方の提案につなげます。発注側は、そのやり取りに答える形で進めれば足ります。
造形の前に、強度の足りない所を相談できる
自社ページには、ゴム・樹脂のノウハウにより、造形前に強度の足りない所や、ご要望の品物をどう造形すればよいかを提案可能と載っています。気になる箇所があれば、この段階でお伝えください。
試作の目的を伝えると、作り方の見当がつきやすい
自社の見解として、3Dプリントは形状の自由度が高い反面、精度や耐久性に課題が残り、デザイン確認や簡易的な治具に向くとしています。一方、機能の評価には、ゴム板から切削加工で物性の高い部品をつくる方法が向くとしています。形を確かめたいのか、機能を試したいのか。目的を一言添えるだけで、提案の方向が定まります。
なお、ゴムは同じ材質名でも配合によって成形のしやすさが変わり、材質によって収縮率も異なるため、公差の考え方は品物ごとに決めていく必要があります。当社は用途に合う材料を選ぶ立場で関わり、材料の配合そのものは材料メーカーの領域です。そのため材質名のご指定だけでなく、使用条件(温度・接触するもの・圧力・使用時間)もあわせてうかがっています。
出典:富士ゴム化成「3Dプリント」ページ(造形前の提案・切削加工との比較)(自社情報・2026年10月確認)。
お見積り・発注の段階では、何を読み、何を決めますか?
見積りに書かれた内容が、打ち合わせで伝えた条件と合っているかを読み、発注するかどうかを決めます。金額や日数は品物ごとに変わるため、ここでは見る観点だけを整理します。
| 確認する観点 | 見るところ | 食い違ったときの動き |
|---|---|---|
| 使い道と目的 | 打ち合わせで伝えた用途が反映されているか | 用途を言い直して再確認 |
| 数量 | 今回必要な数と一致しているか | 数量を伝え直して見直し |
| 材質 | 希望または使用条件に沿った材質か | 使用条件を添えて相談 |
| 気になる箇所の扱い | 強度などの懸念が検討に入っているか | 懸念箇所を書き出して確認 |
見積書は、価格より先に「前提条件」を読む
見積書を受け取ると、金額に目が行きがちです。初めて頼む場合は、その金額がどんな前提で出ているかのほうが大切です。使い道、数量、材質が打ち合わせの内容と合っていれば、金額の比較にも意味が出ます。
他社にも見積もりを取るなら、渡す情報をそろえる
当社は相見積もりを歓迎しています。複数社に頼む場合は、使い道、数量、希望の材質、手元の資料を同じ内容で各社に伝えてください。渡す情報が違うと、見積りの違いが条件の差なのか、会社の差なのか見分けにくくなります。
出典:富士ゴム化成「お問い合わせ」ページ(相見積もりの歓迎・見積り時に必要なもの)(自社情報・2026年10月確認)。
製品を受け取ったあと、試作品をどう評価して次を決めますか?
依頼したときの目的に照らして、確かめたい点を決めてから見ることです。形を確かめる試作と、機能を試す試作とでは、見る観点が変わります。
受け取ったら、依頼時のメモと並べて確かめる
届いた試作品は、依頼のときに書いた使い道や、気になる箇所のメモと並べて見ます。形が意図どおりか、相手部品と組み合わせられるか、気になっていた箇所はどうか。見たい点を先に書き出しておくと、確かめ漏れを減らせます。
結果は、次に進める・直す・工法を変えるの3つに分かれる
評価の結果は、おおむね3つに分かれます。そのまま次の段階に進める、設計を直してもう一度試作する、作り方そのものを見直す、の3つです。自社ページには、金型を作る前に形状を確認したい、開発段階で設計変更が多いために金型製作に踏み切れない、といったお悩みが挙げられています。試作は、その判断材料をそろえるために使われます。
コストの分かれ目をつかみたいときは、切削・射出成形・3Dプリントのコスト比較もあわせてご覧ください。
出典:富士ゴム化成「3Dプリント」ページ(切削加工との比較・お客様の悩み)(自社情報・2026年10月確認)。
自社の依頼は、最初の連絡に進める状態ですか?
当てはまる項目が多いほど、先に整理しておくとよいことが残っている状態です。下のチェックは診断ではなく、相談前の整理のためのものです。個人情報の入力はありません。
3Dプリント試作を初めて頼む前の準備チェック(6項目)
当てはまるものにチェックを入れてください。
当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。
当てはまった数でみる読み取り方
| 当てはまる数 | 読み取り方 |
|---|---|
| 0〜1個 | 最初の連絡に必要な情報がほぼそろっています。手元のものをそのままお送りください。 |
| 2〜3個 | 一部が未整理です。使い道と、気になる箇所から先に書き出してみてください。 |
| 4〜6個 | 整理から始める段階です。まず試作の使い道を一文で書くことから始めてください。 |
3Dプリント試作を初めて頼むときの、よくいただくご質問は?
専門用語、段階、相見積もり、強度の相談、受け取ったあとの違いについてのご質問が多く寄せられます。実際にいただくことの多い5つをまとめました。
専門用語が分からなくても、問い合わせてよいですか?
問い合わせて構いません。用語を調べてから連絡する必要はありません。「どこで、何に使う試作か」を普段の言葉で書いていただければ、データの確認とお打ち合わせの段階で、こちらから必要な項目を順にうかがいます。
問い合わせてから受け取るまで、どんな段階を通りますか?
お問い合わせ、データの確認とお打ち合わせ、お見積り・発注、製品作成・お届けの4段階です。各段階にかかる日数は品物ごとに変わるため、ここで固定の数字をお約束することはできません。個別にご案内します。
見積りの段階で、他社にも相談して構いませんか?
相見積もりを歓迎しています。使い道、数量、希望の材質、手元の資料を同じ内容で各社に伝えていただくと、条件をそろえて比べやすくなります。
強度が足りるか心配です。造形の前に相談できますか?
相談できます。自社ページには、ゴム・樹脂のノウハウにより、造形前に強度の足りない所や、ご要望の品物をどう造形すればよいかを提案可能と載っています。気になる箇所は、最初の連絡に書き添えてください。
受け取った試作品が、思っていたものと違ったときはどうすればよいですか?
どこが違うのかを、形、寸法、強度、見た目などに分けてお知らせください。依頼時に伝えた使い道と照らして、原因がどこにあるのかを個別に確認し、次の進め方を相談します。
最初の連絡では、何を送ればよいですか?
4点のうち、手元にあるものと、「どこで、何に使う試作か」の一文です。初めて頼む旨を添えていただければ、段階ごとに必要なことを順にご案内します。
3Dプリント試作の最初の一歩を、相談する
図面やデータが固まっていない段階でも構いません。手元にあるものと使い道の一文があれば、話を始められます。
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