ものづくりプレス

2024-04-23

プラスチックの切削加工

製品の形状を加工する方法のひとつに切削加工があります。

一般に広く使用されている加工方法ですが、プラスチックの場合はその性質から向き不向きがあります。

本記事では、プラスチックの切削加工と加工の種類の違いなどを中心に解説します。

切削加工

■プラスチック切削加工方法

切削(せっさく)加工とは、刃物状の工具を使って金属や樹脂、木材などの工作物の不要部分を削り取る加工方法で、比較的高い精度で仕上げることができるのが特徴です。  


しかし、金属や樹脂などの素材は何でもかんでも切削加工を施して形作れば良いというわけではありません。あまりにも複雑な形状のものは切削加工では対応できない可能性もあります。


また、切削加工機を使用した作業中は発熱を伴います。プラスチックの多くは、熱が加わると加工の工程で硬度や形状に変化が現れ、仕上がり寸法などに影響を与えることもあります。そのため、すべてのプラスチックに適している加工方法とは言えません。  


プラスチックの切削加工には、加工物を固定する方法と回転させる方法の2種類があり、またそれぞれの方法は、目的によってさらに分けることができます。 各特徴について解説します。

◇フライス加工

固定した工作物に、フライスと呼ばれる刃の付いた工具を回転させながら当てて削る方法で、ミーリング加工とも言います。  


平面や側面だけでなく溝などの削りが可能で、主に四角い断面を持つ「角物」製品の加工に使用されます。  


細かい設定が必要ため、手動で行なう場合では操作がやや複雑になりますが、現在はコンピュータ制御によるNCフライス盤(CNCフライス盤)や複数の工具を取り付けることができるマシニングセンタなどの機械の使用が主流となっています。

◇旋削加工

ターニングとも呼ばれる旋削(せんさく)加工は、フライス加工とは反対に円筒形部品などの「丸物」向きの加工で、工作物を回転させながらバイトと呼ばれる刃の付いた工具を当てて切削します。

バイトには複数の種類があり、加工の内容や加工物の形状にあわせて使い分けます。  


使用する機械は旋盤と言い、手動で操作するほか、コンピュータ制御のNC旋盤(CNC旋盤)もあります。

◇穴あけ加工

旋削加工のひとつで、ドリルを使用して加工物に穴をあける方法です。

また既存の穴の内径を広げるのを「中ぐり」、ねじ穴をつくることを「タップ加工」と言います。  


切削加工を行なう場合に切りくず(切粉)の発生は避けられません。特に穴あけ加工の場合は詰まりにより作業効率や品質低下だけでなく、工具の破損などにもつながるおそれがあります。  


状況に応じて、機械の調節などの切粉対策を行なうことが大切です。

■プラスチック切削加工の料金帯

プラスチック切削加工料金は、主に以下のような条件を考慮して検討します。  


●加工するプラスチックの種類

●加工数量(個数が多いほど単価が安くなる)

●加工方法

●加工形状(複雑形状ほど高くなる)

●納期(短納期ほど高くなる)

●初回またはリピート(一般的に初回は高め) など  


上記以外にも、加工料金はさまざまな要素によって異なってきます。

まずはお気軽に当社までお問い合わせください。

■プラスチック切削加工で試作はできる?

プラスチック切削加工による試作品の製作も可能です。  


ただし、サイズやプラスチックの種類、納期などによっては対応が難しい場合もありますので、まずは詳細をご連絡ください。

■プラスチックの切削加工はいろいろな用途で活用されている

切削加工は高い精度での加工が可能です。しかし熱の影響を受けやすいプラスチックの場合、正確な寸法に仕上げるためには熱による膨張や冷えによる収縮を考慮する必要があります。  


プラスチックの切削加工に関するご相談は、経験と実績が豊富な当社まで、下記のお問合せフォームからお気軽にご連絡ください。

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