ものづくりプレス

2025-02-15

金属加工とは?種類や加工方法の選び方を解説

金属は工業品から日用品まで、さまざまな製品の部品として利用されており、昨今において金属を加工する技術は不可欠と言えます。

しかし、金属加工と一口に言っても、加工技術の種類は多種多様です。

そこで、本記事では金属加工の種類から、手法を選ぶ際に考慮したいポイントを解説していきます。

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そもそも金属加工とは?

金属加工とは、金属材料を加工する技術全般のことを言います。その定義は非常に曖昧であり、金属を所定の形へ成形させる加工処理だけでなく、金属の機械的な性質や表面の性質を変える処理も、金属加工にあたります。


金属材料には鉄鋼、鋳鉄、アルミニウム(非鉄金属)ステンレス鋼(非鉄金属)などさまざまな種類が存在しますが、性質や加工のしやすさなども多種多様です。


また、金属材料に対するユーザーニーズの高度化や多様化も影響し、素材間の競争は激化しています。金属の軽量化など、顧客のニーズに合った金属材料・加工方法を選定し、金属加工を行うことが重要です。

金属加工の3つの種類

金属加工は広義に解釈できるため、その加工方法もさまざまです。ここでは、金属加工を3つに分類し、それぞれの特徴を解説していきます。

◇加熱や冷却処理で性能を向上させる「熱処理加工」

金属材料に加熱・冷却処理を行うことで、性能の向上を図る手法が熱処理加工です。性質面に特化した加工であり、形状を変えることは目的としていません。
熱処理により向上する金属材料の性質としては、下記のような例が挙げられます。


・硬さ
・粘り
・耐衝撃性
・耐摩耗性
・耐腐食性
・被削性
・冷間加工性


熱処理は、焼入れ・焼もどし・焼なまし・焼ならしの4種が基本的な加工法です。用途に応じて加工法を変えるのがポイントで、焼入れと焼もどしでは機械的性質を調整できます。


また、金属の表面にのみ加熱処理を施し、所要の性質を付与する表面熱処理も、熱処理加工のひとつです。

◇表面に加工を施して性能を向上させる「表面処理」

金属の表面に加工処理を施すことで、性能の向上を図るのが表面処理です。ここでは、表面処理の種類のうち、めっき処理・塗装処理を解説していきます。


▼めっき処理
金属の表面を薄膜でコーティングし、性能を向上させる処理が、めっき処理です。手法としては、電流を流すことでめっきを析出する電気めっきや、化学反応エネルギーでめっきを析出する無電解めっきなどが存在します。


めっき処理を行う目的は耐食性や熱特性、耐摩耗性をもたせるなど多種多様ですが、装飾目的で活用できるのもメリットです。外観の見た目を良くし、金属製品の価値を高められます。


▼塗装処理
塗料を金属の表面に塗り、塗膜を形成する加工法は、塗装処理と呼ばれています。


塗装処理のうち、最もスタンダードな加工処理として挙げられるのが、溶剤塗装です。シンナーなど有機溶剤に塗料を混ぜて溶かした後、スプレーやハケを利用して塗っていきます。


塗料は安価であるケースが多いため、コストを抑えられるだけでなく、メタリックや模様などにも対応でき、めっき処理より色彩豊かな表現力をもつのがポイントです。


溶剤塗装以外に、焼付塗装も塗装処理として多く採用されています。焼付塗装とは、焼き付け乾燥を行い、塗料を硬化させる手法です。さらに、焼付塗装は耐候性・耐薬品性・耐摩耗性に優れたメラミン焼付塗装、汚れをはじくフッ素焼付塗装、耐久性の高いアクリル焼付塗装の3種類に分かれます。雨風が当たる家の外壁にはフッ素焼付塗装を利用するなど、用途に応じて使い分けることが重要です。

金属加工方法の選び方

金属加工の方法は非常に多いため、自社に最適な手法を選ぶことが重要です。次に、金属加工を選ぶ際に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

◇要求仕様を実現できる加工方法

金属加工を行う際は、要求された形状・性能など、ニーズに対応できることが必要不可欠です。例えば、多様な形状を求められる場合は、形の自由度が高い鋳造や鍛造加工、切削加工などがおすすめできます。


各金属加工の特徴を把握し、要求仕様に合致する方法を検討しましょう。

◇製造コストを抑えられる加工方法

要求仕様を実現できる金属加工を選定した後、考慮したいのが製造コストです。金属業界に限らず、あらゆる業界において、製造原価を抑えて利益を増やすことは極めて重要と言えます。


製造原価は大別すると、材料費・労務費・経費に分けられます。例えば、労務費を抑えるため、加工に大きく時間を要さない技術を選ぶ、経費を抑えるため、設備費が安い技術を選ぶというのも、製造原価を削減する方法です。利益率をシミュレーションし、金属加工方法を選ぶようにしましょう。

◇製造期間がかかりすぎない加工方法

選択する金属加工方法により、製造期間(サイクルタイム)は大きく変わります。例えば、鋳造や塑性加工は型さえ作成すれば、液体金属を流し込む、もしくは圧力をかけて成形するだけ良いため、大量生産に最適です。製造時間をかけすぎず、短納期化することでほかのことに時間を割き、総合してより良いサービス・商品にすることも可能でしょう。

金属加工のまとめ

金属加工を機械加工・熱処理加工・表面処理の3種類に分けて解説しましたが、実際はさらに技術を細分化し、現場で活用されています。加工後の性質だけでなく、生産性も異なるため、まずは各金属加工の特性を理解しておくことが重要です。


そして、金属加工の方法を選ぶ際は要求仕様に基づき、製造コストや製造期間も踏まえて選定する必要があります。顧客のニーズに応えつつ、自社に相応しい金属加工を検討しましょう。

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