ものづくりプレス
2024-05-11
フッ素樹脂とは?種類・特徴を徹底解説
フッ素樹脂(正式名称:ポリテトラフルオロエチレン)は、Poly Tetra Fluoro Etylene の頭文字をとってPTFEとも呼ばれ、フッ素を含むオレフィンを重合して得られる合成樹脂の総称です。
■フッ素樹脂の種類
■フッ素樹脂の特性
◇耐熱性
フッ素樹脂は、通常の使用範囲である200°C〜260°Cの温度においてもほとんど変形せず、物理的・化学的性質が保たれます。これにより、他のプラスチックが変形や劣化を始める温度帯よりも高い温度に耐えることができます。
フッ素樹脂の耐熱性の要因は、フッ素樹脂の分子構造に起因しています。
例えば、PTFEの分子構造はC-C結合のまわりをフッ素原子が隙間なく取り囲んだ構造になっています。
内部のC-C結合は、フッ素原子に覆われていることにより結合が切れにくくなっています。
◇耐薬品性
フッ素樹脂は耐薬品性に優れており、ほとんどすべての液体に溶解しない樹脂として有名です。
これは、フッ素樹脂の安定した分子構造が大きく関係しています。
フッ素樹脂は、炭素原子とフッ素原子が結合したものが直鎖状につながった分子構造をとっています。
この炭素原子とフッ素原子(C-F)の結合エネルギーは化学結合の中でもとても強く、さらに炭素原子同士の結合部(C-C結合)はフッ素原子がらせん状に隙間なく覆ってるため薬品に触れても不活性となり劣化しません。
◇耐摩耗性
フッ素樹脂はあらゆる個体の中で最小の摩擦係数です。その要因はフッ素樹脂の分子構造に起因しています。フッ素樹脂の分子構造は対称性のある直鎖型であるため、分子の表面に凹凸がありません。これによってフッ素樹脂の摩擦係数は非常に低くなっています。
◇非粘着性
フッ素樹脂は、化学的に安定しており、かつ「くっつきにくい性質」、「なじみにくい性質」という3つの性質があるため、フッ素樹脂は非粘着性という性質を持ちます。
◇絶縁性
フッ素樹脂の分子構造は、原子の配列が緻密で対照的であるため、電荷分極が極めて少ない無極性高分子です。
そのためフッ素樹脂は電気を通さない性質(絶縁性)を持ちます。
■フッ素樹脂の成形方法
成形方法 | ふっ素樹脂の種類 | ||||||||
PTFE | 溶融流動性ふっ素樹脂 | ||||||||
MP | FP | D | PFA | FEP | ETFE | PCTFE | PVDF | ||
圧縮成形法 | 粉末 | ◎ | |||||||
熱流動 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
液圧成形法 | ◎ | ||||||||
ラム押出成形法 | ◎ | ||||||||
ペースト押出成形法 | ◎ | ||||||||
カレンダリング成形法 | ◎ | ||||||||
含浸コーティング法 | ◎ | ||||||||
押出成形法 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ | ||||
射出成形法 | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ | |||||
トランスファ成形法 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
回転成形法 | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | |||||
ブロー成形法 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
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■フッ素樹脂の用途
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