ものづくりプレス

2024-05-12

ウォータージェット加工の特徴と用途とは

ウォータージェット加工とは、超高圧水発生ポンプによって水圧を620MPaにまで加圧して勢いよく水を放射することで、様々な資材を切断、穴開け、切削する加工方法です。 ウォータージェット加工は、切削能力が非常に高く、難削剤であるチタン合金などの切削も可能です。

ウォータージェット加工

ウォータージェット加工の種類

ウォータージェット加工には、「アクアジェット切削加工」と「アブレシブジェット切削加工」の2種類が存在します。


◎アクアジェット切削加工

アクアジェット切削加工(ピュアジェット切削加工とも呼ばれる)は、ウォータージェットだけで切削を行う加工方式です。 ウォータージェットとは、水圧ポンプによって生成された高圧水流のことで、一般的な圧力範囲は30,000 psi(約200 MPa)から90,000 psi(約620 MPa)です。

アクアジェット切削加工は、ゴム、樹脂、木材などの軟質材の切削加工に適しており、金属などの硬質材の切削には向いていません。



主な切断加工材

建材・ゴム・発泡材・紙・食品


◎アブレシブジェット切削加工

アブレシブジェット切削加工の基本原理は、高速の研磨剤を含む気体ジェットを使用して、材料表面に粒子を衝突させて削り取ることです。ジェット内の圧力と速度が高いほど、より効果的な削り取りが可能です。

アブレシブジェット切削加工は、研磨剤供給装置、気体供給装置、ノズル、制御システムなどで構成されます。研磨剤は硅酸塩やアルミナなどの硬質で微細な粒子で構成されています。 アブレシブジェット切削加工は非接触加工なので、熱影響ゾーンや変質が発生しません。そのため、熱に敏感な材料や微細な機械加工が必要な材料に適しています。

アブレシブジェット切削加工は電子部品の加工、精密部品の製造、セラミックスの加工など、微細な加工や高精度加工が求められる多くの分野で利用されています。

ウォータージェット加工のメリット・デメリット

◎メリット

・非熱的加工

ウォータージェット加工は非熱的な加工方法であるため、熱に敏感な材料や熱が望ましくない場合に適しています。金属、プラスチック、ガラス、陶器などのさまざまな材料を加工できます。


・高精度

ウォータージェット加工は、高圧水流をコンピュータ制御で正確に操作するため、非常に高い精度で作業が可能です。複雑な形状や細かいディテールを持つ部品を作成できます。


・無毒無害

ウォータージェット加工では、水と砂や他の研磨剤を使用する場合がありますが、一般的には無毒であり、環境にやさしい方法です。また、熱を使用しないため、有害なガスや蒸気を生成しません。


・材料の節約

伝統的な切断方法に比べて、ウォータージェット加工は材料の浪費を最小限に抑えることができます。この方法では、部品を密に配置して材料を最大限に利用できます。


・冷却効果

ウォータージェット加工は、切削中に材料を冷却する効果もあります。このため、熱に敏感な材料を加工する際に、変形や劣化を最小限に抑えることができます。


・多様な材料への適用

ウォータージェット加工は、金属だけでなく、ゴム、フォーム、繊維、食品など、さまざまな材料に適用できます。そのため、産業やアプリケーションの幅広いニーズに対応できます。



◎デメリット

・水に溶ける材質は加工できない

ウォータージェット加工はミスを使って加工を行うため、水に溶ける材質の加工には向きません。


・レーザー加工よりもコスト高になる場合がある

ウォータージェット加工では消耗材として使用する研磨剤が高価であるため、レーザー加工に比べてコストが高くなります。


・機械加工よりも加工精度が劣る

超精密加工に関して機械加工と比較すると、その加工精度は劣ります。

ウォータージェット加工の将来性

ウォータージェット加工は環境にやさしく、精度が高く、さまざまな素材に適用できるため、将来的にはさらなる成長が期待されています。デジタル化や自動化の進展により、より効率的な加工が可能になり、さらなる産業への普及を期待できます。


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