ものづくりプレス
2024-07-18
エチレンプロピレンゴム(EPDM)とは?
エチレンプロピレンゴムとは?
エチレンとプロピレンを共重合させたエチレンプロピレンゴム(EPM)は、1955年に初めて合成されました。
ポリエチレンにプロピレンを加えることで、結晶化が抑制され、ゴムの性質を持つようになります。
その後、硫黄加硫を可能にするために、第三の成分としてジエンを共重合させたエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)が開発され、
広く工業的に使用されるようになりました。
第三成分として使用されるジエンには、エチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)、および1,4-ヘキサジエン(HD)があります。
この中でも、ENBを用いたEPDMは、加硫速度が速く物性のバランスが優れているため、最も広く使用されています。
また、DCPDは重合時に最も分岐しやすい特性を持っています。
EPDMの加硫方法には主に硫黄加硫と過酸化物加硫があります。
二つの方法の最大の違いは耐熱性です。
硫黄加硫の最高使用温度は約70℃ですが、過酸化物加硫では150℃まで耐えることができます。
EPDMにはエチレン含量、ジエン含量、分子量および分子量分布が異なるグレードがあり、
これにより強度、圧縮永久ひずみ、加工性、低温特性などの必要な特性に応じて使い分けることができます。
エチレンプロピレンゴム(EPDM)の特徴
◇メリット
耐熱性・耐候性・耐オゾン性に優れている
EPDMは主鎖に二重結合を持たないため、これらの特性が非常に高いです。
他のジエン系ゴムに比べて優れており、耐オゾン性は特に本質的な性質で、配合による変動はありません。
CRやIIRよりも優れた耐オゾン性を示します。
絶縁体としての電気特性
EPDMは絶縁体として優れた電気的特性を持ち、IIRと同程度の体積固有抵抗を示します。
耐薬品性
アルコールやエステルなどの極性溶剤、硫酸などの無機酸、アルカリに対して優れた耐性を持っています。
加工性とコスト効率
油展性や充填剤添加性が非常に高いため、性能を大きく損なうことなくゴム分を減らせ、材料コストの面で有利です。
高温耐性
パーオキサイド加硫を使用すると、最高使用温度は150℃となり、耐熱用途にも適しています。
◇デメリット
耐油性に劣る
EPDMは鉱物油やトルエンなどの有機溶剤に対して親和性が高く、耐油性が他のゴムよりも劣ります。
EPDMの生ゴムはロール巻付性があまり良くありませんが、粘着剤やオイルを配合することで改善可能です。
硫黄加硫の耐熱性
硫黄加硫のEPDMは耐熱性が低く、最高使用温度は70℃程度です。
可燃性
EPDMは可燃性のゴムであり、耐炎性はありません。
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