ものづくりプレス

2024-11-23

射出成形とインサート成形の違い

インサート成形と射出成形はいずれも、加熱して溶かしたプラスチック樹脂を金型内に注入して成形する技術で、基本的な原理は同じです。

しかし、インサート成形はその名前の通り、

成形時に金型内に金属や端子、ICタグ、ガラス、セラミック、熱硬化性樹脂などの異素材を挿入し、

樹脂とこれらのインサート品を一体化させる点が通常の射出成形と異なります。
以下は、インサート成形のプロセスです。

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◇ステップ1:インサートを金型にロードする

インサート成形用の金型設計では、エンジニアがインサートの位置を考慮します。

インサートを正確に配置することが重要です。

インサートを金型に挿入する方法には、以下の2つがあります。

自動挿入

ロボットなどの自動システムを使用してインサートを挿入します。

自動挿入の利点は一貫性、効率、精度にあり、高温にも耐えられます。

しかし、初期投資が高いという欠点があります。

手動挿入

少量生産に適しています。

手作業でインサートを金型に挿入し、詳細な検査が可能です。

ただし、自動挿入と比べて精度や再現性が劣り、高温での作業が難しい点が欠点です。

◇ステップ2:溶融プラスチックの射出

溶融したプラスチックを高圧で金型に射出します。

これにより、プラスチックが金型の全ての部分に行き渡り、インサートにしっかりと接着します。

◇ステップ3:金型の開閉と成形品の取り出し

金型にプラスチックが充填された後、均一に固化させます。

冷却後、金型を開き成形品を取り出します。

◇ステップ4:成形品のスプレーからの分離

成形品はスプルーに取り付けられています。

使用する前にスプルーから分離し、成形品の損傷を防ぎます。

◇ステップ5:後処理

成形後、部品は最終使用に向けた後処理が必要です。

パテ取り

余分な材料を取り除く

熱処理

内部応力を除去する

表面仕上げ

表面の美観や強度を向上させるための処理


以上がインサート成形の基本的なプロセスです。