ものづくりプレス

2024-07-31

切削加工とは

切削加工は、工具を使用して金属などの材料を削ったり穴を開けたりする技術で、一般的には工作機械を使います。

では、高性能な工作機械を導入すれば、高精度なものづくりができるのでしょうか。

ここでは、その基本知識について学んでいきます。

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◇工作機械の運用における技術と手作業の重要性

工作機械は、設計図に基づき材料を加工する装置であり、産業界では欠かせない存在です。

和製英語で「マザーマシン」と称されるように、工作機械は他の機械や自身の製造にも重宝されています。

日本は特に工作機械の製造で得意とし、その技術は世界的に評価されています。

明治期以降、日本からは多くの有名メーカーが生まれ、「メイド・イン・ジャパン」の象徴として世界へ広がりました。

現在では、日本製の工作機械がアジアや世界各国に広く輸出されています。


工作機械のデジタル化が進んだ今日、多くのメーカーは高精度な加工が可能と誤解されがちですが、実際にはそれだけで成功するわけではありません。

日本のものづくりの強みは、単に機械を導入することではなく、工具や治具を自作し、工作機械の運用方法を独自に開発してきた点にあります。

これはNCやCNC技術の発展と共に進化してきた取り組みです。


製造現場では、最新の工作機械でも「機種ごとに異なる特性」があり、オペレーターはこれを理解し、微調整することで高い加工精度を維持しています。

したがって、工作機械を使いこなすには、その特性を熟知し、個々の機械に合わせた適切な操作が不可欠です。

さらに、単に工作機械を理解するだけではなく、手作業での加工技術も重要です。

◇切削の基本動作

切削とは、工具を使用して工作対象物から一部の素材を削り取るプロセスです。

この作業には主に「切削」と「送り」という二つの動作が必要です。 切削は工具が素材を削る動作であり、一直線に移動します。

一方、送りは工具を移動させて新たな部分を切削する動作です。

このプロセスを繰り返すことで、平面などの形状を作り出すことができます。

◇切削中の抵抗とその影響

切削中には工具と素材が接触し、それによって抵抗が生じます。

特に工具の形状や素材の特性によって抵抗の度合いが異なります。

例えば、切削面積が広い場合や素材の硬さによっても抵抗が変化します。

加工時にはこれらの抵抗を考慮しながら作業を進める必要があります。

◇加工速度と効率

効率的な加工を実現するためには、加工速度の最適化が重要です。

ただし、速度を上げ過ぎると抵抗が増えたり熱が発生したりする可能性があります。

加工速度を調整する際には、精度や工具の耐久性も考慮に入れることが必要です。

◇加工時の温度管理

加工中には摩擦によって熱が発生し、これが加工精度や工具の寿命に影響を与えることがあります。

特に速度や加工面積が大きい場合は、温度管理が重要です。

切削油はこの温度管理に役立ちます。

水溶性の切削油が主流であり、環境に配慮した再利用も行われています。