ものづくりプレス

2024-08-15

樹脂の金型とは?製品の特長ごとに、メリットとデメリットをご紹介

ゴム金型には、主に直圧式成形(コンプレッション成形)と注入式成形(トランスファー成形)の2種類があります。 製品の形状、要求される精度、金属や樹脂との一体成形の必要性、コストなどを考慮して、適切な成形方法を選択することが重要です。 それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、選択時には案件ごとに慎重に検討する必要があります。

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直圧式成形(コンプレッション成形)

直圧式成形(コンプレッション成形)は、金型のキャビティの真上に材料を直接置き、上型の加圧によって材料をキャビティに流し込むシンプルな仕様です。 この方法のメリットは、金型の製作コストが比較的低く、使用材料も最低限で済むため、コスト面での利点が大きい点です。


一方で、デメリットも存在します。 製品形状が深いものや複雑な形状のものに対しては、充填不良などの品質上の不安定要素が生じやすいです。 また、金型のキャビティに直接材料を流し込むため、仕上げ感の調整が難しくなり、材料の仕込み量の管理が厳しくなります。


直圧式成型の利点

・金型の設計が簡単で、コストが低く抑えられる。

・使用する材料が最小限で済む。

・注入式と比べて、やや生産性が高く、成型の回転がスムーズに行える。


直圧式成型の欠点

・材料の準備において、細かい裁断と計量が必要。

・仕上げの品質や寸法が金型の精度に依存する。

・寸法や仕上げの安定性を保つためには、オペレーターのスキルが重要。

注入式成型(トランスファー成型)

製品キャビの上部にはポット型が設けられており、キャビ内に材料を流し込むためのゲート孔が開いています。 ポット内に材料を置き、プランジャー(上型)で加圧することで、材料がゲートを通ってキャビ内に注入され、充填される仕組みです。 この方法では金型の枚数が多くなり、直圧式に比べて金型の形状がやや複雑になります。


注入式成型の利点

・材料準備において、細かい裁断や精密な計量が不要なため、手間が少ない。

・金型が閉じた状態で必要な材料をキャビ内に流し込むため、寸法の安定性と仕上げの品質が確保されやすい。

・インサート成型では、インサート部品を固定した状態でゴム材を注入するため、ゴム材の流動でインサートがキャビ内でずれるのを防げる。


注入式成型の欠点

・金型の構造が直圧式より複雑であるため、コストが高くなりがち。

・ポット型内部にはキャビの喰い切りとは別にポットバリが形成されるため、材料の使用量が増え、材料コストが上昇する。

・製品面にゲート跡が残るため、外観が重要な部品には適していない。