ものづくりプレス

2024-08-15

射出成型金型とは?構造と樹脂成型での適した用途を解説

射出成形金型とは 金型は樹脂を特定の形に成形するために使用される金属製の型のことを指します。 例えば、ハート型の金型に溶けたチョコレートを流し込んで冷やすと、ハート型のチョコレートが作れます。 樹脂成形では主に「射出成形」と呼ばれる技術が使われます。 これは、加熱して柔らかくした樹脂を目的の形状に合わせた金型に流し込み、冷却することで樹脂製品を成形する方法です。

チョコレート作りのように、一つの金型を使って同じ形のチョコレートを複数作れるように、射出成形でも一度金型を作れば大量生産が可能です。 金型の設計や製作には費用がかかりますが、その後は比較的低コストで短時間に部品や製品を生産することができます。

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射出成形の構造

樹脂の射出成形プロセスは、「型締め」「樹脂の融解」「樹脂の射出」「冷却」「成形品の取り出し」の5つの主要なステップに分かれます。 まず、型締め装置を使用して金型をしっかりと閉じます。 型締めされた金型は中が空洞になっており、そこに樹脂を流し込みます。 型が正しく締まっていないと、バリなどの欠陥が生じる可能性があります。


次に、材料となるペレット状の樹脂を200~300℃程度に加熱して柔らかくします。 この工程が融解です。 その後、融解した樹脂を圧力をかけながら型締めされた金型に射出します。 樹脂が射出されると、冷却工程で圧力を維持しながら数秒から数分間冷やします。 冷却が完了したら金型を開き、成形品を取り出します。 取り出す際には、成形品が変形したり破損したりしないように、力をかけすぎないように注意が必要です。 射出成形では射出成形機を使用してこれらの工程を行います。

複雑な手順があるように思えるかもしれませんが、射出成形では数十秒から数分ごとに(製品の大きさなどにより異なりますが)樹脂製品を大量に生産することが可能です。 大量の製品や部品を生産できる一方で、温度や射出速度などの条件を正確に設定しないと、不良品が発生したり成形品の性能に悪影響を及ぼしたりすることがあります。

射出成型の用途

射出成型の用途には以下のようなものがあります。


自動車部品:バンパー、ダッシュボード、内装パネルなど。

家電製品:テレビの外装、冷蔵庫の部品、洗濯機のパーツなど。

消費者製品:プラスチック玩具、家庭用品、スポーツ用品など。

電子機器:スマートフォンのケース、コンピュータの部品、コネクタなど。

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