ものづくりプレス
2024-08-15
樹脂成型と金型の関係とは? 方法と仕組みを解説
射出成形とは 射出成形の「射出(インジェクション:injection)」とは、注入や充填を意味します。 加熱して溶かした樹脂(プラスチック)を金型内に注射のように注入・充填して成形します。 この方法は主に熱可塑性樹脂の成形に用いられますが、場合によっては熱硬化性樹脂にも使用されます。 射出成形は、薄肉のものや複雑な形状のものなど、さまざまな樹脂製品を高速に成形できるため、大量生産に適しています。
射出成形の用途には、スマートフォンのカバー、電機製品の筐体、プラモデル、 風呂の椅子やトイレの便座などの小型・中型製品から、自動車のバンパーといった大型部品まで幅広く含まれます。 多種多様な樹脂製品の成形・量産に利用されているため、射出成形は代表的な樹脂成形方法といえるでしょう。
射出成形のメカニズム
「射出成形機」は、主に(1)射出装置、(2)型締め装置、(3)金型の3つの部分から構成されています。
◎射出装置
可塑化機構:成形材料をシリンダー内で加熱し、溶融(可塑化)させます。
射出機構:溶融した樹脂をスクリューで押し出し、計量して型締めされた金型内に注入します。 スクリューの速度を制御し、一定量の溶融樹脂を正確に押し出します。
◎型締め機構
型締め機構:型を閉じ(型締め)、材料を射出した後、外側から冷却水で冷却し固化させます。 その際、樹脂の収縮による体積減少を補うため、さらに材料を補給し、金型内の圧力を保持します(保圧)。
突出し機構:材料の充填後、金型を開いて成形品を取り出します。
◎金型
「雌型」は射出装置側(固定側)に取り付けられ、「雄型」は型締め機構側(可動側)に取り付けられます。 雌雄の金型が合わさって形成される空洞部(キャビティ)に溶融樹脂が射出されます。 射出された溶融樹脂は、金型内の「スプルー」から「ゲート」を通り、「キャビティ」内に流れ込みます。
樹脂が金型内に充填され冷却・固化した後、可動側の「エジェクタプレート」に固定された「エジェクタピン」が成形品を金型内から突き出し、取り出します。
同時に複数の成形品を作る「多数個取り」の場合、溶融樹脂はまず「スプルー」から金型内に入り、 次に「ランナー」と呼ばれる金型内の分岐路を経由して「ゲート」を通り、各「キャビティ」内に流れ込みます。 これを冷却・固化することで、複数の射出成形品が完成します。
成形品側にはスプルー、ランナー、ゲートといった部分が残ります。 ゲートを切断することで、複数の成形品を取得できます。 プラモデルキットの場合は、このゲートが切断されていない状態で製品となります。
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