ものづくりプレス

2024-08-15

金型の作り方とは?製作の流れと用途ごとの適した種類

金型は、プラスチックや金属などのさまざまな素材を製品にするために活用されています。 普段あまり意識されることは少ないですが、製造業の重要な要素といえます。 身近な例としては、自動車のボディやスマートフォンの部品の製造に利用されています。 具体的にどの程度の需要があるのでしょうか。

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金型のつくり方

◎金型の設計

顧客から提出された仕様書や図面、3Dデータを基に金型の設計図を作成します。 この段階で、品質・生産性・コストパフォーマンスを向上させるために、顧客との打ち合わせが不可欠です。 打ち合わせでは、金型の構造や型割りなどを決定します。 設計図が完成した後、加工に必要なプログラミングを行います。 設計図とプログラミングが完了したら、金型の製造に移ります。


◎金型の基本形状を作る

金型製造の最初のステップは、荒加工と呼ばれる粗削り作業です。 これは、前加工とも言われ、金属の塊に大きな穴を開けたり、切り込みを入れたりして歪みを取り除く作業です。

同時に、荒取りも行います。 荒取りは、金属の不要な部分を削り取り、仕上げ加工時の負荷を軽減する作業です。 具体的には、仕上げ寸法よりも少し大きめに金属を削ったり、仕上げ寸法よりもやや小さめに穴を開けたりします。

荒取りが完了したら、次に熱処理とマシニング加工を行います。 通常、熱処理は機械加工後に行われますが、精密さが要求される金型製造では、この段階で行うことが一般的です。 熱処理後、マシニング加工では工作機械(マシニングセンタ)を使って金型の大まかな形状を削り出します。 この工程では、単純な形状の加工だけでなく、複雑な形状の加工にも対応できます。


◎金型の細部を加工する

マシニングセンタは複雑な加工に対応できますが、すべての加工を行うことはできません。 マシニング加工の後には、マシニングセンタで対応できない部分の加工を行います。 具体的には、放電加工やワイヤカットが含まれます。

放電加工は、高電圧放電を利用してエッジ部やネジ部を加工する作業です。 ワイヤカットは、ワイヤーと電気エネルギーを用いてエジェクターピン穴やコアピン穴を加工する作業です。 これらの方法を使って、金型の細部を加工します。


◎金型の仕上げ加工を行う

これまでの工程で金型の形状が完成したら、次に仕上げ加工を行います。 代表的な仕上げ加工は、磨き加工です。 磨き加工では、ダイヤモンドペーストやセラミック砥石を使用して、表面を滑らかします。 この作業は基本的に顕微鏡を用いた手作業で行われ、高度な技術が要求されます。 磨き作業が完了したら、部品を揃えて金型を組み立てます。 複雑な金型の場合、組み立ても簡単ではなく、高い技術力が求められます。