ものづくりプレス
2024-11-20
プラスチックの歴史
プラスチックは現代の生活において欠かせない存在ですが、その歴史は1860年代に始まりました。
多くの日用品がプラスチック製品である状況は、実はここ最近のことです。
普段何気なく使っているプラスチック製品が、どのような歴史を経て現在に至ったのかを知ることで、環境問題への意識を一層高めることができるでしょう。
アメリカで開発・商品化
プラスチックの歴史は、1860年代にアメリカの印刷工が「セルロイド(ニトロセルロース)」を発明・商品化したことに始まります。
セルロイドはセルロースを原料とする半合成樹脂で、最初に工業化された実用的なプラスチックとして知られています。
1860年代に商品化された後、セルロイドは様々な用途に使用されるようになりましたが、その高い発火性と可燃性が問題となっていました。
合成樹脂プラスチックが誕生
セルロイドが商品化された1860年以降も、プラスチックの発明は続きました。
1907年には、現代のプラスチック製品で主流となる「天然素材を使用しないプラスチック」が誕生します。
ベルギー出身のレオ・ベークランドは、ニューヨークで石炭から炭化水素物質を抽出し、合成高分子を基にした初のプラスチック「フェノール樹脂」を作り出しました。
このフェノール樹脂は「ベークライト」と名付けられ、家電や自動車などの工業製品に広く使用されました。
ベークランドの合成樹脂プラスチックの発明をきっかけに、多くの開発者がプラスチックの研究を進め、 1926年には可塑化ポリ塩化ビニル、1938年にはポリスチレンが次々と誕生しました。
プラスチックからの普及
1900年から1930年代にかけて、現代でも主流となる多くのプラスチック製品が誕生しましたが、当時はあまり注目されていませんでした。
しかし、第二次世界大戦の始まりとともに、その素材の利便性が広く知られるようになり、普及率が大きく向上しました。
1939年9月1日に始まった第二次世界大戦の影響で、アルミや銅、鉄は軍事用途において重要な資源となりました。
また、天然ゴムも配給制となっていたため、資源確保の観点からプラスチックの需要が急増しました。
それまでプラスチックは高価な素材でしたが、戦時中の産業用プラスチックの研究開発と生産が急速に進んだ結果、 プラスチック製品は安価な素材として市場に広がり、多くの家庭の日用品がプラスチック製品に置き換わるようになりました。
戦時中にプラスチック製品が大量に生産された結果、第二次世界大戦の終戦後もプラスチック製品の大量消費の時代が続きました。
プラスチックが安価で購入できる点だけでなく、その形状を自由に変えられるという特性が評価され、 「安さ」だけでなく「生活の快適さ」を追求する家庭がプラスチック製品を積極的に取り入れるようになりました。
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