ものづくりプレス

2024-11-24

ポリアミド樹脂の特徴とは?適した用途をご紹介

ポリアミド樹脂は、アミド結合が連続することで主鎖が形成される熱可塑性高分子材料です。

「ナイロン」という名前で広く知られていますが、これはデュポン社が世界初のポリアミド66の合成に成功し、その商標が一般名称として定着したためです。

元々は合成繊維用に開発されたポリアミドですが、その優れた機械的強度、耐熱性、耐薬品性から、自動車や工業部品、家庭電化製品など、射出成形用材料として 幅広く利用されています。


ポリアミドは様々な種類のラクタム、ジアミン、ジカルボン酸といったモノマーを用いることで、多様な分子骨格を作り出すことができます。


今回は、汎用エンジニアリングプラスチックとして広く使われる結晶性ポリアミドであるポリアミド6(PA6、ナイロン6)とポリアミド66(PA66、ナイロン66)に焦点を当てます。

ポリアミド

ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)の特徴

ポリアミドには以下のような優れた特性があります。


・優れた機械的特性

・高い耐摩擦摩耗性

・優れた耐熱性

・高い耐有機溶剤性

・幅広い物質との親和性があり、染料、安定剤、添加剤、強化材などを配合可能

・優れた絶縁耐力


しかし、以下のような使いにくさも存在します。


・環境の湿度によって寸法や特性が変化しやすい

・高温で長時間水分と共存すると分子量が低下し、物性が変化しやすい

ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)の用途


ポリアミドは自動車のエンジン周りの部品でその耐熱性と耐油性が最も効果的に活かされています。

高温環境下でガソリン、潤滑油、不凍液に触れても安定性を保ちます。

さらに、耐熱性が必要な吸排気系部品や、電気絶縁性が求められる電気系統のコネクタなどにも使用されています。

自動車用途以外では、電気製品、耐熱性が求められる調理器具、温調機器、水回り機器など、幅広い分野で利用されています。

また、結束バンドやファスナーなどの部品にも使用され、信頼性の向上や組立の合理化に貢献しています。

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