ものづくりプレス

2024-08-16

エンジニアリングプラスチックとは?

エンジニアリングプラスチック、略してエンプラとは、耐熱性や強度が求められる環境でも柔軟に利用できるよう改良されたプラスチックのことを指します。

エンプラの特徴は、高温の厳しい工業環境でも耐えられる強度を持つ点にあります。

金属の代替として使用されることが多く、金属に比べて低コストで軽量であるという利点があります。

エンプラ2

通常のプラスチックとの違い

通常のプラスチックと比較すると、エンジニアリングプラスチックは機械的強度と耐熱性(100℃以上)に優れています。

開発の背景

エンジニアリングプラスチックが開発された背景には、1960年代の世界的な工業生産の発展があります。

大量生産が求められる中で、金属よりも軽量で加工が容易な素材へのニーズが高まり、それに応じて高強度のプラスチックが開発されました。

エンジニアリングプラスチックの用途による3つの分類

エンジニアリングプラスチックは、耐熱性に基づいて2種類に分類されます。 それぞれの分類について解説します。

◇100℃以上の耐熱性を持つ汎用エンジニアリングプラスチック

エンジニアリングプラスチックには明確な定義はありませんが、一般的に100℃以上の耐熱性を持つプラスチックは汎用エンジニアリングプラスチックと呼ばれます。

これらはエンジニアリング樹脂とも呼ばれ、いくつかの種類がありますが、いずれも高い強度を持っています。 主に自動車や電子機器の部品として広く使用されます。

◇さらに高性能なスーパーエンジニアリングプラスチック

エンジニアリングプラスチックの中でも特に高性能なものは、スーパーエンジニアリングプラスチックに分類されます。

これは特殊エンジニアリングプラスチックとも呼ばれます。

耐熱性は150℃以上で、汎用エンジニアリングプラスチックよりもさらに高く、高温環境下でプラスチック部品が必要とされる場面で活躍します。

エンジニアリングプラスチックのメリット・デメリット

◇メリット

エンジニアリングプラスチックは軽量で、合成プラスチックのため大量生産が容易です。

また、それぞれ異なる性質を持ちながらも、耐熱性や強度に優れており、幅広い用途に対応できます。

汎用プラスチックよりも広い用途に利用でき、金属よりも軽く使いやすい点で、双方の利点を兼ね備えた素材として注目されています。

◇デメリット

エンジニアリングプラスチックのデメリットとしては、素材の価格がやや高価であることが挙げられます。

また、金属と比べると、強度や耐熱性が劣る場合があります。 さらに、紫外線による劣化のリスクも存在します。

そのため、エンジニアリングプラスチックを使用するか金属を使用するかは、用途や条件に応じて慎重に選択する必要があります。 軽量性を重視するか、耐熱性や強度を求めるかによって検討することが重要です。

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