ものづくりプレス

2024-08-16

エンプラとは?基礎知識と用途をご解説

エンプラは、従来の汎用プラスチックが持つ強度や耐熱性の問題を克服した高機能なプラスチックの総称です。

エンプラには明確な定義はありませんが、一般的に100℃以上の耐熱性を持つプラスチックを指します。

1960年代に世界的な工業生産が活発になり、国内でも高度経済成長期を迎えました。 大量生産と大量消費に対応するため、製品の部材や部品には「安価で、軽量で、加工が容易であること」が求められるようになり、 プラスチックの金属代替としての可能性が探られていました。

また、同時期に世界各地で大規模な石油化学コンビナートの建設が進みました。

このような時代背景の中で次々と開発されたのが、エンプラ(エンジニアリングプラスチック)です。

エンプラ

エンプラの種類とその特性


エンプラの主な用途


PC(ポリカーボネート)

・ヘッドランプ

・CD/DVD/ブルーレイディスク

・カーポート

・ダイアライザー


ポリカーボネート(記号:PC)は、

耐薬品性は低いものの、寸法安定性、耐衝撃性、透明性に優れています。

また、-40度から+120度までの幅広い温度範囲に対応できる点もメリットです。


m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)

・複写機シャーシ

・電源アダプター

・自動車の外装部品や電装部品

・ポンプ部品


m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)は、

高い耐衝撃性を持ち、低温でも安定しています。 また、 酸やアルカリに対しての耐性が強いです。


PA6/PA66(ナイロン6/ナイロン66)

・合成繊維(ナイロン)

・自動車のエンジン周り部品やダクト

・電動工具


ナイロン6とナイロン66は、

優れた性能とバランスの取れた特性により、多様な用途に適しています。

さまざまな分野で需要が高く、広く使用されています。


POM(ポリアセタール)

・各種電気製品の外装、筐体、機構部品、駆動部品

・自動車部品(ギア、シートベルトなど)


ポリアセタール(記号:POM)は、

耐疲労性に優れた素材です。

また、耐摩擦・摩耗性もあります。

透明性のない乳白色をしていることから着色されたうえで利用されることが多いです。


PBT(ポリブチレンテレフタレート)

・ 電子部品(コネクター、スイッチなど)

・自動車の電装部品

・合成繊維(ポリエステル)


ポリブチレンテレフタレート(PBT)は、

滑り特性や衝撃に対する耐性、そして電気絶縁性が優れた素材です。

異なる樹脂と混合して使用する際にも適しており、複合材料の原料として広く利用されるプラスチックです。