ものづくりプレス

2024-08-20

ニトロセルロースとは

火薬の原料からフィルムの素材まで、その用途は多岐にわたるニトロセルロース。高いエネルギー密度と可燃性を持つこの物質は、私たちの生活に深く関わっています。一方で、その危険性から取り扱いには専門的な知識と技術が要求されます。本記事では、ニトロセルロースの性質、市場、そして現代における利用法について探求します。

ニトロセルロース

ニトロセルロースとは?

セルロースという天然の物質に硝酸などを反応させて生成された化合物で、白色の綿状の固体です。 ニトロセルロースは火薬や爆薬、花火といった危険物のほか、フィルムやインクの製造にも利用されています。 第5類危険物質に指定されている自己反応性物質であり、高い燃焼性を持ち、着火すると迅速に燃え広がる特性があります。


ニトロセルロースの取り扱い方とは


燃焼性や爆発性があるため、保管や取り扱いには特に注意が必要です。 適切に扱わないと、事故のリスクが高まります。 一般的に以下の点に注意して取り扱います。

・しっかり密閉できる容器で保管する

・換気の良い場所で施錠して保管する

・高温にならない冷暗所で、熱源から遠ざけて保管する


野外に放置したり、容器の蓋を開けたままにするなどの不適切な保管は絶対に避けましょう。

世界のニトロセルロース市場

世界のニトロセルロース市場は、2020年に8億4,000万ドルの規模に達し、2021年から2027年にかけて年平均成長率(CAGR)5.5%で成長し、 2027年には12億3,000万ドルに達すると予測されています。


ニトロセルロースは、セルロースに硝酸やその他の強力な硝化剤を反応させて作られる高可燃性の物質です。 ガンコットンという名称は、ニトロセルロースが低次の爆発物や推進剤として使用される際に使われます。 また、セルロースが完全にニトロ化されていない場合、プラスチックフィルムや木材コーティング、印刷インクなどにも利用できます。 今後、世界のニトロセルロース市場は、爆薬、印刷インキ、木材コーティング、プラスチックフィルムなどの多様な用途での需要増加によって成長すると予想されています。


ニトロセルロース市場拡大の要因は?

自動車用塗料の需要が急増していることが、世界のニトロセルロース市場の主な推進力となっています。 環境問題への関心の高まりや、ハイブリッド車や電気自動車の普及による効率化の影響で、自動車用塗料の需要が増加しています。 一方で、硝化綿の高い爆発性は、世界のニトロセルロース市場にとって重要な制約要因です。 乾燥したニトロセルロースは非常に引火性が高く、摩擦や火花で発火する可能性があります。 硝化綿の不適切な取り扱いは、多くの人命に危険をもたらす可能性があります。 このような理由から、ニトロセルロース市場には制約があると考えられます。


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