ものづくりプレス

2024-08-19

洗濯機用パッキンに適した素材は?

洗濯機用パッキン

パッキンとは

ステンレス容器の密閉にはパッキンが欠かせません。

パッキンは、蓋や接続部の隙間に挟んで密閉性を確保し、内容物の漏れや異物の混入を防ぐ部品です。 これも一種の「シール」として機能します。 パッキンには多種多様な材質、形状、厚みがあり、内容物や使用環境に応じて適切なものを選ぶ必要があります。


不適切なパッキンを使用すると、膨潤や変形、剥離の問題が発生し、特に密閉容器では密閉度に大きく影響する可能性があります。


ここでは、ステンレス容器に使用されるパッキンの材質とその特性について詳しくご紹介します


代表的な6種類のパッキン材質

シリコーンゴムの特長

耐候性、耐薬品性、非粘着性、耐オゾン性に優れ、難燃性、撥水性、電気絶縁性も兼ね備えています。 そのため、工業用途だけでなく家庭用品にも広く使用されています。


フッ素ゴム(FKM)

フッ素ゴムは、一般的にフッ化ビニリデン系フッ素ゴム(FKM)を指します。 これは、最も高い耐熱性を持ち、優れた耐油性、耐燃料性、耐薬品性を備えている合成ゴムです。 このため、自動車部品や化学プラントなど、多岐にわたる分野で広く使用されています。


クロロプレンゴム(CR) -Polychloroprene rubber-


クロロプレンゴムは長い歴史を持つ合成ゴムで、優れた機械的強度と耐候性を特徴としています。 そのバランスの良さから、多くの用途で広く利用されています。 特に難燃性が高く、ゴムのりとして使用した際の接着力が強いことや、ガス透過率が低いことも特長です。ウェットスーツなどにも使われています。


ニトリルゴム(NBR)


ニトリルゴムは、耐油性に優れた合成ゴムで、耐摩耗性や耐老化性も高いです。

特に耐油性が際立っており、圧縮永久ひずみ、引張り強さ、耐摩耗性も優れています。 このため、シール材やゴム手袋、自動車部品など、さまざまな用途で利用されています。


エチレンプロピレンゴム(EPDM)

エチレンプロピレンゴムは、耐薬品性、耐寒性、耐オゾン性、耐老化性に優れた合成ゴムです。 また、比重が市販のゴムの中で最も低いのも特徴です。 オゾンに強く、老化しにくいため、自動車部品や競技場のトラックなど、さまざまな用途で利用されています。


四フッ化エチレン樹脂(PTFE)

四フッ化エチレン樹脂(PTFE)は、フッ素樹脂とも呼ばれ、耐薬品性、耐オゾン性、耐候性に優れた樹脂(プラスチック)です。
ゴムではなく樹脂であり、最も摩擦が少なく、電気絶縁性も高いため、電気絶縁材としても非常に優れています。
また、非粘着性と低摩擦性を持ち、すべりやすい特性があるため、摺動材としても利用されます。
フライパンのコーティングなどでよく知られており、その優れた特性から幅広い用途で使用されています。

洗濯機に適したパッキンは?

洗濯機に適したパッキンには、シリコーンゴムやエチレンプロピレンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)が推奨されます。
シリコーンゴムは高温や湿気に強く、耐薬品性も優れているため、洗濯機のドアパッキンや内部パッキンに最適です。
EPDMは耐水性や耐寒性に優れ、厳しい環境下でも劣化しにくいため、寒冷地や長期間の使用に適しています。
NBRは耐油性や耐摩耗性が高く、洗剤や柔軟剤に対しても強い耐性があります。
各材料の特性により、用途に応じた適切なパッキン選びが重要です。