ものづくりプレス
2024-09-18
ゴムの難燃性とは?燃えにくいシリコンゴム
一般に、シリコーンゴムは難燃性が高いとされていますが、完全に燃えないわけではありません。シリコーンゴムは、一定の条件下で点火すると、そのまま燃え続けることがあります。ただし、シリコーンゴムは高い難燃性を持つことで知られており、その難燃性をさらに高めるために特別な添加剤が使用されることがあります。これにより、燃えにくく、自己消火性を持たせることが可能です。難燃性のシリコーンゴムは、自動車や航空機、光学機器など、非常に高い難燃性が求められる用途で利用されています。以下では、シリコーンゴムの難燃性に関する詳細な情報を解説します。
シリコーンゴムの耐熱性
シリコーンゴムは、200°Cまでの高温に耐える優れた耐熱性を持ちますが、燃えないわけではありません。シリコーンゴムの難燃性は、UL(Underwriters Laboratories)規格に基づいて評価されており、特定の試験方法で等級分けされています。一般的に、シリコーンゴムはUL94-HBレベルの難燃性を持ちますが、より高い難燃性を実現するために、UL94-V0規格のシリコーンゴムも存在します。これにより、シリコーンゴムの耐熱性と難燃性のバランスが取れた製品を選ぶことができます。
UL規格について
UL規格(Underwriters Laboratories: UL)は、製品の機能や安全性に関する標準を策定する独立した認証機関で、シリコーンゴムの難燃性もこの規格によって評価されます。UL規格の難燃性の分類は以下のようになっています:
不燃性:燃焼を続けない性質。燃焼の継続程度は規格によって評価されます。
難燃性:燃焼速度が遅く、一定時間は燃え続ける性質。
自己消火性:炎にさらされている間は燃えますが、炎から離れると自動的に消火する性質。
遅燃性:自己消火性はなく、燃焼する速度が遅い性質。
これらの規格に基づく評価により、シリコーンゴムの難燃性を確実に判断することができます。
シリコーンゴムの難燃性に対する評価
シリコーンゴムは、一般的にUL94-HB規格を取得しており、これは遅燃性を示す基準です。しかし、さらに高い難燃性を持つシリコーンゴムはUL94-V0規格を取得しており、この規格を満たすゴムは難燃性シリコーンゴムとして認識されます。UL94-V0規格のシリコーンゴムは、難燃性が非常に高く、火災リスクが低い素材です。ただし、難燃性を向上させるために添加剤を使用することで、ゴムの硬度や色調に制限がかかることがあります。
難燃性シリコーンゴムの用途
難燃性シリコーンゴムは、自動車、航空機、船舶、鉄道などの輸送機器向けの部品に広く使用されています。これらの分野では、厳格な保安基準が法律やメーカーの規格で定められており、難燃性の素材が求められます。また、業務用および家庭用のLED光学機器でも、自己発熱による火災リスクを最小限に抑えるために難燃性シリコーンゴムが使用されることが増えています。LED光学機器は発熱しやすく、火災のリスクを避けるために難燃性の素材が選ばれています。
まとめ
シリコーンゴムの難燃性は、特定の用途において非常に重要な特性であり、安全性向上に大きく貢献しています。シリコーンゴムは高い耐熱性を持ちますが、完全に燃えないわけではありません。しかし、難燃性シリコーンゴムは特別な添加剤を使用することで、燃えにくく、自己消火性を持たせることができます。これにより、自動車、航空機、LED光学機器などの火災リスクが懸念される分野での安全性が確保されます。
シリコーンゴムの使用目的や要求される難燃性に応じて、適切な規格の素材を選ぶことが、製品の信頼性と安全性を高める鍵となります。難燃性シリコーンゴムの選択は、使用環境や規格に合わせて行うべきであり、その性能と特性を理解した上で最適な素材を選ぶことが重要です。
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