ものづくりプレス

2024-10-11

ゴムの圧縮率の計算方法を徹底解説!耐性を向上させる方法

ゴムは、さまざまな産業や日常生活で広く使われている材料です。

その中でも、特にゴムの圧縮率は製品の機能や耐久性に大きく関わる重要な要素です。

圧縮率とは、ゴムが圧力を受けた際にどれだけ変形するかを表す割合で、ゴム製シール材やクッション材としての機能を最大限に発揮させるためには、適切な圧縮率を保つことが重要です。

本記事では、ゴムの圧縮率について詳しく解説していきます。

ゴムの圧縮率の計算方法を徹底解説!耐性を向上させる方法

ゴムの圧縮率とは

つぶし率(圧縮率)は、Oリングの線径に対してどれだけ圧縮されたかを示す値で、「圧縮率=つぶし代÷Oリングの線径×100」で計算されます。

これにより、Oリングにかかる負荷を判断できます。

適正なつぶし率は10〜30%で、40%を超えるとOリングが破損する可能性があります。

Oリングの密封機能は、圧縮によるゴムの弾性に依存しているため、つぶし代やつぶし率はシール性能に大きな影響を与える要素です。

ゴムの圧縮率の計算方法

Oリングのつぶし率の計算式は以下の通りです。


つぶし率 [%] = (δ / W) × 100

W:Oリングの線径(mm)

δ:つぶし代(mm)


この式を使うことで、Oリングのつぶし率を簡単に求めることができます。

耐性を向上させる方法

・適切なつぶし率の設定

つぶし率が高すぎると、ゴムが圧縮割れを起こしやすくなります。

逆に、つぶし率が低すぎると、密封性能が不足する可能性があります。

適正なつぶし率を設定することが重要です。


・材料の選定

使用環境に適したゴム材料を選ぶことが耐久性向上に繋がります。

例えば、耐熱性が必要な場合はシリコーンゴムやフッ素ゴムを選ぶと良いでしょう。


・設計の工夫

ゴム部品の設計において、圧縮や引張りの負荷を均等に分散させるようにすることが重要です。

これにより、局所的なストレスが減少し、耐久性が向上します。


・ゴムの表面処理

ゴムの圧縮耐性を向上させるために、表面処理を施すことも有効です。

たとえば、シリコーンコーティングやフッ素コーティングを施すことで、ゴムの表面の耐摩耗性や耐熱性を向上させ、長期間にわたって圧縮性能を維持することが可能です。

これらのコーティングは、特に高温環境や化学薬品にさらされる場面で効果的です。


・環境要因の管理

ゴムは温度や湿度、化学物質などの環境要因によって劣化が進行します。

特に高温環境ではゴムの劣化が加速し、圧縮永久歪みが発生しやすくなります。

これを防ぐためには、ゴム製品が使用される環境の温度や湿度を適切に管理し、極端な条件下での使用を避けることが重要です。

また、必要に応じて耐熱性のあるゴム素材を選定することで、圧縮耐性を高めることができます。


・定期的なメンテナンス

ゴム製品の定期的な点検とメンテナンスを行うことで、早期に劣化や損傷を発見し、適切な対策を講じることができます。

ゴムの圧縮率は製品の性能や寿命に大きな影響を与える要素です。

適切なつぶし率の設定や素材選び、メンテナンスを通じて、ゴム製品の耐久性を最大限に引き出すことができます。

使用環境に応じた対応を行い、信頼性の高い製品づくりを目指しましょう。

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