ものづくりプレス

2024-12-16

NC旋盤とは?

NC旋盤は、旋盤にNC(数値制御)装置を組み合わせた工作機械です。旋盤自体は、回転する台に加工物を取り付け、刃物を押し当てて削る機械で、古くから金属加工に利用されてきました。NC旋盤では、この加工プロセスがコンピュータによって制御され、自動化されています。自動車のシャフトやスマートフォン用の精密部品の加工など、複雑な形状や高精度が求められる多様な部品の製造に広く使用されています。NC旋盤は、素材の回転だけでなく、工具の移動や交換も全てコンピュータ制御で行われるため、24時間稼働が可能で、生産性を大きく向上させる機械として現場で重宝されています。


NC旋盤とは?

NCとは

NCは「数値制御(Numerical Control)」を指し、NC旋盤をはじめとするNC工作機械で使用される制御システムの名称です。NC装置に加工プログラムをあらかじめ入力することで、機械が自動で指示通りの動きを行い、高精度な加工が可能になります。これにより、同一の製品を高精度で大量生産することができるため、特に多品種大量生産を行う製造現場にとって不可欠な装置です。NCの導入によって加工の均一性が向上し、製造業全般での製品品質向上とコスト削減に寄与しています。


旋盤とは

旋盤は、工作機械の一つで、素材を回転させながら切削加工するための装置です。旋盤の歴史は古く、金属や木材などの素材を精密に加工するために使われてきました。自動車産業や医療機器製造など、多くの分野で、旋盤は製品の精度と品質を確保するために重要な役割を果たしています。旋盤の原理はシンプルですが、これにNC装置を追加することで複雑な形状の加工や高度な精度が可能になり、機械工学の中核を担う技術の一つです。NC旋盤は、一般的な旋盤と比較して、精密な制御が可能で、作業者の負担を軽減しつつ生産効率を向上させています。


NC旋盤で何ができるのか

NC旋盤は、従来の手動旋盤と異なり、プログラムされた指示に従って自動で動作するため、短時間で高精度な加工が可能です。従来の手動旋盤では、作業者の熟練度により加工精度が左右され、0.01mm以下の精度を維持しつつ同じ製品を大量生産するのは非常に困難でした。しかし、NC旋盤の導入により、加工精度のばらつきや仕上げのムラが解消され、安定した品質で製品を大量生産することが可能となりました。また、NC旋盤は複数の機械を一人で操作できるため、生産性が向上し、人件費削減にも寄与します。さらに、NC旋盤は人手での加工が難しい複雑な曲面や特殊な形状にも対応できるため、より高度な設計を実現できる点でもメリットがあります。


安全性の向上

NC旋盤の導入により、作業の安全性も大幅に改善されました。従来の手作業による旋盤加工では、作業者が金属の切りくずで手を切る、粉塵を吸い込む、回転部に巻き込まれるなどのリスクが伴いました。NC旋盤はコンピュータによる制御が主体であるため、作業者が直接旋盤に触れる必要がなく、事故のリスクが低減します。また、加工が自動で行われることで、安全性を保ちながら効率的に製品を加工することが可能です。これにより、NC旋盤は製造現場で欠かせない存在となり、作業者の負担を軽減しつつ、安全性と生産性を高めています。