ものづくりプレス
2024-11-13
ゴム企業 インドへの市場拡大が相次ぐ理由とは
近年、ゴム企業がインド事業を拡大するため、生産拠点の新設や工場の増設に乗り出しています。
現在、ゴム部品のほとんどはタイヤ(自動車メーカー)に使用されています。
自動車メーカーの国内市場規模は縮小傾向にあり、海外進出などの生産体制の見直しを行う必要があります。
そこで、インドに熱視線が向けられています。
インドが新たな市場として注目されている理由には、以下のようなものが挙げられます。
経済成長による需要の急増
インドは、急速な経済成長と人口増加により、自動車産業やタイヤ産業などゴム製品の需要が急増しています。
2022年には乗用車メーカーのほとんどがプラス成長を遂げ、2023年の新車販売台数は2年連続で日本を上回り、中国と米国に次ぐ世界3位を維持しています。
過去には中国が世界最大の自動車市場でしたが、中国市場における新車販売台数は2018年度から右肩下がりになっています。
また、同じく自動車産業の拠点として急成長していた東南アジアも、2023年以降は微減となっています。
このような背景から、2024年以降も需要増加の見込みが大きいインドに注目が集まっています。
安価な労働力と生産コストの削減
インドは豊富な労働力を持っており、他の国々に比べて人件費が安いことから、工場を運営するコストを削減できることも理由の一つです。
政府のインセンティブと政策支援
インド政府は、製造業を強化するために「Make in India」プログラムを推進しており、外国企業がインドに投資しやすい環境を整備しています。
税制優遇措置や規制緩和、土地の提供など、外資系企業の誘致に積極的であることが、ゴム企業の新設を後押ししています。
天然ゴムの安定供給
インドは、天然ゴムの生産量世界第4位にランクインしており、天然ゴムの供給に強みを持っています。
現地で工場を設立することで、原材料の安定供給が容易になり、生産コストを抑えた製造が可能になります。
また、近隣のゴム生産国(タイ、インドネシア、マレーシアなど)からの輸送コストも削減できます。
地理的な位置と輸出拠点
インドは、アジア・アフリカ・中東など広範な地域へのアクセスが容易な場所に位置しています。
インドを生産拠点として活用することで、これらの市場への輸出を強化することが可能です。
まとめと今後の展望
これらの要因から、ゴム企業がインドに工場を新設する動きが加速しています。
インドでは今後約30年間は人口ボーナスを享受できると予測されており、経済活動が順調に拡大していくことが見込まれています。
よって、自動車産業のさらなる成長が期待され、ゴム製品に対する需要も増加すると思われます。
ゴム企業にとって、インドは新たな成長市場であり、競争力を高める絶好の機会と言えます。
今後、インド市場でのさらなる活躍が期待される中、ゴム企業の戦略的な進出が産業全体に与える影響にも注目が集まります。
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