ものづくりプレス

2024-11-28

ゴムの白化現象とは?原因と対策を詳しく解説します

ゴム製品を使用していると、しばしば目にする「白化現象」。

これは、ブルーミングとも呼ばれ、製品の性能や見た目に影響を与えることがあります。

この記事では、この現象のメカニズムと、それに対する効果的な対策を探ります。

タイヤ 白い

ゴムが白化する原因

ゴムのブルーミング(ブルーム)とは、成形後に時間が経過することでゴムの表面に白い粉が吹いたような現象を指します。

この現象は、配合に必要な加硫時間がわずかに不足している場合や、材料の配合が適切でない場合に見られます。


表面に現れる粉状の物質は、加硫剤や加硫促進剤、老化防止剤などの添加物が、時間とともに表面ににじみ出てくるものです。

機能的には問題にならないことが多いですが、見た目の影響で外観に不良が生じることがあります。

また、この粉体が液体状になる現象は「ブリード(breed)」と呼ばれます。

白化現象(ブルーミング現象) の原因

白化現象の主な原因は、ゴムコンパウンドを製造する際に添加される老化防止剤(硫黄系化合物やアミン系化合物など)の相溶性が原料ゴムに対して低いことにあります。

しかし、実際には相溶性だけでは説明できない要因も多く、現時点では完全に理論的に解明されているわけではありません。



混練工程では、材料の温度が高いため、配合剤が容易に溶解し、ブルーミング現象はほとんど発生しません。

しかし、Oリングやパッキンなどのゴム製品に成形された後、常温に戻ると、溶けていた配合剤がゴムの表面に出てくることが多くなります。

また、加硫が不足している場合や、加硫直後に急激に冷却された際にもブルーミングが発生することがあります。

白化現象 (ブルーミング現象) の役割

一見悪影響に思えるブルーミングですが、不良ではなく、実際には重要な役割を果たしています。

ゴム材の劣化はその種類や環境によって大きく異なりますが、空気中の酸素やオゾン、紫外線などによっても進行します。

ブルーミングによって表面を覆われた配合剤は、これらの要因からゴム材を保護し、耐候性を向上させる効果があります。

さらに、表面の潤滑性を向上させる効果もあり、そのような効果を意図して配合剤をブルーミングさせた製品も存在します。


使用される配合剤は素材によって異なるため、ブルーミングの特性や含まれる物質もさまざまですが、前述の通りブルーミングはOリングの使用に悪影響を与えることはありません。

しかし、気になる場合は、アルコール類などを使って拭き取って除去することも可能です。

ゴムの白化を防ぐ方法

配合の見直し

シリコーンゴムの場合、配合を変更することはほぼありません(加硫剤や顔料を除く)。

一方、合成ゴムでは加硫剤や老化防止剤、ワックスなどがブルームの原因になることが多いため、これらの調整を行います。

ただし、加硫系の配合を変更すると、ゴムの特性が変わる可能性がある点に注意が必要です。


ゴム練り工程の見直し

ブルーミングの主要な要因となる工程を見直すことが重要です。

具体的には、配合剤の適切な量や投入の順序を確認します。


成形工程の見直し

成形における適正温度や加硫時間を再評価することも重要です。


保管環境の改善

高温多湿な環境での保管は避け、冷暗所での保管が望ましいです。

また、ビニールなどで密閉することは避けるべきです。


アルコールで拭き取ることでブルームを除去することも可能ですが、時間が経つと再発する可能性があります。


ブルームの原因を特定するのは難しいですが、まずはその材料が適切に加硫される材料であるかをキュラストメーターで確認する必要があります。

これにより、材料に異常があるのか、その他の要因が原因であるのかを判断する材料になります。

まとめ


いかがでしたか?

ゴムの白化現象は一見不良品のように思えるかもしれませんが、実際には多くの要因が関与し、場合によってはゴムの耐久性を高める役割を果たしています。

最適な対策を講じることで、ブルーミングをコントロールし、品質の高いゴム製品を維持することが可能です。

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