ものづくりプレス

2024-12-10

EPDMゴムの特性と用途 耐候性・耐熱性に優れた材質

edpmとは「エチレンプロピレンジエンゴム」の略であり、主に酸やアルカリに対する耐性が高く、長期間にわたる使用で劣化しにくいことが特徴です。

このゴムは、主鎖に二重結合を持たない特性から、極めて安定した分子構造を持っています。

具体的には、極低温下や高温下でも耐久性を保つため、例えば車両のウェザーストリップやホース類に採用されています。

これらの基本特性が、edpmが多様な用途に適している理由です。

この記事では、epdmゴムの特性や耐熱性、用途について紹介します。

ホース

epdmゴムの特長

epdm(エチレンプロピレンジエンゴム)は、特有の化学構造によって多様な優れた特性を備えたゴム素材です。

一般にはEPゴムとも呼ばれ、硫黄加硫による製造が可能で、耐熱性や耐老化性において顕著な性能を発揮します。


さらに、epdmは高い電気絶縁性能を持ち、高圧用ケーブルやコネクターといった電気関連のゴム部品にもよく使われています。

また、アルコールやエステル、硫酸などの無機酸やアルカリに対しても優れた耐性があり、化学的に厳しい環境下での利用にも適しています。


eodmのもう一つの重要な特性は耐オゾン性です。

屋外での長期間使用に耐え、オゾンによる劣化がほとんどないため、厳しい屋外環境でも頻繁に使用されます。


ただし、EPDMの耐油性は限られており、鉱物油やトルエンなどの有機溶剤に対する耐性は低いため、これらの化学物質と直接接触する可能性がある用途には不向きです。

特に油を扱う産業では、EPDMの使用に慎重を要します。


優れた耐熱性

EPDMの耐熱性は、加硫方法によって異なります。

硫黄加硫の場合、最高使用温度は約70℃ですが、過酸化物加硫を施したEPDMでは最高使用温度が150℃にまで向上します。

このため、過酸化物加硫されたEPDMは耐熱用途に適しており、多くの工業的な応用において重要な役割を果たしています。

epdmの用途

これらの特性を考慮すると、EPDMは以下のような用途で広く利用されています。


・自動車産業のゴム部品

・建築資材のゴム部品

・電気絶縁体

・防水シート

・シール材

・ホース

・防振ゴム


epdmの特性は、配合や製造過程によっても変化します。

例えば、充填材や可塑剤、架橋剤、加硫促進剤を変更することで、性能をカスタマイズすることが可能です。

耐熱性をさらに向上させるために過酸化物加硫を採用したり、特定の化学物質への耐性を高めるために特別な充填材を選択することもできます。

EPT・EPRとの違い

ept(エチレンプロピレンテルポリマー)は、epdmと同じくエチレンとプロピレンを主成分としていますが、epdmに比べて強度と耐熱性が高いのが特徴です。

eptは、ガス管、電線の被覆、オイルシール、自動車関連商品、医療機器などの分野で広く利用されています。


一方、epr(エチレンプロピレンゴム)もエチレンとプロピレンを主成分としていますが、ポリマー化に使用される触媒が異なります。

eprはepdmに比べて耐熱性が劣るものの、柔軟性や機械的強度が高く、電気絶縁性にも優れています。

eprは、ケーブルの絶縁材や電線の被覆材、シール材、自動車関連商品などに使用されています。

まとめ

epdm素材は、優れた耐候性と耐熱性を兼ね備えており、幅広い用途で活用されています。

この特性により、屋外での使用において劣化が少なく、長期間にわたって安定した性能を保つことができます。

また、柔軟性が高く、電気絶縁性にも優れているため、さまざまな産業分野での需要が高まっています。