ものづくりプレス

2024-12-09

静電気を防ぐ!帯電しにくいゴム製品の選び方と効果

現代の製造業や電子機器保護において、静電気対策は欠かせない要素です。その中でも、導電性ゴムは、静電気を効果的に防ぐ材料として広く利用されています。本記事では、導電性ゴムの特性、静電気対策での活用法、そして適切な製品を選ぶためのポイントを詳しく解説します。適切な導電性ゴムを選択することで、安全で信頼性の高い環境を実現しましょう。


静電気を防ぐ!帯電しにくいゴム製品の選び方と効果

静電気対策が可能な導電性ゴムとは?

導電性ゴムは、プラスチックやゴムなどの高分子材料に導電性を持たせるため、カーボンブラックなどの素材を混合したものです。この導電性ゴムの基本的な仕組みや特性について詳しく説明します。


カーボンブラックの役割
・特性: 黒い粉末状の炭素素材で、一定量以上混ぜると材料全体の電気抵抗が急激に減少します。この現象を利用して、静電気を逃がす仕組みが作られています。
・調整の重要性: カーボンブラックの含有量が多すぎると、材料が過度に導電性を持ち、安定性が損なわれる場合があります。そのため、適切なバランスで配合することが重要です。


主な特徴
・湿度の影響を受けにくい: 安定した導電性を保つため、さまざまな環境で使用可能です。
・欠点: 混合後は黒色で不透明となるため、透明性が求められる用途には適しません。また、表面の汚れやガス吸着などの課題があります。


応用例
・電子回路基板: 射出成形で製造された部品。
・保護ケース・袋: 静電気対策用の電子部品袋やケース。
・ICフォーム: 電子機器の輸送時に使用される保護材。


新たな工夫
・表面デザイン: 黒くなる問題を軽減するため、カーボンブラックをストライプや格子状に配置する技術が開発されています。これにより、全体の静電気を抑制しつつ、見た目の改善が図られています。


帯電防止性能を見極めるポイント

導電性ゴムの選定において重要なのが、帯電防止性能の確認です。性能評価の基準となる抵抗値と帯電減衰時間について詳しく説明します。


抵抗値
・基準: 電気の流れやすさを示す指標で、値が小さいほど帯電しにくくなります。
・例: 10の9乗~10の10乗Ω程度が一般的。


帯電減衰特性

・定義: 高電圧を加えた際、帯電電圧が減少するまでの時間を指します。
・目安: 減衰時間が短いほど、静電気の影響を軽減できます(例: 5000V→50Vが0.03秒)。


導電性ゴムの製品選びのガイド

用途に応じて、適切な導電性ゴム製品を選ぶためのポイントを以下にまとめます。


ホコリ対策
・抵抗値が10の12乗以下の袋を選択すると、静電気によるホコリの付着を防げます。


電子部品の帯電防止
・抵抗値が10の10乗以下の袋が理想的です。これにより、部品が静電気による影響を受けにくくなります。


引火対策
・静電気のスパークによる火災を防ぐには、抵抗値が10の10乗以下であることが推奨されます。


ESD(静電気放電)破損防止
・静電気放電に弱い電子機器には、抵抗値が10の4乗程度の製品が最適です。


静電気トラブルを防ぐための注意点

静電気対策の効果を最大化するためには、以下のポイントを意識してください。


環境管理
・導電性ゴムは環境の湿度や温度による影響が少ないですが、使用環境の清潔さも重要です。


定期的な点検
・長期間使用する場合、ゴムの摩耗や導電性の低下を防ぐため、定期的なチェックを行いましょう。


導電性ゴムで安全な環境を実現

導電性ゴムを適切に選び、使用することで、静電気による損傷やトラブルを効果的に防ぐことができます。本記事で紹介したポイントを参考に、最適な製品を選び、安全で信頼性の高い製品環境を構築しましょう。


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