ものづくりプレス

2024-12-11

ゴムの硬度測定に使えるデュロメーターの選び方と使い方

デュロメーター(ゴム硬度測定計)は、ゴムやエラストマー、プラスチック製品などの硬さを測定するために広く利用されています。この装置を使うことで、素材の特性を理解し、製品の品質管理や用途選定に役立てることが可能です。本記事では、デュロメーターの基本的な仕組みや測定方法、注意点について詳しく説明します。


ゴムの硬度測定に使えるデュロメーターの選び方と使い方

デュロメーター(ゴム硬度測定計)とは?

特徴と用途
デュロメーターは、素材の硬さを数値化する装置で、特にゴムやエラストマーのように弾力性のある材料の測定に適しています。硬さの測定は、素材が耐久性や変形特性を発揮する範囲を確認する上で重要です。たとえば、自動車のタイヤや消しゴム、医療用シリコン製品など、硬さが性能に直結する製品の設計や品質管理で欠かせません。


基本構造

デュロメーターは以下の部品から構成されています:
・押針(インデンター): 測定対象に押し付ける針。特定の形状を持つ。
・スプリング: 押針を一定の力で押し付ける役割を果たす。
・指示機構: 押込み深さに応じて硬さを数値で表示する部分。


押針を試料表面に押し付け、試料の変形に基づいて硬さが測定されます。


デュロメーターの種類と選び方

主なタイプ
硬さに応じて3つの主要なタイプがあります。これらは、用途や測定対象によって使い分けます。


タイプA:
用途: 中硬度のゴムやエラストマーに最適。
例: 車のタイヤ、消しゴムなど。


タイプD: 用途: 硬いゴムやプラスチックに適用。
例: ゴルフボールや硬質プラスチック製品。


タイプE:

用途: 非常に柔らかいゴムやシリコン製品向け。
例: 医療用シリコン、ゲル状の素材など。


タイプA硬度の例
タイプAを基準にした硬さの指標:
・A95:ゴルフボール
・A80:マウスのボール
・A70:車のタイヤ
・A30:柔らかい消しゴム


測定値の読み方と規格

デュロメーターの測定値は0~100ポイントで表され、押針の押込み深さに応じて決定されます。以下のような特徴があります:


・規格例: JIS K 6253(日本工業規格)
・単位: 測定値はポイントで表記され、単位を持ちません(例:タイプAデュロメーターで「50ポイント」)。
測定値は、規格ごとに異なる基準で算出されるため、対象物や用途に合った規格を選択することが重要です。


測定時の注意点

環境条件の管理
温度: 測定時の温度が高すぎたり低すぎたりすると、素材の柔軟性に影響を与えます。
湿度: 素材の吸湿性によって結果が変わる可能性があるため、一定の湿度条件を保つことが必要です。


試料の状態
表面: 凹凸や傷のない平滑な面が理想的です。
厚さ: タイプAデュロメーターを使用する場合、試料の厚さは6mm以上必要です。


測定位置
同一箇所での測定を繰り返すと、試料が圧縮され、測定値が低下します。そのため、6mm以上離れた箇所で測定を繰り返すのが望ましいです。


押しつけ速度
押しつける速さが速いと測定値が高くなり、遅いと低くなるため、速度を一定に保つことが重要です。


まとめ:デュロメーターを正しく活用するために

デュロメーターは、ゴムやプラスチックの硬さを定量的に測定するための必須ツールです。適切なタイプを選び、測定環境や方法を守ることで、製品の品質評価に役立てることができます。
素材の特性に基づいた選択と測定を行い、製品の性能や信頼性を向上させましょう。


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