ものづくりプレス

2025-01-05

3Dプリンターの造形サイズとは?最大・最小の出力サイズをご紹介!

3Dプリンターは、コンピューターで作成したデータを元に、素材を積み重ねて立体的な物を作り出す革新的な技術です。
これにより、模型や部品はもちろん、日常品や医療機器まで、さまざまなものを作ることが可能になりました。
さらに、3Dプリンターはその造形サイズに応じて、小さなものから大型の製品まで幅広い製造に対応しています。


この記事では、3Dプリンターの基本から、最大・最小の造形サイズについても紹介します。

3Dプリンター

3Dプリンターとは

3Dプリンターとは、3Dデータをもとに立体物を作成する装置のことです。
この装置は、3Dデータを薄くスライスして2次元の形状に分割し、それらを一層ずつ積み重ねることで、3Dデータ通りの立体物を形作ります。
通常のプリンターが紙にインクを使って平面上に文字や画像を印刷するのに対し、3Dプリンターはプラスチックや金属といった素材を積み上げて立体的な形状を作ります。


作業工程は、まずパソコンで3Dデータを作成し、それを3Dプリンタに転送します。
そのデータをもとに、プリンターが材料を一層ずつ積み上げていき、形状を完成させます。


この技術により、模型や部品はもちろん、日用品や医療用の義肢など、さまざまなものを製造することが可能です。
たとえば、おもちゃやスマートフォンケース、さらには医療用デバイスの製作にも活用されています。
現在では、3Dプリンタは加工手段の一つとして広く普及しており、ものづくりの現場に欠かせない存在となっています。

3Dプリンターの造形サイズとは

一般的な造形サイズは以下のとおりです。


小サイズ(S):10cm × 10cm × 10cm
中サイズ(M):20cm × 20cm × 20cm
大サイズ(L):30cm × 30cm × 30cm
特大サイズ(LL):30cm × 30cm × 30cm以上


※(縦 × 横 × 高さ)

3Dプリンターの最大造形サイズ

世界最大級の造形サイズに対応する3Dプリンターの一つが、CONCEPT LASER(GE ADDITIVE社)のXライン2000Rです。
このプリンターでは、横幅800mm、奥行き400mm、高さ500mmまでの大きな造形物を作ることが可能です。


ただし、このプリンターは非常に大きな設備を必要とし、ベースプレートを設置する際にはチェーンで吊るしてセットする必要があります。
そのため、扱いには専門的な知識が求められます。
また、造形サイズも1メートル未満に限られているため、現時点ではこの方式でさらに大きなものを造形するのは難しいようです。


このプリンターが採用しているパウダーベッド方式は、再現性や寸法精度が非常に高いのが特徴です。
しかし、一方で造形スピードやサイズに制限*があるのが課題です。


大きな造形物を作る技術としては、デポジション方式やインクジェット方式もありますが、これらは精度や強度に課題を抱えることがあります。
したがって、これらの課題を乗り越えるための技術革新が求められていると言えるでしょう。

3Dプリンターの最小造形サイズ

3Dプリンターで微細な形状を造形する際にも、最小サイズには限界があります。
特に金属を扱う3Dプリンティング技術では、造形可能な最小サイズは使用する技術により異なります。


例えば、パウダーベッド・電子ビーム方式(EB-PBF)の場合、φ0.8㎜の円柱形状が最小限の造形サイズとなっています。
一方で、パウダーベッド・レーザー方式(LB-PBF)では、φ0.2㎜とさらに微細な造形が可能です。


この最小サイズに関わる主な要因は、使用するレーザーのスポット径です。
現在一般的に販売されている3Dプリンターのレーザーのスポット径は、おおよそ80㎛(0.08㎜)で、この点が微細な造形における制限要素となります。
溶けた材料が熱の影響で広がり、溶融池(メルトプール)が予想以上に大きくなるため、最小サイズには限界が生じます。


技術的な限界を理解し、適切な設計を行うことが、微細な造形物を成功させるために重要です。

まとめ

いかがでしたか?
3Dプリンターは、これからのものづくりに欠かせない技術として、ますます進化を遂げています。
大きなサイズのものから、細かな微細形状まで、さまざまなニーズに対応できる点が魅力です。
今後もこの技術がどのように進化し、私たちの生活や仕事にどんな変化をもたらすのか、楽しみですね。


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