ものづくりプレス

2025-01-08

オイルシールで漏れが発生する!オイルシールに適した素材と、予防法をご紹介

オイルシールは機械の大事な部分を守る役割を果たしますが、使っているうちに漏れが発生することもありますよね。

せっかくのオイルシールが効果を発揮しないと、機械の性能低下や故障の原因に!

そんなトラブルを防ぐには、オイルシールに適した素材を選ぶことが重要です。


この記事では、オイルシールの漏れの原因や、素材選びのポイント、そして予防法をわかりやすく解説します。

トラブルを未然に防ぎたい方、必見です!

オイルシール

オイルシールとは

オイルシールって聞いたことありますか?

その名の通り、「オイル(油)をシール(封じる)」する役割を持つ部品のことです。

具体的には、機械の回転する軸と外側のケースの間をしっかり密閉して、オイル漏れを防ぐために使われています。

言ってみれば、オイル漏れを防ぐためのパッキンの一種です。


さらに、オイルシールはオイル漏れを防ぐだけではなく、外からホコリやゴミなどの異物が機械内部に入るのも防いでくれます。

この2つの役割があることで、機械の性能を保つうえで欠かせない存在なんです。


例えば、自動車ではエンジン周りのクランク軸やメタル軸受など、回転する部分とケースの間のオイル漏れを防ぐのに大活躍しています。

こんなふうに、見えないところでしっかりと働いてくれるのがオイルシールなんです!

オイルシールの素材

オイルシールの材質にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や適した用途があります。

中でも、ニトリルゴム(NBR)は最も一般的で、オイルシール全体の80%以上を占めると言われています。

その理由は、耐熱性・耐寒性・摩耗性のバランスが良く、多用途に使えることです。


しかし、用途によっては他の材質を選ぶことも重要です。

以下に材質ごとの特徴と適した条件をまとめてみました。


主なゴム材質と特徴

ニトリルゴム(NBR)

使用温度:-30℃~100℃

耐熱性・耐寒性・摩耗性のバランスが良く、多くの場面で使用される定番素材。


水素化ニトリルゴム(HNBR)

使用温度:-30℃~140℃

ニトリルゴムよりも耐熱性・耐摩耗性に優れており、過酷な条件でも対応可能。


アクリルゴム(ACM)

使用温度:-20℃~150℃

高い耐熱性が特徴で、ニトリルゴムでは対応しきれない高温環境に適しています。


シリコーンゴム(VMQ)

使用温度:-50℃~170℃ 耐寒性と広い温度範囲での使用が可能。

耐候性にも優れているため、厳しい環境下でも安心。


フッ素ゴム(FKM)

使用温度:-20℃~180℃

高い耐熱性に加え、優れた耐油性・耐薬品性を持ち、特に高性能が求められる場面に最適。


使用条件別におすすめの材質

耐油性が必要

水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム 耐熱性が必要 水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム

耐寒性が必要

シリコーンゴム

耐薬品性が必要

フッ素ゴム、パーフロロゴム(FFKM)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)



その他の材質

これら以外にも、エチレンプロピレンゴム(EPDM)やブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などがあります。

それぞれの特徴を理解して、用途に合った材質を選ぶことで、漏れやトラブルを未然に防ぐことができます。



ポイントは、使用環境に合った材質をしっかり選ぶこと!

オイルシールの適材適所を見極めて、性能を最大限引き出しましょう。

まとめ

いかがでしたか?

オイルシールの選び方一つで、機械の性能や寿命がぐんと変わるんです。

だからこそ、使用環境にピッタリ合った材質を選ぶことがとても大事!

今回の記事が少しでもお役に立てたならうれしいです。

「どの材質が自分の用途に合っているのか迷ってしまう…」というときは、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考にしてみてくださいね。

オイル漏れやトラブルを未然に防いで、大切な機械を長く使い続けましょう!


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