ものづくりプレス

2025-02-13

ナノテクノロジーゴムの最前線:粘着・接着技術への革新

私たちの身の回りには、ナノテクノロジーが活躍する最先端の素材がどんどん増えています。

その中でも、特に注目を集めているのがゴムや接着技術の分野です。

タイヤメーカーが開発したエネルギー効率を高めるナノ構造のゴム、そして動物の足にヒントを得た画期的な接着テープなど、驚きの技術が次々と生まれています。

このような技術が私たちの日常をどのように変えていくのか、今回はそんな最前線のナノテク素材についてご紹介します!

ヤモリが葉っぱにくっついている画像です

ナノ技術でタイヤ性能を大幅向上

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトの一環として、株式会社ブリヂストンが画期的なナノ構造設計技術を開発しました。

この研究では、車のタイヤに使われるゴムの材料、例えばポリマーや充填剤といった原材料をナノレベルで細かく調整しました。

その結果、従来の低燃費タイヤ用ゴムに比べて、エネルギーロスを40%以上減らし、さらに耐摩耗性能を25%以上アップさせることに成功しました。


この技術から得られた成果は、ブリヂストンの独自の材料技術「ナノプロ・テック」と組み合わせ、今後さらに性能が高いタイヤの開発に役立てられます。

具体的には、現在販売されている低燃費タイヤ(転がり抵抗がAA~AAA相当のもの)よりも転がり抵抗を20%も低くするタイヤを目指しています。

これからのタイヤは、もっとエコで長持ちするようになりますね。

東洋ゴムの低燃費タイヤ開発

東洋ゴム工業株式会社(大阪市、本社、社長:中倉健二)は、タイヤが止まるときに発生するエネルギーロスを減らすため、「Nano Balance Technology(ナノバランステクノロジー)」という新しい技術を開発しました。

この技術は、ゴム材料を細かく分析して設計・加工するための独自の方法です。

ゴム材料を「分析」「解析」「素材設計」「加工」の4つのステップで横断的に統合し、低燃費タイヤ「NANOENERGY(ナノエナジー)」の環境性能グレード「AAA-b」の実現に役立ちました。

具体的には、ナノレベルでゴムの内部を観察・検証し、シリカをうまく分散させてエネルギーロスを抑える技術を確立しました。

さらに、温度をコントロールしながらゴムを加工することで、より高性能なタイヤを生み出しています。

この技術により、転がり抵抗が低くなるだけでなく、環境に優しいタイヤの実現にも一歩近づきました。

何度でも使える強力接着 ヤモリテープ

日東電工が開発した「ヤモリテープ」は、超小さなカーボン・ナノチューブ(直径が数ナノ~数十ナノメートル)を1平方センチメートルに100億本もぎっしり並べた特別なテープです。

この構造のおかげで、せん断方向への接着力が非常に高く、たった1平方センチメートルのテープで500グラムの重さを支えることができます。


この接着力は、ヤモリの足の接着力の約8割ほどですが、実用的な接着テープとしては十分な性能を持っています。

そして、驚くべきことに、剥がすときは簡単にめくれるので、従来の粘着テープのように粘着剤が残る心配がありません。

さらに、このテープは繰り返し使えるのも大きなポイントです。

便利で環境にも優しい「ヤモリテープ」、これからいろいろな場面で活躍しそうですね。

まとめ

いかがでしたか?

ナノテクノロジーがもたらす加工技術は、私たちの日常に大きな変化をもたらそうとしています。

タイヤの性能を大幅に向上させるゴムの技術や、何度でも使える便利な接着テープなど、未来を感じさせる技術が次々と登場していますね。

これらの技術は、環境にも優しく、私たちの暮らしをより快適で持続可能なものにしてくれるはずです。

ナノの力で広がる可能性に、これからも目が離せません!

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