ものづくりプレス

2025-03-12

新素材「バイオゴム」の特性と可能性を徹底解説

みなさん、車のタイヤやエンジン周りに使われるゴム製品が、実は環境に大きな影響を与えているってご存知でしたか?

タイヤに使われるゴムには、天然ゴムと石油を使って作られる合成ゴムがありますが、合成ゴムを作るには大量の石油が必要なんです。

これがCO2排出や環境負荷の原因になっていました。

そんな中、バイオマスを原料にした合成ゴムが注目されています。

もしこれが普及すれば、石油を使わずに環境に優しいタイヤの実現が可能になります。

実際に日本の研究チームが開発に挑み、2019年にはついに石油由来と同等の性能を持つ「バイオゴム」が誕生しました。


本記事では、そんなバイオゴムについて紹介していきます。

バイオゴム

ゴムの材料とは


ゴム材料は、さまざまな成分で作られています。

例えば、ポリマーやカーボンブラックなどの補強材、柔らかさを調整する可塑剤(軟化剤)、劣化を防ぐ老化防止剤、加硫剤やその促進剤、さらには加工を助ける助剤などです。

ですが、これらの多くは石油を原料としています。

そのため、環境への配慮から、バイオマス素材を使った代替品への切り替えが求められるようになってきています。

バイオマスからタイヤ用の合成ゴムを作る


自動車のタイヤに使われるゴムには、天然ゴムと合成ゴムがあります。

今では両者がほぼ半分ずつ使われているのですが、合成ゴムを作るには石油由来の「ブタジエン」という物質が必要です。

つまり、石油をたくさん使わなければならず、環境への負担も大きいという問題があります。


もしバイオマスから合成ゴムが作れるようになれば、世界中のタイヤの半分を石油を使わず、さらにCO2を排出しないゴムで作れるようになります。

そう考えると、これには非常に大きな可能性があります。

この研究は、2016年から「バイオエタノールから高効率でブタジエンを作る触媒を開発する」という挑戦がスタートしました。

タイヤに使えるバイオゴムがついに完成!


2019年、新しい触媒を使ってバイオエタノールから効率よくブタジエンを作り、そのブタジエンでゴムを合成することに成功しました。


ただ、材料は形ができたからといって完成ではありません。

従来の石油由来の合成ゴムと同等か、それ以上の性能があると証明できなければ、実際の製品には使えません。


実験室ではせいぜい数グラムの触媒を使って少量のブタジエンを合成しますが、実用化するには500グラムや1キログラムといった大量合成でも同じ性能が出るか確認しなければなりません。

そして、そのブタジエンから作るゴムが、タイヤに使えるほどの強度を持っているかも重要なポイントです。


壁にぶつかりながらも試行錯誤の結果、ついに適切な精製法と保存条件を見つけることができました。

そして、2019年7月、石油由来の合成ゴムと同等の性能を持つバイオゴムが完成しました。

トヨタ、バイオ合成ゴムを世界初採用


トヨタ自動車は、エンジンや駆動系ホースのように高い耐油性や耐熱性が求められる特殊ゴム製部品に、バイオ合成ゴムを世界で初めて採用しました。

2016年5月から、国内生産車種の「バキュームセンシングホース」に順次使用を開始し、年内には国内で生産されるすべての車種に採用される予定です。

さらに、今後はブレーキ系ホースや燃料系ホースなど、他の特殊ゴム部品にも採用を広げていく計画です。

まとめ


バイオマスから生まれた新素材「バイオゴム」について解説しましたが、いかがでしたか?

求められるゴム特性を維持しながら、石油由来の成分をバイオマス素材に置き換えることができれば、より環境に優しく持続可能な未来を目指せます。

石油に頼らないタイヤや部品が広がれば、私たちの暮らしももっと地球に優しいものになっていくでしょう。

未来を支える新素材が、どんどん現実のものになっていくこの流れから、これからも目が離せませんね!