ものづくりプレス

2025-03-13

ゴム部品の摩耗対策!選び方とメンテナンス方法を紹介

ゴム製品を長持ちさせるためには、摩耗の種類を理解し、適切な部品選びと定期的なメンテナンスが欠かせません。

摩耗にはいくつかのタイプがあり、それぞれの特徴に合わせた対策を取ることが重要です。

また、耐摩耗性に優れたゴムを選ぶことで、部品の寿命を延ばすことができます。

さらに、適切なメンテナンスをすることで、ゴムの劣化を防ぎ、摩耗に強い状態を保つことができます。


本記事では、ゴムの摩耗やメンテナンス方法についてご紹介します。

摩耗したゴム

ゴム摩耗の種類


摩耗には主に6つのタイプがあります。

以下にそれぞれの特徴を簡単に説明します。


凝着摩耗

触れている部分が強くくっつき、材料の方が弱いために引きちぎられてしまうタイプ。


アブレシブ摩耗

相手の表面にある突起で引っかかれたり削られたりして、材料が削れていくタイプ。


疲労摩耗

材料が繰り返しの力で劣化し、ポロポロと剥がれ落ちるタイプ。


化学摩耗(腐食摩耗・酸化摩耗)

機械的な力と化学反応が合わさって材料が削られていくタイプ。


腐食摩耗

金属表面に弱い酸化層ができ、それが削られてまた新しい酸化層ができる、という繰り返しで摩耗が進むもの。


酸化摩耗

摩耗面が酸化して劣化し、削られやすくなるもの。

機械的な力で酸化が進むため、悪循環が起きやすいのが特徴です。

摩耗対策の考え方


ほとんどの場合、これらの摩耗タイプは同時に起こりますが、メインで進行しているものを特定することが重要です。

その上で適切な対策をとることがポイントになります。


ゴム摩耗は複雑に見えますが、それぞれの原因に合わせた対策をとることで、より良い結果が得られます!

耐摩耗性に優れたゴム素材について


耐摩耗性、つまり機械的な強度が高いゴムには、ウレタンゴム、天然ゴム、H-NBRといった種類があります。

それぞれ特徴があり、用途に応じて使い分けられています。


ウレタンゴム

ウレタンゴムは耐摩耗性、耐候性が高く、さらに反発力が抜群です。

耐油性も優れているため、パッキンとしても活躍します。

ウレタンゴムにはエーテル系とエステル系があり、次のような特徴があります。


エーテル系

耐摩耗性は少し劣るものの、水と反応して劣化する「加水分解」が起きません。

エステル系

耐摩耗性は優れていますが、水分による加水分解が発生しやすいという弱点があります。


天然ゴム

天然ゴムは耐摩耗性と反発力が非常に高く、靴底やホース、ベルトなどによく使われます。

ただし、耐油性や耐熱性には弱いため、パッキン用途にはあまり適していません。


H-NBR(ハイドロジェン化NBR)

H-NBRは、NBR(ニトリルゴム)に水素を加えることで強化された素材です。

耐油性、耐熱性、耐候性、そして耐摩耗性に優れており、幅広い環境で使用できます。

唯一の弱点は耐寒性で、さらに価格が高めであるため採用にはコスト面の考慮が必要です。


「耐摩耗性が高い」と一口に言っても、ゴム素材にはそれぞれ異なる特性があります。

用途に合わせて最適な素材のゴム部品を選ぶことで、性能を最大限に引き出すことができます。

ゴム製品を長持ちさせるためのメンテナンス方法


清潔を保つための洗浄方法

ゴム製品をきれいに保つには、定期的な洗浄が大切です。

例えば、ゴム製のキッチンマットなら、水に中性洗剤を加え、柔らかいスポンジや布で優しくこすり洗いするだけで十分です。

もししつこい汚れがあれば、ゴム専用のクリーナーを使うと効果的です。


乾燥と油分補給でしっかり保護

ゴム製品を長持ちさせるには、乾燥や油分を補うケアが必要です。

定期的にシリコンスプレーを使って適度な油分を与えると、ゴムの劣化を防ぎます。


ポイントは「優しくケアすること」!

ゴム製品を適切にメンテナンスすれば、長く快適に使えますよ。

まとめ


いかがでしたか?

ゴム製品の摩耗を理解し、適切な部品選びやメンテナンスを行うことで、製品の寿命を大幅に延ばすことができます。

摩耗の種類に合わせた対策を取ることで、パフォーマンスを最大限に引き出し、ゴム製品をより長持ちさせることが可能です。

日々の簡単なケアが、製品の状態を良好に保ち、快適に使い続けるための鍵となります。