ものづくりプレス
2025-03-24
配管システムの進化!ジョイントの役割と選択基準を解説
配管システムにおいて、部材同士をしっかりと繋げる役割を果たす「ジョイント」や「継手」は、非常に重要な部品です。
これらの部品は、建物の耐久性や強度、美観に大きな影響を与えるため、慎重に選ぶ必要があります。
ジョイントや継手の選び方には、使用する流体の種類や温度、環境に適した材料を選定することが求められます。
この記事では、ジョイントや継手の種類や、それぞれに適した材料・選択基準について詳しく解説していきます。
配管システムを作る上で、最適なジョイントを選ぶことが、長期的な耐久性や安全性を保つ鍵となります。
ジョイントとは
ジョイントとは、建設業界で部材同士を繋げるための部品や接合方法を指す言葉です。
英語では「joint」と表記され、「接続」や「継ぎ目」という意味で使用されます。
ジョイントにはさまざまなタイプがあり、それぞれに特有の性質と使用目的があります。
適切なジョイントの選択は、建物の強度や耐久性、美観に大きな影響を及ぼすため、非常に重要です。
ジョイントの種類
ウエットジョイント
ウエットジョイントは、接着剤やモルタルといった柔軟な材料を使って部材を接合する方法です。
ドライジョイント
ドライジョイントは、モルタルやコンクリートを使わず、ボルトで締めたり溶接を行って部材を接続する方法です。
エキスパンションジョイント
エキスパンションジョイントは、大型の建物の外壁や屋内廊下などに設けられ、建物が熱膨張や収縮を繰り返すことで生じるひび割れを防ぐ役割を果たします。
継手に使用される材料
塩ビ
塩ビ(ポリ塩化ビニール、PVC)は、強度が高く成形しやすく、価格も手頃であるため、継手をはじめ、現場で使われる多くの道具に利用されています。
硬質ポリ塩化ビニールが継手に使われ、主に水道や給排水に使用され、常温から約60℃までの流体に適しています。
ただし、溶剤には弱いため、耐熱性のある加工が施されたものやステンレスなど他の素材を使った継手を選ぶことが推奨されます。
ステンレス
ステンレスは優れた耐食性と強度を持つため、継手や配管に広く使われています。 建築、プラント、科学設備、食品、油、染色などの配管に用いられます。
特に、SCS13(SUS304相当)のステンレスは原子炉にも使用されるほどの耐久性を誇ります。
可鍛鋳鉄
可鍛鋳鉄は、鋳鉄を溶かして急冷後に焼鈍することで強化された素材です。
黒心可鍛鋳鉄は普通の鋳鉄よりも強度が高く、ガスや高温蒸気、油などの流体の移送に適しています。
また、耐腐食性が高いため、黒心可鍛鋳鉄にめっき加工を施したものは、錆びにくく耐久性の高い継手としておすすめです。
砲金/青銅
砲金(青銅)は、銅と錫の合金であり、強度と耐久性に優れています。
鉄よりも錆びにくいため、冷温水や給湯、さらには海水など腐食性の高い流体にも使用可能です。
銅管
銅管を使った継手は、耐食性や凍結耐性に優れており、給排水、給湯、冷却水などの移送に広く利用されています。
また、柔軟性が高いため、電気工事の際の配管にもよく使用されます。
真鍮(黄銅)
真鍮(黄銅)は、銅と亜鉛の合金で、5円玉にも使われている素材です。
特に水回りの配管に多く使用され、トイレの配管などに適した特徴を持っています。
白継手
白継手は、溶融亜鉛メッキ加工が施された継手で、有害な物質を使用していないため、安全性が高いです。
中水や工業用水、冷温水、冷却水、消火用水、ガス、空気、油の配管に使用されます。
溶融亜鉛メッキは、亜鉛を高温で溶かし、継手を浸して防錆・防腐効果を提供します。
黒継手
黒継手は、黒心可鍛鋳鉄で作られ、鋳造後に余計な部分を除去する「鋳放し」処理が施されています。
表面処理はされていませんが、冷温水や冷却水、消火用水、蒸気、ガス、空気、油などに適しています。
エポキシ樹脂コーティング
エポキシ樹脂でコーティングされた継手は、40℃以下の流体で使用可能です。
主に中水、工業用水、冷温水、冷却水、消火用水の配管に使用されます。
まとめ
ジョイントや継手は、配管システムにおける重要なパーツであり、その選択がシステム全体の性能や安全性に大きく関わります。
選ぶ際には、使用環境や流体の特性に合った素材やタイプをしっかりと見極めることが大切です。
今回ご紹介した内容が、ジョイントや継手の選び方にお役立ちいただけたなら嬉しいです。
適切な選択で、安心・安全な配管システムを作りましょう!
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