ものづくりプレス

2025-04-11

ゴムの品質管理と工程能力(CPK)の重要性

ゴム製品の品質管理は、製品の安定した品質を保つために非常に重要です。

世界中で認められた規格や基準に従い、製造工程や原材料の品質を管理することで、安全で信頼できる製品が作られます。

例えば、ISO 9001やISO 14001といった国際的な標準が広く使用されており、自動車産業や医療機器など特定の業界では、さらに厳しい基準が設けられています。

品質管理には、原材料のチェックから製品の試験、履歴の追跡まで多くのステップがありますが、その一つに「CPK(工程能力指数)」という指標があります。

CPKは、製品が規格内に収まっているかを示す重要な数値で、これを活用することで品質管理を効率的に行うことができます。


この記事では、ゴム製品の品質管理とCPKについて詳しく解説します。

品質管理

ゴムの品質管理

ゴム製品の品質管理には、世界的に認められた規格や標準がいくつかあります。

例えば、ISO(国際標準化機構)では、製品の品質や環境への配慮を求める「ISO 9001」や「ISO 14001」などがあります。

これらの規格は、製造全体においてしっかりとした基準を設けて、製品の品質を守っています。


また、自動車業界や医療分野など、特定の業界に合わせた規格もあり、例えば自動車産業では「ISO/TS 16949」、医療機器では「ISO 13485」が使われています。

これらは、製品が安全で信頼できることを保証するための重要な基準です。


ゴムの品質管理のステップ

ゴム製品の品質管理は、いくつかのステップを経て行われます。


まずは、原材料をチェックして品質を確認し、製造中も温度や圧力などを監視し続けます。

完成した製品に対しては、引張強度や耐久性などを試験して、規格に合っているかを確認します。

そして、万が一問題があった場合に備えて、製品の履歴を追跡できるようにしています。


このように品質管理を行うことで、より高い品質を維持し、企業の競争力を高めています。

工程能力(CPK)とは

CPK(工程能力指数)とは、製品の品質が規格の範囲内に収まっているかを示す数値で、特に規格の上限と下限からのズレを考慮しています。

つまり、製品の平均値が規格の範囲にどれだけ近いかを評価する指標です。


CPKの計算方法

CPKは、規格の上限と下限に対してそれぞれ計算します。

計算方法は、まず規格の上限と下限から平均値を引き、その結果を標準偏差で割ります。


上限値の場合:規格の上限値 − 平均値 ÷ 標準偏差

下限値の場合:平均値 − 規格の下限値 ÷ 標準偏差


この2つのCPK値を計算し、その中で小さい方を採用します。

CPK値が1.33以上なら、品質が十分に安定しているとされています。


つまり、CPK値が高いほど、製品が規格に近く、品質が良いということです。


CPK(工程能力指数)はどんな場所で使われる?

CPK(工程能力指数)は、いろんな場所で活用されています。

特に量産工程では、ほとんどどこでも使われていると言っても過言ではないでしょう。


CPKを使うのは、主に「その工程の品質が規格にどれくらい収まっているか」を知りたいときです。

例えば、「製品のばらつきが規格の範囲内に収まっていないとクレームになる」といった場合に活用します。


具体的には、自動車部品や機械部品、電化製品のような量産品の品質管理や、ジュースやお米、お菓子などの内容量の品質管理で使われます。

こうした場合、CPKを使って工程を管理し、品質を適切にコントロールします。


CPKを使うメリット

CPKを使うと、いくつかの良いことがあります。

例えば、

・データをもとに、全数検査を減らしても自信を持って品質が安定していると確認できる

・過剰品質を減らして、加工時間を短縮するための改善策が見つかる

・全数検査を行う前に不具合を発見できるので、無駄が減る


これまで「経験や勘」を頼りにしていたものづくりを、データを使って統計的に改善できるようになるのです。

特に中小企業が大企業に対抗するためには、データを使った説明が強力な武器になります。

まとめ

いかがでしたか?

ゴム製品の品質管理は、ただ単に規格に合った製品を作るだけでなく、製造工程の改善や効率化にもつながります。

CPKを活用することで、品質の安定性を数値で確認でき、より高いレベルの品質を目指すことができます。

データに基づいた管理は、無駄を減らし、企業の競争力を高める大きな力となります。

今後も技術の進化に伴い、品質管理はますます重要になっていくでしょう。

私たちもこの知識を活用し、より良い製品作りに貢献していきましょう。