ものづくりプレス
2025-04-15
ゴム加工の基本技術とその応用分野
ゴム加工ってどんなもの?
ゴムは自動車や医療機器、電子機器、建築など、さまざまな分野で活躍しています。
例えば、車の タイヤや防振ゴム、スマホの キーパッドや防水シール、ビルの 免震ゴムなど、身近なところでもたくさん使われていますよね。
こうした 応用分野に合わせて、ゴムはさまざまな加工が施されます。
ゴム加工には、大きく分けて 切削加工、成形加工、ライニング加工の3つの方法があります。
切削加工は 少量生産や試作品に向いており、成形加工は 大量生産向け。
ライニング加工は タンクや配管を保護するために使用されます。
ゴムは、その 基本技術によって特性を調整できる、とても奥深い素材です。
今回は、そんなゴム加工の種類と特徴について、わかりやすく解説していきます!
ゴム加工の種類
ゴムの加工方法には、大きく分けて 「切削加工」「成型加工」「接着(ライニング)加工」の3つがあります。
以下で代表的な3つの加工法について解説します。
ゴム加工の種類と特徴
切削加工
切削加工とは、ゴムの塊やシートを刃物や切削工具で削って形を作る方法です。
少ない数でも手軽に作れるため、試作品や小ロット生産に向いています。
また、切削加工にもさまざまな種類があり、それぞれ特徴があります。
旋盤加工
ゴムを回転させながら削る方法。
円柱状のものを作るのに適している。
フライス加工
回転する工具を使って削る方法。
平面や角のある形状を作るのに便利。
ろくろ加工
陶芸のろくろのように回転させながら削る方法。
丸い形を作るのに向いている。
打ち抜き加工
クッキーの型抜きのように、刃型を使ってゴムを切り取る方法。
ウォータージェット加工
水の力でゴムを切る方法。
熱を加えずにきれいに切れる。
スリッター加工
ゴムを細長くスリット状に切る方法。
シート状のゴムを細くカットするのに使う。
プロッタ加工
機械に形状データを入力し、自動で刃物を動かして切る方法。
精密な加工ができる。
研磨加工
切り取った後の断面を滑らかにするために磨く工程。
成形加工とは?
成形加工は、ゴムを金型(かた)に入れて熱と圧力を加え、形を作る方法です。
一度金型を作れば、同じ形のものを大量に作れるので、量産に向いています。
成形加工の種類
成形加工にもいくつか種類があり、それぞれ作れる形や特徴が異なります。
プレス成形
上下の金型で生ゴムを挟んでプレスする方法。
金型のコストが比較的安く、大量生産に向いている。
小さな製品や、橋脚ゴム・免震ゴムなどの大きなゴム製品に使われる。
トランスファー成形
ゴム材料を金型の上部にセットし、押し込んで成形する方法。
金属をゴムで包む加工(インサート成形)が可能。
複雑な形も作れるが、材料を入れる手間がかかるため、中量生産向き。
射出(インジェクション)成形
機械でゴムを加熱して溶かし、金型に注入する方法。
大量生産に最適で、小さな部品なら1回で20個ほど作れることもある。
ただし、設備が必要で金型コストも高め。
押出成形
ところてんのようにゴムを押し出して成形する方法。
ホースやチューブなどの長いゴム製品を作るのに向いている。
ライニング加工とは?
ゴムライニングとは、金属やコンクリートの表面にゴムを貼り付けて保護する加工 のことです。
特に 金属製の配管やタンク などに使われることが多く、摩耗や腐食を防ぐ役割があります。
ゴムライニングには さまざまなメリットがあります。
サビや腐食を防ぐ
酸やアルカリなどの強い薬品にも耐えられるので、タンクや配管の寿命を延ばせます。
摩耗や擦れに強い
ゴムは摩耗しにくいので、長時間使っても傷みにくくなります。
電気を通さない!
感電のリスクを防ぐことができ、安全性がアップします。
滑りにくくなる
床や通路に使うと、滑りにくくなり安心して歩けます。
振動や騒音を吸収
機械の振動をやわらげたり、音を小さくしたりする効果もあります。
このように、ゴムライニングは 設備を守るだけでなく、安全性や快適性も向上させる便利な加工方法です。
ゴム加工の応用分野
自動車産業
タイヤ: 耐摩耗性と弾性が求められるため、天然ゴムや合成ゴムが使用されます。
防振ゴム: エンジンやサスペンションの振動を吸収するために使用されます。
医療機器
医療用手袋: 衛生的で柔軟性が高いゴムが使用されます。
シール材: 医療機器の密閉性を保つために使用されます。
電子機器
キーパッド: 柔軟性と耐久性が求められるため、シリコーンゴムが使用されます。
防水シール: 電子機器の防水性を確保するために使用されます。
建築・土木 免震ゴム: 建物の振動を吸収し、地震時の揺れを軽減するために使用されます。
シール材: 建物の隙間を埋めるために使用されます。
まとめ
今回は、ゴム加工の 基本技術と、それが活かされる応用分野について紹介しましたが、いかがでしたか?
ゴム加工には 切削加工・成形加工・ライニング加工などの種類があり、それぞれに特徴があります。
そして、ゴムは 自動車・医療・電子機器・建築など、さまざまな分野で重要な役割を果たしています。
加工方法を理解することで、用途に合った最適なゴム製品を選べるようになりますね。
ゴム加工の世界はとても奥深く、今後も新しい技術が生まれていくでしょう。
これからも、さまざまな視点でゴムの可能性を探っていきましょう!
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