ものづくりプレス

2025-04-21

高機能樹脂の熱圧成形加工：強度と耐久性を兼ね備えた製品作り

樹脂加工の中でも、熱圧成形は「強度・耐久性」に優れた工法として注目されています。

プラスチックのシートを温めて柔らかくし、型にはめて圧力をかけ、そのまま冷やして形を作るシンプルな方法ですが、これによって素材の強度がアップし、耐久性の高い製品を作ることができます。


例えば、自動車の内装やバンパー、医療機器やスマートフォンのケースなど、私たちの身近な製品にも幅広く使われています。

さらに、木型を使用することでコストを抑えられるため、小ロット・中ロットの生産にもピッタリ！


この記事では、熱圧成形の加工工程や特長、活用される分野について、わかりやすくご紹介します。

樹脂

目次

  1. 熱圧成形の加工工程
  2. 熱圧成形の特長
  3. 熱圧成形の用途
  4. まとめ


熱圧成形の加工工程

加熱

プラスチックのシートを炉で温めて柔らかくします。


セット

柔らかくなったシートを型に載せます。


プレス＆冷却

上から圧力をかけ、そのまま冷やして形を固定します。


取り出し

冷えたら型が開き、成形品を取り出します。


仕上げ

形を整えるために不要な部分をカットします。 この流れで完成します。


熱圧成形の特長

立体的な一体成形ができる

トレイやお皿のような、ふちが立ち上がった形もOK！

真空成形のように、曲線のある立体的な形状も作れます。

※ただし、深く絞る成形には少し制限があります。


厚みが均一で仕上がりがきれい

真空成形はシートを引っ張るため、厚みにムラが出やすいですが、 熱圧成形ならシートを押し固めて成形するので、厚みが均一になります。


型の跡がつきにくく、透明素材にもぴったり！

圧力のかかり方を調整できるので、型の跡がつきにくく、 アクリルのような透明な素材でも美しく仕上がります。


素材の強度がアップ！

熱圧成形では、素材を温めて柔らかくし、型に入れて成形します。

その後、しっかり冷やして形を固定するのですが、この冷却時に“焼入れ”のような効果が生まれ、もとの素材よりも強度・耐久性が増します。


木型を使えてコストを抑えられる

熱圧成形では、一般的に安価な木型を使うことができるので、 小ロットから中ロットの生産にも適しています。


熱圧成形の用途

熱圧成形は、さまざまな分野で幅広く利用されています。

以下にいくつかの主要な用途を挙げます。


自動車産業

内装部品ダッシュボード、ドアパネル、シートクッションなどの内装部品に使用されます。


外装部品

バンパー、フェンダー、トランクライナーなどの外装部品にも適しています。


航空宇宙産業

軽量構造部品

機体の軽量化を図るために、強度と耐久性を兼ね備えた部品の製造に利用されます。


断熱

高温環境でも使用できる断熱材の製造に役立ちます。


医療技術

医療機器

カスタマイズされた医療インプラントや外科手術用の精密器具の製造に利用されます。


プロテーゼ

人工関節や義肢などの製造にも適しています。


電子機器

ハウジング

スマートフォンやタブレットの外装ケースの製造に使用されます。


内部構造部品

電子機器内部の構造部品やコネクタの製造にも利用されます。


建築材料

断熱パネル

建物の断熱性能を向上させるためのパネルの製造に使用されます。


装飾パネル

内装や外装の装飾パネルの製造にも適しています。


まとめ

熱圧成形についてご紹介しましたが、いかがでしたか？

熱圧成形は、強度・耐久性に優れた樹脂加工として、さまざまな分野で活用されています。

自動車や航空機の部品、医療機器、電子機器のハウジングなど、身近な製品にも多く使われており、その均一な仕上がりやコストの抑えやすさも大きな魅力です。

小ロット・中ロット生産を考えている方にとっては、安価な木型を活用できる点もメリット。

用途に応じた柔軟な対応が可能です。

熱圧成形で、より高品質な製品づくりを目指しませんか？

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