ものづくりプレス
2024-08-16
バイトンとフッ素ゴムの違いとは?
合成ゴムについて調べていると、バイトンとフッ素ゴムという言葉を目にすることがあります。
性質は似通っているようですが、そこにはいったいどんな違いがあるのでしょうか?
この記事では、バイトンとフッ素ゴムの違いとその性質について、詳しく説明していきます!
バイトンとフッ素ゴムは同じ素材?
フッ素ゴム、FKM、FPM、Viton®(バイトン)はいずれも異なる名称が使われていますが、同じ合成ゴム材料を指します。
ここでは、これらの名称の違いについて説明します。
◎FKM
FKMは、米国規格(ASTM)におけるフルオロエラストマーの略称で、FはFluoro(フッ素)、 Kはドイツ語で炭素を意味するKohlenstoff(コールンシュトフ)、Mは飽和骨格ゴムを示します。
◎FPM
FPMは、国際標準化機構(ISO)によるフッ素ゴムの登録規格名です。
◎Viton®(バイトン)
Viton®(バイトン)は、DuPont Performance Elastomers LLCの登録商標で、1958年に航空宇宙産業向けに開発され、その後広く普及したフッ素ゴムのブランド名です。
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フッ素ゴムの分類と特性
ここでは、バイトンを含んだこれらのフッ素ゴムが持つ性質について、詳しく説明していきます。
これらのフッ素ゴムは、化学組成やフッ素含有量、架橋メカニズムにより5つのクラスに分類されます。
フッ素含有量が高いほど、流体抵抗が増します。 また、フッ素ゴムは複数のモノマーから構成され、主に以下の6種類が使用されています。
・エチレン (E)
・ヘキサフルオロプロピレン (HFP)
・パーフルオロメチルビニルエーテル (PMVE)
・プロピレン (P)
・テトラフルオロエチレン (TFE)
・フッ化ビニリデン (VDF)
バイトンを含むフッ素ゴムは、極端な高温に対して非常に優れた耐性を持ち、473°F(225°C)以上の高温や、化学薬品、熱、油に耐えることができます。
このため、フッ素ゴムはOリングやシールの製造に広く利用されています。
また、モノマーの組成を調整することで、以下の特性を変えることが可能です。
・高温および低温での耐熱性の向上
・優れた耐油性および耐グリース性
・酸化、酸、燃料、化学薬品への優れた耐性
・極限環境に対する高い耐性
・低い圧縮永久歪み
・低いガス吸収率
ただし、メタノール、熱水(212°Fまたは100°C以上)、蒸気などの極性の高い流体に対しては、一般的に耐性が限られています。 また、低温(-22°Fまたは-30°C)には対応できない点も、この材料の主な欠点です。
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バイトンを含むフッ素ゴムは適した用途で使いましょう!
いかがでしたでしょうか。
バイトンはフッ素ゴムの一種であり、フッ素ゴムは優れた耐熱性を持つゴムであることがわかりました。
バイトンなどのフッ素ゴムに限らず、ゴム素材には様々な長所を短所を持ったものがあるため、ご自身の用途に合わせて最適な素材を選択することが重要です。
ゴムに関してのご相談は、ご気軽にお問い合わせください!
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