ものづくりプレス

2025-04-22

ゴムの熱可塑性加工:リサイクル技術を用いた環境対応製品

私たちの身の回りには、ゴムを使った製品がたくさんあります。

例えば、靴底や歯ブラシのグリップ、スポーツ用品、自動車の部品など、さまざまな場面で活躍しています。

その中でも、熱可塑性ゴム(TPE)は「温めるとやわらかく、冷やすと固まる」特性を持っているため、加工がしやすく、幅広い製品に使われています。


さらに最近では、ゴムのリサイクル技術も進化しており、環境にやさしい製品が次々と登場しています。

使い終わったゴムを新しい素材として再利用することで、廃棄物を減らしながら、よりサステナブルな社会を目指す取り組みが進んでいます。


この記事では、ゴム加工の技術や、リサイクルによって生まれる環境対応製品についてわかりやすく紹介します!

ゴムの熱可塑性加工

ゴムの熱可塑性加工

熱可塑性ゴム(TPE)は、温めるとやわらかくなり、冷やすとまた硬くなる性質を持つゴムです。

この特性を活かして、さまざまな製品が作られています。


熱可塑性ゴムの加工方法

射出成形

溶かしたゴムを金型に流し込んで、複雑な形の部品を作る方法です。


押出成形

ゴムを押し出しながらチューブやシート状にする方法で、ゴムホースやシール材などに使われます。


ブロー成形

溶けたゴムを膨らませて、中が空洞の製品(ボトルなど)を作る方法です。


熱可塑性エラストマーはどんな製品に使われている?

熱可塑性エラストマー(TPE)は、柔らかくて丈夫な素材として、身の回りのいろんな製品に使われています。

例えば…


日用品

歯ブラシのグリップや筆記具、カッターなどには、スチレン系のTPEがよく使われています。

また、ファッション製品やスポーツシューズには、ウレタン系のTPEが採用されることも。

これによって、柔軟性や耐久性がアップし、使いやすさが向上しています。


食器や赤ちゃん用品にも

TPEは安全性が高く、食品に触れる製品にも安心して使える素材です。

例えば、食器や赤ちゃん用グッズなどがその代表例。

また、加工しやすいので、デザインの自由度も高く、家具のクッション部分や持ちやすいハンドルなどにも使われています。

これによって、製品が丈夫になり、長く使えるようになります。


スポーツ用品にも大活躍!

ゴルフクラブのグリップやテニスラケットのラップには、衝撃を吸収してくれるTPEが使われています。

そのおかげで、スポーツ時のパフォーマンスをサポートしています。

また、スノーボードやスキーのブーツ、プロテクターにもTPEが採用されており、軽くて衝撃に強いという特徴を活かして、選手の安全性や快適性を高めています。


このように、TPEは私たちの生活のさまざまな場面で役立っています!

今後も、もっと便利で快適な製品が登場しそうですね。

ゴムのリサイクル技術

ゴムや熱可塑性樹脂のリサイクル技術が進化し、環境に優しい製品がどんどん生まれています。

以下でそんな最新の取り組みを紹介します!


イノアックは、ポリウレタンフォーム(スポンジのような素材)のリサイクル技術を開発。

化学的な方法で分解し、もう一度新しい素材として使えるようにすることで、ゴミを減らしながらコスト削減も実現しています。


豊田合成は、独自の脱硫再生技術を開発!ゴムの分子をうまく切り離し、高品質な再生ゴムを作ることで、環境負荷を減らしながら脱炭素に貢献しています。


富士ゴム化成は、ゴム廃棄物の影響を抑えるために、新しいリサイクル技術を導入。

ゴムを細かく砕く「極低温粉砕技術」や、化学的に分解する「脱硫技術」を活用し、より良い再生ゴムを生み出しています。


これらの技術のおかげで、私たちの身近な製品にもリサイクルゴムが活用されるようになっています。

環境にやさしく、資源を有効活用するリサイクル技術、これからの発展が楽しみですね!

ゴム加工とリサイクル技術で未来へ!

ゴム加工の技術が進化することで、私たちの生活はより快適で便利になっています。

さらに、リサイクル技術の発展により、使い終わったゴムが新しい製品として生まれ変わり、環境にも優しいものづくりが可能になっています。


これからもゴム加工とリサイクル技術の進化によって、さらに持続可能な社会が実現していくでしょう。

身近な製品に使われているゴムの技術に目を向けてみると、新たな発見があるかもしれませんね!