ものづくりプレス

2025-05-20

オイルシールの材質選定ガイド|耐久性・摩擦特性を最適化する方法

機械の内部で活躍する「オイルシール」って知っていますか?

普段はあまり目にすることのない部品ですが、実は私たちの生活に欠かせない重要な役割を果たしているんです。

例えば、自動車のエンジンや工場の機械など、回転する部分には必ずと言っていいほど使われています。

オイルシールの役割は、潤滑油やグリースが漏れ出すのを防ぎ、同時に外からのホコリや異物が入り込むのを防止すること。

これによって、機械の摩擦や故障を防ぎ、長持ちさせることができるんですよ。


本記事では、オイルシールの仕組みや選び方について見ていきます。

これを知れば、機械のメンテナンスや部品選びがぐっと楽になります。

使う環境や目的に合わせて最適なオイルシールを選ぶことが、機械のパフォーマンス向上や寿命延長につながるんです。

では、一緒にオイルシールの基本を学んでいきましょう。

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オイルシールの主な役割

潤滑油のキープ

オイルシールは、歯車や軸受などの部品がスムーズに動くように、潤滑油をしっかりとキープしてくれます。

これによって、摩擦が減り、部品の寿命も長くなるんですよ。


汚れや異物のブロック

外から入ってくるホコリやゴミをしっかり防いでくれるので、機械の内部が傷ついたり、摩耗するのを防ぎます。


安定したシール性能の維持

長期間使っていても変形しにくく、しっかりと密閉する力をキープしてくれます。


摩擦熱のカット

摩擦で発生する熱も抑えてくれるので、機械がオーバーヒートするのを防ぐ効果もあります。

オイルシールの構造

オイルシールって、実はこんなパーツでできています。


シールリップ

潤滑油やグリースの漏れを防ぐ一番大事な部分。

ゴム素材(ニトリルゴムやフッ素ゴムなど)でできていて、軸としっかり密着します。


スプリング

シールリップを軸に押し付けて、密閉力を強化する役割。


金属環

オイルシール全体の形をしっかり保つための補強材。


バックアップリング

圧力が高い環境でも、シールリップが変形しないようにサポートする部品。

オイルシールを選ぶときのポイント

使う油の種類

潤滑油、グリース、燃料など、どんな液体に触れるかで材質選定が変わります。

例えば、油圧システムなら「ニトリルゴム」、高温や化学薬品に強い「フッ素ゴム」がおすすめ。


温度環境

高温の現場なら「シリコーンゴム」や「フッ素ゴム」、寒い場所なら「低温脆性に強いゴム」など、環境に合ったものを選びましょう。


圧力条件

高圧の環境では、「耐圧用オイルシール」や「バックアップリング付き」のものがおすすめ。


回転速度と摩擦特性

回転が速い軸なら、摩耗に強くて滑りが良い素材を選ぶのがポイント。


取り付け寸法

機械の設計に合ったサイズを選ばないと、シールの性能が下がってしまいます。


異物の侵入防止機能

汚れやゴミが多い場所では、「ダストリップ付き」のオイルシールを選ぶと安心です。

まとめ

オイルシールは、機械の潤滑油やグリースを守る頼もしい存在。

適切な材質選定をすることで、耐久性やシール性能の向上が期待できるだけでなく、異物の侵入や潤滑油の漏れを防ぎ、機械全体の寿命を延ばすことが可能です。

これにより、メンテナンスコストの削減や生産効率の向上にも寄与します。

今後も進化し続けるオイルシール技術に注目し、より高性能なシール材の開発が求められています。