ものづくりプレス

2025-06-05

ゴムダンパーの性能試験と評価方法|長寿命化のための検証技術

ゴムダンパーって、機械や建物の振動を抑えてくれる縁の下の力持ち。

でも、その効果を最大限に発揮するには、しっかりとした性能試験が欠かせません。

例えば、どれくらいの振動を吸収できるのか?高温や低温の環境でも性能が落ちないか?長期間使っても劣化しにくいか?など、さまざまな角度から検証する必要があります。


この記事では、ゴムダンパーの「動的特性試験」や「耐久性試験」など、性能評価に欠かせない試験方法をわかりやすく解説。

ゴムの特性や品質を見極めるためのポイントや、長寿命化に向けた技術についても詳しく紹介していきます!

ゴムダンパー

ゴムダンパーの性能試験方法

ゴムダンパーって、振動を吸収して機械や建物を守る重要なパーツ。

でも、その性能をしっかり評価するには、いくつかの試験が必要なんです。


動的特性試験

周波数応答試験 ゴムダンパーを振動試験機に取り付けて、さまざまな周波数の振動を加えます。

振動の大きさやタイミング(位相)の変化を測定して、周波数ごとの特性グラフ(ボード線図)を作成。

特に、共振点やエネルギーをどれだけ吸収できるか(損失係数)をチェックします。


動的剛性試験

一定の周波数や振幅を保ちながら、負荷を増やしたり減らしたりして、反発力を測定します。

これでゴムの硬さや振動をどれだけ抑えられるかがわかります。


環境試験

温度試験

高温や低温の環境にゴムダンパーを置いて、その後の柔らかさや剛性の変化をチェック。

寒さでカチカチになったり、暑さで柔らかくなりすぎないかを確認します。


耐候性試験

人工的に紫外線や湿度を再現して、ゴムがどれくらい劣化するかを調べます。

長期間使っても硬くならないか、引っ張る力に耐えられるかをチェック。


耐久性試験

疲労試験

同じ振動を長時間加えて、ゴムが劣化したり壊れたりするタイミングを確認。

どれくらいの負荷ならするかが長寿命化するかわかります。


加速寿命試験

通常の使用環境を短時間で再現して、ゴムの寿命を予測。

高温や振動、重い荷重を同時にかけることで、劣化スピードを早めて確認します。


材料特性試験

引張試験

ゴムを引っ張って、どれだけ伸びて、どのタイミングで切れるかを測定します。

最大の引っ張り強度や破断するまでの伸び率をチェックします。


硬度試験

硬度計という機械でゴムの表面を押して、どれくらいの硬さかを測定。

よく使われるのは「ショアA硬度計」です。


振動試験

模擬使用環境試験

実際に使う場面を再現した振動試験。

ゴムダンパーを取り付けた機械や装置を振動させて、振動をどれだけ抑えられるかや、共振が起きないかを確認します。


これらの試験で得られたデータをもとに、ゴムダンパーの設計や改良を進めていきます。

「見えないけど、縁の下の力持ち」として活躍するゴムダンパー。

こうしてしっかり性能チェックすることで、安全で快適な環境を支えています。

ゴムの測定方法

ゴムの特性を調べる方法は目的によってさまざまです。

使う機器や試験方法によって、試験片(テスト用のゴムの形)の形状も変わるので注意が必要です。


ゴムの試験片の形とは?

例えば、厚さ2mmのゴムシートから「ダンベル型」という形に切り抜いて使うことが一般的です。

さらに、直径29mm、厚さ12.5mmの円柱形の試験片もよく使われています。


主な測定方法

硬さ測定

ゴムの「硬さ」を数値で表します。

数値が高いほど硬く、変形させるのに強い力が必要です。

同じ測定方法で比較することが重要です。


比重測定

ゴムの重さのバランスを調べて、材料の混合や成形が正しく行われたか確認します。


引張試験

ゴムを引っ張って、どれだけ伸びるかや、どのくらいの力で切れるかを測定します。


圧縮永久ひずみ試験

長時間圧縮されたゴムが、元の形にどれだけ戻るかを調べる試験です。


加硫試験

ゴムに熱や圧力を加える「加硫(かりゅう)」の進み具合をチェックします。


引裂試験

ゴムに切れ目を入れ、どれくらいの力で裂けるかを調べます。


オゾン試験

ゴムが大気中のオゾンによって劣化する度合いを短時間で確認します。


浸漬試験

ゴムを液体に浸して、強度や重さがどう変化するかを測定します。


老化試験

長期間使った場合の劣化具合を、高温で短時間で再現して確認します。


低温試験

低温環境でゴムがどれだけ柔らかさを保てるかをチェックします。


反発弾性

ゴムがどれだけ弾むか、エネルギーを吸収するかを測定します。


摩耗試験

ゴムの表面がどれだけ削れるかを調べる試験です。


疲労試験

ゴムに繰り返し力を加えた場合、どれだけ耐久性があるかを調べます。


これらの試験を行うことで、ゴムの性能や品質がしっかり確認できます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ゴムダンパーの性能試験には、さまざまな方法があり、どれも重要な役割を果たしています。

これらの試験を通じて、振動をしっかり抑え、長期間安定した性能を発揮するゴムダンパーが生まれるのです。

見えないところで支えてくれるゴムダンパーの力が、私たちの生活や機械にどれほど大切か、少しでも感じていただけたら嬉しいです。

これからも、こうした技術の進歩が安全で快適な環境を作り出してくれることを期待しています。